02 「トウヒ村と森林狼」(脚本)
〇草原の道
コスモ「凄いね! これが魔法かぁ・・・」
コスモ「いいなぁ〜・・・ 僕も使えないかな?」
コスモ「はぁぁぁっ! ファイヤーボールッ!!!!」
コスモ「無理か・・・ 僕には才能がないみたいだ・・・」
ソーレ「・・・」
ソーレ「魔力を使っていないのだから、 魔法が放てる訳が無いわ。」
コスモ「魔力・・・!!」
ソーレ「そう・・・ 貴方にも流れているから、 その流れを認知できれば魔法を使うことができると思うわよ。」
コスモ「成る程・・・ でも、魔力なんて今まで感じたことないしなぁ・・・」
ソーレ「・・・」
コスモ「・・・まぁ、いつか使えるでしょ! 今は人のいる場所を探さなきゃね!」
〇黒
〇児童養護施設
コスモ「『トウヒ村』・・・?」
ソーレ「そう書いてあるわね。」
コスモ「宿屋とかあるのかな?」
ソーレ「探してみましょう。 あまり大きな村ではないから、 すぐに見つかるでしょう。」
コスモ「おぉ!あったあった! めっちゃいい・・・」
ソーレ「そうかしら? 普通に見えるけれど・・・」
コスモ「僕は初めて見るからさ! 想像してた通り!」
ソーレ「・・・貴方が喜んでいるなら それでいいわ。 早速中に入りましょう。」
ちょっと待って下さい!!
ソーレ「・・・なにか?」
ククル「僕はククル・トンというものです。」
ククル「貴方はもしかして・・・ ”勇者様”なのでは!?」
コスモ「(ふむ・・・なかなか鋭いな・・・ 見どころがあるじゃないか。)」
ソーレ「・・・もしそうだったら、 なにか問題があるのかしら?」
コスモ「(・・・あれ? 何か機嫌が悪そう・・・?)」
ククル「も、もしこの村に滞在するのでしたら、 宿屋ではなく、僕の家に泊まっていただけませんか?」
ソーレ「結構よ。」
コスモ「うん、そうだね。 折角の宿屋なんだから。」
ククル「そ、そうですか・・・ ではせめて! 宿代だけでも、僕に払わせて下さい!」
ソーレ「それも不要よ。」
コスモ「そ、そうだね・・・」
コスモ「・・・って、そう言えば、 僕たちお金持ってないよね?」
ソーレ「問題ないわ。 貴方が倒した魔王軍の兵士が持っていた お金を取っておいたから。」
コスモ「(へぇ・・・抜け目ないなぁ・・・)」
コスモ「というわけだから。 ごめんね?」
ククル「・・・分かりました。」
ククル「・・・」
ククル「・・・では、宿でお休み頂いた後で構いませんので、僕の家に来て頂けませんか?」
ククル「貴方方にお願いしたいことがありますので・・・」
ソーレ「・・・」
コスモ「・・・」
ソーレ「・・・どうするの?」
コスモ「うーん・・・」
コスモ「(相当困ってるみたいだしな・・・ でも、ちょっと怪しいんだよなぁ・・・)」
コスモ「(見ず知らずの人達の宿代を払おうだなんて・・・)」
コスモ「(それに、家に泊めるとか言ってたし・・・)」
ソーレ「コスモ・・・?」
コスモ「・・・」
コスモ「・・・分かった。 じゃあ、部屋が決まったら君の家に向かうよ。」
ククル「おぉ!本当ですか!? ありがとうございます!!」
ククル「僕の家は、宿を出て右にある牧場の隣に ありますので!」
ククル「それでは、待っていますね!」
ソーレ「・・・」
〇黒
〇英国風の部屋
コスモ「おぉぉ!!! 宿だ・・・ めっちゃ宿だ・・・!」
ソーレ「・・・ふぅ。」
コスモ「大丈夫?」
ソーレ「ええ。 でも少しだけ休ませてもらえるかしら? 瞼が重くて・・・」
コスモ「あぁ、そうだよね・・・」
コスモ「(そう言えば・・・ 魔王軍に連れられて、僕を運んで・・・ そのまま寝てないのかな?)」
コスモ「じゃあ、ソーレが寝ている間に、 彼の話を聞いてくるよ。」
ソーレ「・・・ごめんなさい。」
コスモ「うん、ゆっくり休んで。」
ソーレ「ええ。 おやすみなさい・・・」
〇黒
〇児童養護施設
コスモ「おぉ・・・ 豚の楽園・・・」
コスモ「コスモでーす。 ククルさんいますかー?」
「はい! いま開けますね!」
ククル「来てくださってありがとうございます!」
ククル「・・・あれ? お一人なんですね?」
コスモ「あぁ、彼女は宿につくまで寝てなかったみたいだから。」
コスモ「今はぐっすり眠ってると思うよ。」
ククル「なんと! それは申し訳ないことをしました・・・」
ククル「後で謝罪をしなくては・・・!」
コスモ「(うわ・・・めっちゃいい人じゃん・・・ ごめんね?怪しい人だとか思って・・・)」
ククル「・・・」
コスモ「それで、お願いって?」
ククル「はい・・・ この村の近くにある森に住む 『フォレストウルフ』という魔物が 我々の農作物を奪っているのです・・・」
コスモ「へぇ~・・・」
ククル「ただの村人では手も足も出ず、 困っているのです・・・」
コスモ「・・・成る程。 じゃあ、僕たちにお願いって・・・」
ククル「はい・・・ その魔物達の退治をお願いしたいのです。」
コスモ「・・・分かりました。」
ククル「おぉ! お受けいただけるのですか!?」
コスモ「僕は良いですけど、 一応彼女にも聞いてみないと・・・」
ククル「あっ! そ、そうですよね!」
ククル「で、ではまた明日お話の続きをさせて 下さい! 今日は宿でゆっくり休んで頂ければ!」
コスモ「そうさせてもらいます! それではまた明日。」
ククル「はい!」
〇黒
〇英国風の部屋
ソーレ「すぅ・・・すぅ・・・」
コスモ「ふぅ・・・」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)