第40話 カオス、虫歯に苦しむ!①(脚本)
〇古いアパート
高原みこ「ええ~? またほうれん草のお浸し?」
〇雑多な部屋
アテナ「文句を言わず食べてください」
アテナ「17歳女性の野菜摂取量目安は300g。 そのうち3分の1は緑黄色野菜を──」
高原みこ「ねえカオス。このほうれん草のお浸し、ドーナツに変えてよ」
カオス「無理。オレ様は生きてるもんしかドーナツにできねーの」
高原みこ「えっ」
高原小太郎「今カオスが食べてるドーナツってもしや・・・」
カオス「フッフッフ。オレ様を怒らせると怖いぜ」
アテナ「なに格好つけてるんですか。 近所のスーパーの見切り品でしょう」
高原みこ「なーんだ、よかった。 私にも一個ちょうだい」
カオス「ヤだね。これはオレ様のもんだ」
アテナ「御主人(マスター)、甘いものばかり食べていると虫歯になりますよ」
高原みこ「ならないよ、毎日歯磨きしてるもん!」
カオス「オレ様はロボットだから、そんなもん必要ない──」
ズキィィィン!!
カオス「いっ!?!?」
高原みこ「どうしたの?」
カオス「な、なんでもねえ! これやる」
高原みこ「いいの? ドーナツご飯だー!」
高原小太郎「まずそう・・・」
〇病院の入口
カオス「最強最新ロボットのオレ様が虫歯になるとは・・・」
母親「虫歯が治ってよかったねー」
子ども「わ~ん! あんなに大きなドリルで削るなんて聞いてないよ~!」
カオス「ドリル!?」
ヴィィィィン!!
カオス「これが歯を削る音・・・」
木藤健一「ええ。ここの歯医者は特に深く削るんです」
カオス「!? いつの間に俺の隣に」
木藤健一「歯を削ると、素晴らしく痛いんですよ」
カオス「マジか。ヤベエな」
木藤健一「ええ、とてもヤバいです。あの痛み・・・」
カオス「だろうな。 オマエ弱そうだし、怖いんだろ?」
木藤健一「耐えるのが快感なんですよ! 強くなってるって実感が湧くんですよね!」
カオス「!?」
木藤健一「身近にある修行とでもいうんでしょうか。ああ、虫歯があればあの痛みを、ドリルを感じられるのに」
カオス「へ、へえ・・・」
木藤健一「今はこうして音だけ堪能して、修行気分を味わってるんです」
カオス「オマエ、ヤベエな」
木藤健一「もしかしてあなた、幸運にも虫歯があるのではないですか? よければ中にご一緒しても?」
カオス「いっ、いや!? 虫歯なんかねえし!?」
木藤健一「ああ、待って! 僕も虫歯が欲しい・・・!」
〇荒れた倉庫
盆場スグル「歯医者のドリルの威力?」
カオス「ああ、オマエなら知ってんだろ」
盆場スグル「そうだな・・・痛みは宇宙級!」
カオス「!?」
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