異世界転生者は"夢"見ている

カルヒ

01 「"夢の始まり"」(脚本)

異世界転生者は"夢"見ている

カルヒ

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〇草原の道
???「・・・」
???「フィッフィッフィッフィッ! まさかこんな簡単に手に入るとは!」
???「これでワタクシも ”魔王様”に・・・」
???「・・・!!!!」

〇荒れた小屋
???「・・・」
???「うーん・・・」
???「はっ! 何だ今の・・・!」
???「・・・夢・・・か・・・」
???「あっ! 目が覚めたのね・・・」
???「・・・君は?」
???「私は・・・ 貴方に助けて頂いた者です。」
???「助けた・・・? 僕が・・・?」
???「ええ・・・」
???「”魔王軍”に連れて行かれるところだった 私を助けてくれたの・・・」
???「・・・? そんな覚えは無いんだけど・・・?」
???「私を連れて行こうとしていた 魔王軍の兵士を・・・」
???「空から落ちてきた貴方が 倒してくれたの。」
???「空から・・・? そ、そうなんだ・・・」
???「それじゃあ、ここは? 何か変な感じもするし・・・」
???「ここは近くにあった廃村内の家。 運の良いことに、魔物もいなかったから・・・」
???「そうなんだ! 魔物がいないなら安心だね!」
???「・・・」
???「・・・魔物って言った? 魔物がいるの?」
???「・・・?」
???「いえ・・・ この辺りには気配を感じないけれど?」
???「いや、そうじゃなくて・・・ この世界に魔物がいるの?」
???「ええ、いるけれど・・・ それがどうかしたの?」
???「へ、へぇ~・・・ いるんだ〜、魔物〜・・・」
???「大丈夫・・・? やはり、落下の衝撃で頭が・・・?」
???「あ、あぁ! 大丈夫、大丈夫! 全く問題ないよ!」
???「というか、君がここに 連れてきてくれたの?」
???「えぇ。 命の恩人を外で放って置く なんて出来ないから・・・」
???「私の力じゃ、持ち上げることが 出来なかったから、 引きずって来てしまったけれど・・・」
???「成る程・・・ だから足が痛いのか・・・」
???「それにしても驚いたわ・・・ 貴方一度、確実に死んでいたのに・・・」
???「数秒後には、寝息を立てて 眠っているんだもの。」
???「・・・え? 死んだ・・・って・・・?」
???「そう。 確実に心臓が止まっていたわ。 身体もグチャグチャになっていたし・・・」
???「そ、そうだったんだ・・・ (なんで、平気な顔してるの?この娘?)」
???「え、えっと・・・ それでこの世界は何なの? 魔物もいるって言ってたし・・・」
???「魔物の存在を知らないあたり・・・ 貴方はこの世界の者では無いのね。 死んでも生き返るし。」
???「(僕も生き返るなんて 知らなかったけどね・・・)」
???「魔物がいるなら、”蘇生魔法”とか ありそうだけど・・・」
???「そんな魔法を使える者なんて この世界に存在しないわ。」
???「もし使える者がいたとしても、とっくに 魔王軍に殺されているもの・・・」
???「へぇー・・・」
???「・・・」
???「正直、私に聞かれても詳しいことは 話せないわ。」
???「ただ、この世界には”魔物”がいて”魔王”が いて・・・」
???「それに対抗するために、人々は ”剣技や魔法”を鍛えている・・・」
???「そんな感じかしら。」
???「成る程・・・」
???「つまり僕は、ファンタジーな異世界に 転生してしまった、ということか・・・」
???「ファンタジー・・・? よくわからないけれど・・・ そんな感じなのかしら・・・?」
???「(うぉーーーーー!まじか!!! ガチの異世界転生ができるなんて!)」
???「(てことは勇者!? 勇者的な何かなのか!俺!!! 魔王を倒す勇者!的な!!??)」
???「・・・どうしたの? 顔がニヤけているけれど・・・?」
???「ん!? あぁ!なんでもないよ! ははは!」
???「と、ところで君の名前は?」
???「・・・」
???「私の人生は、魔王軍に”引き渡された” 時点で終わったの・・・」
???「どうせ殺されるか、一生奴隷として生きていくかのどちらかだったでしょうから。」
???「でも今の私は、貴方に助けられて 二度目の人生を歩んでいる・・・」
???「それに、私を売った国につけられた 名前なんて・・・」
???「だから私に、名前は無いわ。」
???「そっか・・・ でも、名前がないとこの先不便じゃない?」
???「じゃあ、貴方が決めて? 私を助けたのだから、それくらいの責任はあるでしょう?」
???「えぇ・・・? そもそも、助けた覚えもないんだけど・・・」
???「・・・」
???「・・・」
???「うーん・・・ 名付けなんて、飼ってたペットにしか 付けたことないしなぁ・・・」
???「・・・」
???「(オレンジ色の髪と瞳・・・ オレンジ・・・みかん・・・? は異世界っぽく無いよなー・・・)」
???「(オレンジか・・・オレンジ・・・火・・・太陽? ソーラー・・・ソーレ・・・)」
???「じゃあ君の名前は”ソーレ”で!」
???「・・・ソーレ・・・」
???「そう! 太陽みたいなオレンジ色の髪と瞳が 綺麗だから!」
???「・・・」
ソーレ「ソーレ・・・気に入ったわ。 貴方が付けてくれた名前、大切にする。」
???「そっか! よかったよ!」
ソーレ「・・・それで、貴方の名前は?」
???「ん? あぁ。 僕は、そ・・・」
???「・・・」
???「(待てよ・・・? 折角異世界に転生したんだから、僕も 異世界人っぽい名前を名乗りたいよな・・・)」
???「(ソーレが太陽だから、何か関連付けた方がカッコいいかな? 太陽は恒星だから惑星とか?)」
???「(プラネット・・・は人の名前っぽくないよな・・・。)」
???「(惑星・・・星・・・いや、宇宙・・・ 宇宙!)」
???「(元の名前からの関連性もあるし! 良いのでは!?)」
???「(宇宙か・・・)」
???「(我が名は、スペース!!! ・・・これはダサい。)」
???「(なんか、もっとカッコいい感じに、 ビシッと決まるような名前がいいよな・・・)」
???「(宇宙・・・小宇宙・・・!)」
コスモ「俺の名は”コスモ”・・・ この空にある全ての星を包み込む者・・・!」
ソーレ「・・・コスモ・・・ 全ての星を包み込む者・・・」
コスモ「・・・あっ・・・」
コスモ「(ヤバい、つい・・・! 引かれてる?絶対引かれてるよね!?)」
ソーレ「コスモ・・・ 貴方はこれからどうするの?」
コスモ「ふぇ!?あ、ええっと・・・ そうだな・・・」
コスモ「まずは、魔物がどんなものが確認してみたいかな〜・・・?」
コスモ「この世界に来た自分の力も知っておきたいし・・・」

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コメント

  • いきなり異世界に放り込まれた人間が誰でも思うであろうこと=心の声が丁寧に描写されていて、読者も共感しながら一緒に冒険している気分になりますね。それにしてもタイトルで強調されている”夢”が気になります。まさかの夢オチじゃないかとハラハラしますが、どうなんでしょう。

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