アテナ任務遂行中!

木佐マコ

第36話 みこ、ドーナツになる!③(脚本)

アテナ任務遂行中!

木佐マコ

今すぐ読む

アテナ任務遂行中!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇古いアパート

〇雑多な部屋
  山のように積み上がるドーナツを見て、アテナたちはため息をついた。
カオス「作っても作っても、ブタの餌以上のモンはできねーな・・・」
嘉成光「どうしよう。このままじゃ、みこちゃんが食べられちゃうよ」
アテナ「そもそも、究極のドーナツとはどういうものなのか・・・」
カオス「・・・仕方ねえ。 この手は使いたくなかったが」
嘉成光「! 何か思いついたの?」
カオス「光、お前がみこの代わりだ」
  カオスが左手にエネルギーを溜める。
嘉成光「!? いやいや!? 代わりって!?」
カオス「究極のドーナツは生命の輝きを持ってんだ。つまり人間を・・・」
嘉成光「で、でも、俺、まだみこちゃんとキスもしてないのに・・・っ」
アテナ「! 待ってください!」
カオス「ん? どーした旧式」
アテナ「今、直接ネットワークにアクセスして情報の検索をしているのですが・・・」
嘉成光「えっ、すごい。ロボットっぽい」
アテナ「ドーナツには『伝説のレシピ』というものがあるようです」
カオス「! そういや、聞いたことあるな。 ほら、あの里に封印されてんだろ?」
カオス「なんつったっけ・・・」
アテナ「知っているのですか!」
嘉成光「さすがドーナツロボット!」

〇空
  アテナが光を背に乗せて、一同は空を飛んで山奥へ向かった。
カオス「まさか『香暮里(かくれざと)』が、お前の故郷だったとはな」
嘉成光「でも、里にドーナツの『伝説のレシピ』があるなんて話、聞いたことないよ」
カオス「あるったら、ある! オレ様を信じろ!」
アテナ「今は一縷の望みに掛けるしかありません! 急ぎます!」

〇山間の集落

〇応接室
  三人は隠れ里のオフィスにやってきた。
カオス「ガワとのギャップがすげーな」
嘉成光「古いのは見た目だけ。 やっぱり、文明は活用しないとね」
嘉成光「兄さん、どうだった?」
嘉成静「『伝説のレシピ』・・・里の古文書データベースもあたったが、見つからないな」
アテナ「別の『かくれざと』なのでしょうか」
カオス「いや、『香暮里』なのは絶対だ! 未来の図鑑に載ってた」
嘉成静「未来の?」
嘉成光「なにそれ?」
カオス「とにかく、みこの命がかかってんだ! 蔵でも何でも、オレ様が直接探してやる!」

〇古民家の蔵
  重ねられた木箱を次々に探し、アテナたちはレシピを探した。
嘉成光「痛! また紙で指切った~!」
アテナ「やはり道を極めるためには、血に手を染めなくてはいけないのですね」
カオス「ったく、人間の体は弱っちいなあ」
嘉成静「お疲れ。おやつの時間だよ」
嘉成光「兄さん、何をのんきな・・・」
嘉成静「光も好きだろう。おばあちゃん直伝、蜂蜜たっぷりの、プレーンドーナツだぞ」
カオス「弟のと違って、見た目は普通だな」
嘉成光「プレーンだからね」
  静の差し出したドーナツを、カオスが一口かじる。
カオス「!!!!!」
アテナ「カオス、大丈夫ですか? 体が震えていますが」
カオス「ウマ・・・ウマーーイッ!! これだ!! 伝説が口の中に生まれた!!」
アテナ「!」

〇高架下
  堂奈津亭の屋台の前に、アテナたちが降り立った。
仙頭奈津男「来たか」
カオス「当たり前だ! みこを返してもらうぜ!」
仙頭奈津男「・・・究極を越えたドーナツと交換する約束だ」
アテナ「『伝説のレシピ』の実力を、これから見せてあげます」
仙頭奈津男「伝説? 聞いたことがないな」
嘉成光「・・・だよね。俺もまさか兄さんのレシピが伝説だなんて思わなかった」
カオス「今は何でもないレシピだけどな、未来でそう呼ばれんだよ!」
アテナ「覚悟してください」
嘉成光(なんでこいつら、こんなに自信満々なんだよ~! 未来って何!?)

〇高架下
カオス「よーし、行くぜ!」
アテナ「作り方その1、愛を込めて材料を量る」
嘉成光「ん? 愛?」
カオス「つまり、どういうことだ?」
アテナ「・・・とにかくやってみましょう。愛を込めて」

〇高架下
嘉成光「作り方その6! 愛を込めて生地を2センチの厚さに伸ばす!」
カオス「作り方その7! 愛を込めて型で抜く!」
アテナ「作り方その8、愛を込めて160度の油で揚げる」
嘉成光「みこちゃんへの愛を込めて!」
カオス「愛、愛! これが、愛だー!」
アテナ「愛・・・」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:第37話 かしこい妹? ミチルの作戦!①

成分キーワード

ページTOPへ