麻木ブレイド物語

甘土礼朝

1-1(脚本)

麻木ブレイド物語

甘土礼朝

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〇森の中
  ── 某県 某市 ──
  片田舎の里山にて少女が走っていた。
  ──
麻木 得瑠「はぁ・・・さっきの何なの」
麻木 得瑠「今日は何かおかしいよ・・・」
  少女は手に持っている剣を見る
麻木 得瑠「早く家に帰らないと・・・」
麻木 得瑠「でも」
麻木 得瑠「帰って大丈夫なのかな」
麻木 得瑠「アイツ家まで追って来るんじゃ・・・」
???「ミツケタゾ ミツケタゾ!」
麻木 得瑠「!?」
陰人「ココハ ワガ カリバ トラエタ エモノハ ニガサン!」
陰人「オトナシク クワレロ」
麻木 得瑠「どうすれば・・・」
麻木 得瑠「どうすりゃいいのよ!!」
陰人「アガアアアアアッ」
???「今よ!! 私が怯ませた!」
???「この剣で倒して!」
麻木 得瑠「でも・・・」
???「早く!!」
陰人「ナンダ ソレハ」
陰人「ナンダ ナンダ ナンダァ」
陰人「アアアアアァァァァ」
  ズるるる
  怪人は二つになって地面に落ちる。
麻木 得瑠「や、やった」
麻木 得瑠「やっちゃった」
  少女は二つになったそれを見る。
麻木 得瑠「殺人じゃないよねこれ」
麻木 得瑠「でもこうするしかなかったんだよね」
麻木 得瑠「嵐ちゃん──」

〇おしゃれなリビングダイニング
  今朝 麻木家──
麻木 母「ラン、おはよう」
麻木 嵐「おはよう母さん 姉さんまだ居る?」
麻木 母「そっちで先に食べてるわよ」
麻木 嵐「姉さん、ちょっといい?」
麻木 嵐「この前言ってたけど、今日学校早かったよね?」
麻木 得瑠「うん 先生たちの会合やるとかだったかな」
麻木 得瑠「それが何?」
麻木 嵐「私のとこも早いんだけれど、帰りに付き合ってもらえないかな?」
麻木 嵐「あんまり友達とかだと困るんだ」
麻木 得瑠「友達じゃ困る・・・!?」
麻木 得瑠「ははあ!? そう──」
麻木 得瑠「エっチい関係ね?」
麻木 嵐「違います」
麻木 嵐「もう一度言います──違います」
麻木 得瑠「むう・・・」
麻木 嵐「ほら 今日私誕生日じゃない」
麻木 嵐「お姉ちゃん(強調)にプレゼントもらおうかなーって」
麻木 得瑠「私の財布が目的か!」
麻木 嵐「大丈夫だって高いものじゃないって」
麻木 得瑠「本当?」
麻木 母「なんかランの誕生日って聞こえたけど」
麻木 嵐「姉さんが誕生日プレゼント買ってくれるって話」
麻木 得瑠「まだ了承してないって」
麻木 母「大丈夫なの? お姉ちゃんの懐結構寒いからねぇ」
麻木 得瑠「う、うん」
麻木 嵐「そう、単行本一冊とかそれぐらいかな」
麻木 得瑠「う・・・それくらいなら、いいかな」
麻木 嵐「やったね」
麻木 母「それは置いといてエル、時間大丈夫なの?」
麻木 得瑠「ありゃ、もう行くけど駅待ちでいい?」
麻木 嵐「うん、その辺りで待ってて 後で連絡する」
麻木 得瑠「OK じゃあ行ってきます」
麻木 母「はい、いってらっしゃい」
  バタン────
麻木 嵐「姉さん・・・・・・」

〇駅前ロータリー(駅名無し)
  午後 某市中央駅 ──
女学生「おお、麻木じゃないの」
女学生「駅に居るなんて珍しい どこか行くのか?」
麻木 得瑠「妹が一緒に行くとこあるとかで待ってんの」
女学生「あーあの例の有名校行ってる妹さんね」
麻木 得瑠「そう、その妹」
女学生「しかし、あそこ行けるとは驚きだな ちょっとしたセレブ?の進学校だろ」
麻木 得瑠「それが実は父さんが持ってきた推薦の話でスンナリ決まったのよ」
麻木 得瑠「授業料他色々学校から支援されるみたいらしくて、ウチみたいのでも大丈夫みたい」
女学生「そりゃますます妹すげーんじゃないのか 特待生とかそういうレベルなんじゃね」
麻木 得瑠「あの子確かに色々出来る子とは思うんだけど」
麻木 得瑠「あまりにも都合良過ぎて、なんか裏がありそうな気がするのよ」
女学生「そういうものなんか・・・」
女学生「お、そろそろ電車来るからいくわ」
麻木 得瑠「それじゃあまた」
麻木 得瑠「嵐もそろそろ来るかな」

〇田舎駅の改札
  改札口──
麻木 嵐「居た居た、姉さん待った?」
麻木 得瑠「思ったより待った気がする」
麻木 嵐「ゴメンゴメン、じゃあ行こ」
麻木 得瑠「ああ、うん」

〇商店街
麻木 得瑠「それでどこ行くのよ?」
麻木 嵐「ナイショです」
麻木 嵐「えーと、こっちだったかな」
麻木 得瑠「ホント大丈夫?」
麻木 嵐「前に一度行ってるから大丈夫」

〇ビルの裏通り
麻木 嵐「ここの建物裏を抜けて──」
麻木 得瑠「嵐ちゃん、ホント大丈夫よね」
麻木 得瑠「怖い人とか居そうなんだけど?」
麻木 嵐「ここを曲がると・・・正面に」
麻木 得瑠「聞いてない──」

〇青(ライト)
麻木 嵐「ここだ!」
麻木 得瑠「!!」
  ──つづく

次のエピソード:1-2

コメント

  • 以前、兄弟バージョンも拝読しました。異世界で活躍するお話ですね。あちらは明るい雰囲気でしたが、姉妹バージョンは冒頭のシーンが少しシリアスで不穏な雰囲気ですね。冒頭シーンのその後の展開が楽しみです。

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