異世界エイナール・ストーリー 少年コウルと少女エイリーンの旅記

七霧孝平

第8話 エイリーンの正体!(脚本)

異世界エイナール・ストーリー 少年コウルと少女エイリーンの旅記

七霧孝平

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〇綺麗な港町
コウル「中央大陸に行く船はない?」
船員「なんの目的があって 行きたいかは聞かないが・・・」
船員「塔しかない島だからね。 普通の船は向かわないよ」
コウル「どうしよう・・・」
エイリーン「ポムさんたちはもういませんし・・・」
村人「小僧たち。船がいるのか?」
コウル「あ、はい」
村人「小舟でいいならやるぜ?」
  回りの村人たちはからかうように、
  岸にある古い小舟を指した。
エイリーン「それでいいです!」
コウル「いざ、中央大陸へ!」
村人「・・・冗談のつもりだったんだが」
酒場のマスター「あれで中央大陸へは無理だろう・・・」

〇沖合
コウル「はあはあ・・・」
エイリーン「コウル様、漕ぐのを代わりましょうか?」
コウル「まだ大丈夫・・・」
エイリーン「いいえ、コウル様。無理はダメです」
コウル「でも・・・」
エイリーン「ならわたしが片側を。 それならどうです?」
コウル「・・・わかったよ」

〇沖合
エイリーン「・・・」
コウル「・・・」

〇沖合
エイリーン「着きませんね・・・」
コウル「そうだね・・・」
  何で小舟で行けるなどと思ったのか。
  コウルは自分の浅はかさを恨んだ。
エイリーン「ですが・・・」
コウル「うん?」
エイリーン「コウル様との船の上。 楽しいですよ」
コウル「っ!」
コウル(エイリーンさんは 恥ずかしくないのかな・・・)
エイリーン「・・・」

〇海辺
コウル「つ、ついた・・・」
エイリーン「あそこに見える塔が・・・」
コウル「神の・・・塔・・・」

〇荒野
コウル「これを・・・登るのかあ・・・」
  2人の目前には、
  天を貫く巨大な塔が立つ。
エイリーン「でも、行くしかありません」
コウル「あ、待って」

〇空
コウル「ここは・・・。 まだ途中だけど、ここだけやけに広い」
エイリーン「・・・」
  エイリーンはそっと、
  広間の中央の台座に触れる。
コウル「エイリーンさん!?」
エイリーン「・・・」
コウル「大丈夫?」
エイリーン「全て、思い出しました」
コウル「え?」
ワルキューレ「おかえりなさいませ。 エイリーン様」
エイリーン「ありがとう、ワルキューレたち」
コウル「え、え?」
エイリーン「コウル様、来てください。 招待します」
エイリーン「神界へ──」

〇幻想空間
コウル「ここが・・・神界・・・」
ワルキューレ「はい」
エイリーン「エイリーン、戻りました」
エイナール「よく戻りました、エイリーン。 私は心配してましたよ」
エイリーン「・・・申し訳ありません」
エイナール「攻めているのではありません。 本心です」
エイリーン「ありがとうございます。 エイナール様」
コウル(『エイナール』? この世界の名前・・・。 エイリーンさんの名字・・・)
エイナール「そして、コウル」
コウル「は、はい!」
エイナール「よくエイリーンを ここまで連れてきてくれました」
コウル「い、いえ!」
コウル「・・・えっと、 質問してもよろしいでしょうか?」
エイナール「ええ、どうぞ」
コウル「貴女は何者なんですか?」
エイナール「そうですね。 貴方はまだ知りませんでした」
エイナール「エイリーン、教えてあげなさい」
エイリーン「はい」
エイリーン「このお方は、この世界を司る神属。 女神エイナール様です」
コウル「女神・・・?」
エイリーン「そしてわたしはその下に仕える 女神見習い、 エイリーン・エイナールです」

次のエピソード:第9話 告白

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