3話「鬼現れる。願う日常」(脚本)
〇菜の花畑
ヴォルズ「久々花畑来たが・・・変わらないな」
メルア「ヴォルズ様!よかったです、会えて」
ヴォルズ「どうした?困った顔をして」
メルア「あの人・・・ずっーとついてくるんです」
???「・・・」
ヴォルズ「・・・先程からついてきてるようだが、何か用があるから言ってもらえないか?」
???「別に用はねーけど」
???「珍しい奴がいるなーって思ってな。 嬢ちゃん、歴戦獣王の娘なんだろ?」
メルア「いえ、確かに父様は獣で、町の人を守ってますが・・・そういった事は聞いてません」
ヴォルズ「・・・この娘は私の仲間の娘だ、母親が凄腕の魔術師だから有名かもしれん」
ヴォルズ(何故メルアの父親を知ってる? その事は俺とアイツしか知らないはずだが・・・一体こいつは・・・)
???「あー、白髪のムカつく魔術師か・・・どうりで、腹が立つ顔をしてるわけだ」
メルア「・・・」
ヴォルズ「私の仲間を悪く言うのはやめてもらいたい。 喧嘩を売りに来たのか?」
???「だから、特に用があるわけじゃないって言ってんだろ」
???「面白ェ奴がいたから気になっただけだ。 アンタに会えたから満足だ」
ヴォルズ(害はなそうだが・・・何を企んでる。 メルアを巻き込むわけにはいかない、穏便にすませなくては)
ヴォルズ「・・・お前は鬼であるな?私が知る鬼は強者に惹かれて、力を欲する奴らばかりだったが・・・」
ヴォルズ「お前は違うようだな」
???「オレは勝ち目ない戦いはしねーよ。 興味はあるけどな・・・」
ヴォルズ「・・・私は構わないが、メルアに手を出すなら容赦しない」
???「ふはは、餓鬼に興味ねーつの」
???「今食ったって大した力はないだろ。 もっと成長し力がついたら食うかもしれないけどな」
メルア「・・・」
???「怖い顔すんなって・・・今は何もしない。 水龍、アンタに興味がある。また今度会いに来るから」
???「楽しみに待っててくれ」
ヴォルズ「・・・メルア、大丈夫か?」
メルア「はい、大丈夫です」
メルア「ヴォルズ様、大変ですね。 厄介な方に気に入れてしまったようで・・・」
ヴォルズ「心配ない、なれている」
ヴォルズ(アイツは俺に劣らない力があるかもしれない。だが、そんな考えを口にしたらメルアは心配する。 余裕なふりをしなければ)
ヴォルズ「力が衰えても、私は強いから心配ないであろう」
メルア「・・・ヴォルズ様は強いです。 ですが、あの人からとてつもない悪意を感じました」
メルア「ヴォルズ様に何かあればタマモ様もわたくしも心配です・・・」
ヴォルズ「メルア、心配かけてすまないな。 私に力があれば、安心させてやれるのだが・・・」
メルア「力なくないです! ただ、無理をして欲しくないです」
メルア「無茶をして怪我したり帰って来なかった人を見てきました。 その度悲しかった・・・」
ヴォルズ「心配をかけることはあるが、必ず戻ってくるし人にはしないから安心してくれ」
メルア「ヴォルズ様・・・」
タマモ「メルア、何抜けがしてるのよ。 私のヴォルズ様とデートなんて・・・生意気よ」
メルア「タマモ様、ヴォルズ様と会って助けてもらったんです」
ヴォルズ「デートではないな」
タマモ「それならいいわ」
タマモ「ヴォルズ様、お昼の支度が出来ました」
ヴォルズ「ありがとう。メルアも食べて行くといい」
メルア「お腹空いてたんです。 タマモ様の料理美味しいから大好きです」
タマモ「子供ね。 さ、帰りましょう」
〇睡蓮の花園
メルア「ん〜美味しい!タマモ様が作る料理美味しいです」
ヴォルズ「ああ、どれも旨い」
タマモ「ヴォルズ様を喜ばせるために料理も頑張ってるです」
メルア「今度教えてください、料理できたらたくさん美味しいもの食べれますね」
タマモ「食いしん坊娘ね。 暇なら時ならいいわよ」
メルア「やったぁ。約束ですよ〜」
ヴォルズ(こうして見ると姉妹のようだ。 タマモみてメルアは学ぶし、タマモもメルアと接して優しくなる。 互いに良い影響だな)
メルア「あ、今日・・・カムイの里でお団子買ったんで、おやつに食べましょう」
ヴォルズ「おっ、カムイの里の団子は旨いから楽しみだ」
タマモ「それに合うお茶も用意しないといけませんね」
メルア「緑茶にしましょう」
タマモ「そうね、その前にご飯食べなさい。 甘味はそのあとよ」
メルア「はーい」
ヴォルズ(何気ない日々が1番だ。 何も変わらずにいるのが幸せだ)
ヴォルズ(この娘らの幸せを守りならそれでいい。 俺は今の日常が好きだから)