帯刀令

貴志砂印

第二話(脚本)

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〇センター街
  第二話
  ・・・・・・聖剣。
  それは、世界にいつの間にか存在している武器。
  時に代々受け継がれ、時に突然手にする。
  世界の歴史の背景には、人知れず聖剣の影があったが、それは隠されてきていた。
  その形状は刀に非ず。
  槍である場合も、鎌である場合も。
  扇や盾や籠手も存在する。
  聖剣は基本的には持ち主を認識し、本人にしか使用ができないものである。
  聖剣は主を選ぶというが、逆に人が聖剣を選ぶ場合もある。
  だが、なにより最大の特徴は。
  質量無視の物質変化。
追掛ひとみ「本当に、そんなものが存在してるんですか?」
追掛ひとみ「質量無視の物質変化なんて・・・ どういう理屈なんでしょうか」
小林謙三「まぁ、常識で考えたら、そういったリアクションになるよなぁ」
小林謙三「だがな・・・。 ひとみクンも、実際にニュースや教科書でも見たことあるだろ?」
追掛ひとみ「・・・はい。 でも、実際にホンモノを見たことはないです」
追掛ひとみ「質量無視の物質変化ですよ。 小さいものが大きくなったりするんですよ」
追掛ひとみ「手品じゃないですか!」
追掛ひとみ「正直、非現実的すぎて・・・」
小林謙三「しかし、1999年に、この日本・・・いや、世界で大きなニュースとなった」
小林謙三「考えられない、非現実的な事件」
小林謙三「聖魔大戦」
小林謙三「あれで、今まで表舞台には出てこなかった聖剣が、確実に世に知られることになった」
追掛ひとみ「・・・魔族と共に・・・」
小林謙三「そうだ。 ・・・おや?魔族のことは信じているのかい?」
小林謙三「魔族の方が、余程・・・。 非現実的だと思うがね」
追掛ひとみ「父が魔物と戦う退魔士なんです」
追掛ひとみ「日本古来から伝わる『神隠し』『かまいたち』には、妖怪の仕業と理由をつけていたが、」
追掛ひとみ「何故、昔から大人が子供に日が落ちる前に帰れと言うのか」
追掛ひとみ「夕刻の時間を知らせる鐘や放送があるのか」
追掛ひとみ「そして、何故、電車に終電があるのか・・・」
追掛ひとみ「その理由は、全て妖魔が原因であると家族からしっかりと聞かされて育ちました」
追掛ひとみ「しかし、その妖魔を率いる、人間の姿をした魔族という存在は聞かされてはいなかったです」
追掛ひとみ「でも、このような退魔士すら隠していた真実すらも明るみになったのが」
追掛ひとみ「1999年のあの日」
小林謙三「親が退魔士とは知らなかったよ。 でも、ちゃんと勉強してるみたいだね」
追掛ひとみ「ありがとうございます」
小林謙三「さて。 ここか・・・話していたら、直ぐに到着してしまったな」
追掛ひとみ「ここは・・・・・・?」
追掛ひとみ「あっ。 eスポーツ施設ですか!? 私、ゲームは得意です!」
小林謙三「ゲームが得意なのか。 俺は最近のゲームはちょっとわからないかな」
小林謙三「でも、ここは、そうじゃない。一部、そのような用途もあるけど、ちょっと違う」
小林謙三「現代の帯刀者・・・。 すなわち侍たちが集いし場所とでも言うか」
小林謙三「侍たちの健全なたまり場さ」
  つづく

次のエピソード:第三話

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