Dear📧Friends〜瑠璃色の未来

ゆきんこ

#1 神様・仏様・・・悪魔様!(脚本)

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ゆきんこ

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〇男の子の一人部屋
音夢(ネタム)「ああ〜緊張する」
音夢(ネタム)「結果発表まであと1分」
音夢(ネタム)「1年間、毎月のようにコンテストサイト『小説家にナレル』に投稿して」
音夢(ネタム)「ようやく見出した俺の希望」
音夢(ネタム)「でも」
音夢(ネタム)「そんな希望の芽を摘み取る瞬間が怖い」
音夢(ネタム)「時間だ!」
音夢(ネタム)(鳴り止め、心臓!)
音夢(ネタム)「神様、仏様──悪魔でも良いや」
音夢(ネタム)「大賞なんて言いません」
音夢(ネタム)「佳作・・・いや、努力賞でも結構です!」
音夢(ネタム)「どうか俺に、 少し早めのクリスマスプレゼントを!!」

〇SNSの画面
音夢(ネタム)「──ッ」
音夢(ネタム)「またかよ・・・」
音夢(ネタム)「また、緋色なのかよ────ッ!!」

〇大教室
「緋色、見たぜ!」
「最優秀おめでとう!!」
「書籍化決定だよね?」
「ヨッ!作家センセイ!!」
緋色(ヒイロ)「みんなヤメてよ〜」
緋色(ヒイロ)「同じサイトに投稿しても、受賞出来なかったヤツも」
緋色(ヒイロ)「隣にいるからさあ」
音夢(ネタム)「チッ!俺のコトかよ」
緋色(ヒイロ)「そんな悪意のある目で睨まれたら、気になるだろ」
緋色(ヒイロ)「モブはモブらしく教室の隅で歯ぎしりしてろよ」
音夢(ネタム)「ッざけんな!」
音夢(ネタム)「誰がモブだぁ!? 背が小せーと、人間も小せーなコラ!」
緋色(ヒイロ)「背はカンケーねーだろ!オマエは図体デカイだけで中身が無いんだよ」
???「もう、2人ともヤメテ!!」
優海(ユウミ)「顔を合わせれば喧嘩ばかり」
優海(ユウミ)「昔は仲良くしていたじゃない」
音夢(ネタム)「チッ、お節介女め」
音夢(ネタム)「仲良くしてた? 覚えてねえな」
緋色(ヒイロ)「フン。容量の割に保存データが少ないな」
音夢(ネタム)「アアッ!?」
優海(ユウミ)「だ・か・ら、喧嘩しないで!」
緋色(ヒイロ)「優海に免じて、ここまでにしておくよ」
優海(ユウミ)「待って! 緋色クン」
優海(ユウミ)「音夢クン、また今度話そうね! じゃ!」
音夢(ネタム)(やっぱりアイツら、デキているのかな)

〇クリスマスツリーのある広場
音夢(ネタム)「日が落ちるのが早くなったと思ったら」
音夢(ネタム)「来月はクリスマスか」
音夢(ネタム)「俺は特に予定が無いけど」
音夢(ネタム)「優海は緋色と・・・?」
音夢(ネタム)「あんな性悪男のどこに惚れたんだよ。 見る目がねえな!!」
音夢(ネタム)「・・・」
音夢(ネタム)(ホントは分かっている)
音夢(ネタム)(アイツにはあって、俺に無いもの)
  才能
音夢(ネタム)「あいつらは、どんどん先に行きやがる」
音夢(ネタム)「もう、一生追いつける気がしないぜ」
音夢(ネタム)「ん・・・一万円!?」
音夢(ネタム)「うわ!ラッキー♪」
  拾うな!!
音夢(ネタム)「エッ 誰か喋った・・・?」
音夢(ネタム)「──っと」
音夢(ネタム)「誰も居ない」
音夢(ネタム)「あれ、よく見たら金じゃないじゃん!」
音夢(ネタム)「チッ、見間違いか」

〇野球のグラウンド
  昔はなーんにも考えなくても、アイツらと笑いあって遊んでいたな
  でもやっぱりアイツは、俺より何でも巧くこなすんだ
  勉強、野球、小説、全部緋色が一番。
  俺は自分が情けなくなって
  いつの間にかアイツの隣に立つことが出来なくなるんだ

〇コンビニ

〇コンビニのレジ
音夢(ネタム)「お疲れ様です。 納品書にサインお願いします」
コンビニのおばちゃん「いつもご苦労さま! 荷物はレジ横の台車に積めるかい?」
音夢(ネタム)「ヨッ・・・」
音夢(ネタム)「イテテ・・・」
コンビニのおばちゃん「若いのに腰痛持ちかい?」
音夢(ネタム)「エエ、まあ。 最近ちょっと辛くなってきたかな」
コンビニのおばちゃん「背が高いからかしらね〜 そうだ!」
コンビニのおばちゃん「コレ、さっき貰ったんだけど貼るかい?」
音夢(ネタム)「湿布ですか?」
コンビニのおばちゃん「昨日、外国人の常連客が、財布忘れたっていうからツケてやったんだよ」
コンビニのおばちゃん「そしたら今日、お礼に持ってきてくれたの」
コンビニのおばちゃん「なんでも、『痛みを無くす湿布』らしいよ」
音夢(ネタム)「ロキソニンかな?ありがとうございます」
コンビニのおばちゃん「なんだか顔色も良くないね」
コンビニのおばちゃん「ちゃんと彼女に、ご飯を作ってもらいなさいよ!外食ばかりじゃ偏るわよ」
音夢(ネタム)「彼女居ないんです」
コンビニのおばちゃん「あら!こんな良いオトコなのに」
コンビニのおばちゃん「おばちゃんと付きあう!?」
コンビニのおばちゃん「アハハハ、冗談だよ。 あと10年若かったらね!」
コンビニのおばちゃん「ほら、さっき賞味期限切れたばかりの弁当あげるから元気出して」
音夢(ネタム)「エッ!? 良いんですか?」
コンビニのおばちゃん「イケメンにはお世話になってるからね」
コンビニのおばちゃん「人生いろいろあるさ! 頑張りなよ!!」
音夢(ネタム)「・・・元気出ました! また来ますね」
コンビニのおばちゃん「そういえばあの湿布、」
コンビニのおばちゃん「痛みを吸い取る代わりに何かあるって言ってなかったかしら?」
コンビニのおばちゃん「・・・」
コンビニのおばちゃん「ま、いいか! 忘れたことは忘れよう!!」

〇クリスマスツリーのある広場
音夢(ネタム)「たまには良いこともあるもんだな」
音夢(ネタム)「俺も次回は、 ハートフルな話を書いてみよう」
音夢(ネタム)「アッ、あれは──!」
優海(ユウミ)「私は緋色クンと音夢クンが昔みたいに仲良くしてほしいの」
優海(ユウミ)「私たち、幼なじみじゃない」
緋色(ヒイロ)「だってアイツ、ムカつくんだよ」
緋色(ヒイロ)「野球、塾、進学先」
緋色(ヒイロ)「みーんな俺のマネしてくるクセに、 ツッコミ入れたら直ぐにむくれる」
緋色(ヒイロ)「アイツは転生でもして、 人生やり直すべきだよ!」
優海(ユウミ)「転生だなんて・・・!」
優海(ユウミ)「志が同じ仲間なだけじゃない。 良くないよ、そんな言い方」
緋色(ヒイロ)「ずいぶん音夢の肩を持つね」
優海(ユウミ)「音夢クンは自己肯定が低いせいで、嫌な態度をする時もあるけど」
優海(ユウミ)「根は良い人だって、緋色クンも分かっているでしょ?」
緋色(ヒイロ)「さあね」
優海(ユウミ)「真面目に聞いてよ!」
緋色(ヒイロ)「音夢の話より、俺は優海の来月の予定が聞きたいな」
優海(ユウミ)「来月?」
緋色(ヒイロ)「クリスマス、俺と一緒に過ごしてくれない?」
優海(ユウミ)「ああ、クリスマス会ね。 じゃあ小説同好会の皆も誘って──」
緋色(ヒイロ)「みんなじゃなくて・・・」
緋色(ヒイロ)「2人だけじゃ、ダメ?」

〇黒
  時は残酷だ
  見たくないモノまで俺に見せつけてくる
音夢(ネタム)「お似合いだぜ。チクショー・・・」

〇クリスマスツリーのある広場
優海(ユウミ)「・・・」
緋色(ヒイロ)「今は答えられないなら、 前の日までに返事くれるかい?」
優海(ユウミ)「うん・・・そうさせてほしい」
緋色(ヒイロ)「じゃ!また明日」
優海(ユウミ)(今の人影、 ひょっとしたら音夢クン!?)
優海(ユウミ)(誤解されたかも。 追いかけなきゃ!)
???「・・・」

〇川沿いの公園
優海「音夢クン!」
音夢(ネタム)「ゲッ!優海!?」
優海(ユウミ)「ま、待って! 何で逃げるのよ──!!」
音夢(ネタム)(アイツ、何で追いかけてくるんだよ!)
音夢(ネタム)(緋色の告白シーン見た後じゃ、気まずいだろ!?)
優海(ユウミ)「元・陸上部、ナメんな──!!」
音夢(ネタム)「速えーな! 追いつかれそうだ・・・!!」
音夢(ネタム)「ハア、ハア。 ココに隠れよう!」
???「ちょっと君・・・」
音夢(ネタム)「え、何? 今はそれどころじゃ・・・」
???「コッチもそれどころじゃ無くて・・・」
音夢(ネタム)「ハアアッ!?」
音夢(ネタム)「・・・」
優海(ユウミ)「ハアッハアッ・・・音夢クン・・・!?」
優海(ユウミ)「どうしたの?」
優海(ユウミ)「ア、アナタは誰?」
???「僕は正義のお助けマン!」
???「君専用のね☆」
優海(ユウミ)「音夢クンに何をしたの?!?」
???「優海は悪い虫が付きやすいから、 排除したんだ♪」
優海(ユウミ)「排除・・・?」
???「可愛すぎると勘違いするオトコが多いから、気を付けてね!」
???「じゃ、またね」
優海(ユウミ)「ね、音夢クン!! 大丈夫?」
優海(ユウミ)「キャ・・・!!」

〇黒
  神様、仏様。
  俺、まだ何もしていないのに死んじゃうのかな
  こんなコトになるなら俺も、
  告白くらいしておけば良かった。
  緋色にも謝れば良かった。
音夢(ネタム)「悪魔でも・・・」
  ──もう遅いか。

〇女の子の部屋
「朝か」
「昨日は・・・夢だったんだ」
「良かった! 刺されて死んだのかと思った」
「ハハハハ」
「ん? 声が変・・・」
音夢(ネタム)「・・・」
音夢(ネタム)「ゆ、優海!?」
音夢(ネタム)「ハアアアアア!?」
音夢(ネタム)「まだ夢の中なのか!?」

〇空
「俺が優海になっている──!?」

次のエピソード:#2 俺が優海で優海が俺で

コメント

  • 「Dear📧Friends〜瑠璃色の未来」は、ユーモア溢れるジュブナイル小説だった!主人公の音夢は、小説コンテストでの受賞を夢見て頑張っているけど、ライバルの緋色にいつも負けてしまう。それでも、友達の優海の言葉で心が救われる場面もあって、ほのぼのとした気持ちになったよ。また、コンビニのおばちゃんの元気な言葉にも励まされたし、音夢の成長にも期待が膨らんだ。次回作も楽しみだ!

  • 短編を読み返して、当時ネタムにものすごく共感したことを思い出しました。アレから自分もだいぶ気持ちも変わりました。それと同じようにこの物語も内容が驚く程変わっててビックリ😳
    予想ができない展開を早速ぶっ込むゆきんこ節が炸裂しましたね。これからどうなってしまうんだ(笑)

  • あの短編の記憶が強いため、読む前には号泣してもいいように色々と仕度していたのですが……驚きとしてやられた感でいっぱいです😊 何て気持ちのイイ裏切られ方😂
    不穏さや謎が散りばめられた展開に興味をそそられていてら、まさかのラストが😵 心を鷲掴みにされてブンブン振り回されている気分です😊

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