愛しさのカタチ

兎乃井メライ

DAY27: 同棲ですか!?(脚本)

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〇狭い畳部屋
三澤梨々花「はい、ブラッシング終わったよ」
ハイジ「アンッ!!」
三澤梨々花「ふふ、変な感じね 朝からこうして一緒にいるなんて」
三澤梨々花「でも朝イチでブラッシングを要求するとはさすがよね・・・ ブラシ咥えて廊下で待ち構えてるんだもの・・・」
ハイジ「ガル??」
三澤梨々花「まあいいわよ・・・ 家賃分働くって宣言したのは私だしね 一カ月間しっかりお世話しますよ、女王様」
三澤梨々花「あれっ?」
三澤梨々花「先生、おはようございます 早いですね、まだ7時前ですよ?」
落合はるか「・・・ああ オレも朝メシ、頼む」
三澤梨々花「え、今日は2限からって言ってましたよね? もう行くんですか?」
落合はるか「いや・・・ その方が手間が減るだろ」
落合はるか「お前がここにいる間は メシはなるべく同じ時間に食う」
三澤梨々花「えぇっ!?」
落合はるか「あーでも、土日は頼んだ時だけでいい 出かけることも多いし、テキトーにやる」
三澤梨々花「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
落合はるか「・・・なんだよ そんなに驚くことかよ」
三澤梨々花「お、驚きますよ! だってそれって、私への思いやり・・・ですよね??」
落合はるか「同居する以上は ある程度互いに配慮は必要だろ 俺だってそこまで自己中じゃねえよ 合わせられるところは合わせる」
落合はるか「なんか文句あんのか」
三澤梨々花「なっないです! むしろその方が助かるし!」
落合はるか「だったら喋る盆栽見たような顔すんな はやくメシ」
三澤梨々花「は、はーい、すぐ用意します~」
三澤梨々花「あ、私朝はパン派なんですけど ホットサンドでもいいですか!?」
落合はるか「・・・そんなものが作れる道具がうちにあったか?」
三澤梨々花「なくても大丈夫です! フライパンで出来ちゃいます♪」
落合はるか「・・・ふうん ああ、それでいい。コーヒーもな」
三澤梨々花(やさしいのかやさしくないのか・・・ ほんとによくわかんない人・・・)
三澤梨々花(でも先生とごはん食べる日がくるなんて なんか一緒に住んでるなぁって感じ・・・)
三澤梨々花(ていうかこのシチュエーション・・・ 同居っていうより、ええとなんて言うんだっけ・・・)
三澤梨々花(ドラマか何かで見た・・・ そう、”同棲”っぽい・・・!?)
ハイジ「ウウウウ~ッ アウアウアウッ!!!」
三澤梨々花「ああ、はいはい あなたも朝ごはんね💦 わかったわよ」
三澤梨々花(・・・な~んてね 何考えてるんだろ、私💦)
三澤梨々花「さて、おいしい朝ごはん作ろう♪」

〇学校の校舎

〇教室
吉沢美森「梨々花〜 ねえ、この店なんだけど・・・」
三澤梨々花「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吉沢美森「梨々花? ・・・ねえってば!」
三澤梨々花「あっ、ごめん何?」
吉沢美森「真剣に、何読んでるの?」
三澤梨々花「あー、ちょっと調べ物があって・・・」
吉沢美森「『365日家事の達人になる』 『徹底図解 お掃除のすべて』 『カンタン整理整頓術』」
吉沢美森「うわ、掃除の本ばっかじゃん! 例のバイトのため? アンタ、何目指してんの・・・」
三澤梨々花「あはは、ちょっと掃除にハマっちゃって 極めたくなっちゃったの」
三澤梨々花(先生んち、お掃除しがいがありそうなんだもん)
吉沢美森「・・・ん? この一冊だけテイスト違う・・・ 『カレのためのおもてなしゴハン』」
三澤梨々花「・・・あ」
吉沢美森「・・・梨々花」
吉沢美森「ア、アンタ、カレシできたの!?」
三澤梨々花「ち、違うよ! それはたまたま図書館で目に入って── 先生の好きそうなレシピが載ってたから」
吉沢美森「ダイゴロウのため!? 前は嫌なやつだって嫌ってたのに? ────もしかして」
三澤梨々花「し、仕事のためだよ! 栄養管理も仕事のうちだもん! お給料もらってるんだし!」
吉沢美森「えー? ずいぶん熱心だけどー 仕事の範疇超えてませんかぁー?」
吉沢美森「怪しいなぁ〜〜」
三澤梨々花「もう!!」
三澤梨々花「そ、それよりさっき何言いかけたの?」
吉沢美森「あ、そうだった」
吉沢美森「ほら、里見たちの県の予選会突破のお祝いしようって話してたじゃない?」
吉沢美森「扇谷さんから里見に連絡がきて このダイニングカフェはどうかって」
吉沢美森「生クリーム鬼盛りのふわふわパンケーキがおいしいんだってー♡」
三澤梨々花「へえ〜オシャレなお店だね! いいんじゃないかな?」
吉沢美森「じゃあここでOKって扇谷さんに伝えてもらうね あ、今週の土曜日の夜がみんな都合いいみたいなんだけど、梨々花バイト?」
三澤梨々花(土曜日の夜か・・・ 土日は基本食事いらないって言ってたし 前もって先生に伝えておけば大丈夫だよね・・・)
三澤梨々花「大丈夫、行けると思うよ せっかくのインターハイ出場のお祝いだしね!」
吉沢美森「よかった! じゃあ、待ち合わせとかはわかったら伝えるね!!」
三澤梨々花「うん、よろしくね」
三澤梨々花(帰ったら先生に伝えようっと)
三澤梨々花「さて、一通り読んだし 休み時間のうちに図書室に行って本返してこようかな」
  『カレのためのおもてなしゴハン』
三澤梨々花「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
三澤梨々花(・・・これだけ)
三澤梨々花(もう少し借りておこうかな・・・)

〇平屋の一戸建て

〇アパートの台所
三澤梨々花「あっ、たまご切らしてたの忘れてた! オムライスには必須なのにー」
三澤梨々花「ハイジのお散歩の途中で買ってくればよかった・・・ しょうがない、行ってこよ ハイジ、ちょっとお留守番しててね!」
ハイジ「・・・アウ?」

〇部屋の前
三澤梨々花「あれっ、先生もう帰ってくる時間でしたっけ?」
落合はるか「急遽ゼミがなくなった ・・・何急いでんだ?」
三澤梨々花「たまごがないんです! なのでスーパーに行こうと思って」
落合はるか「たまごならそこのコンビニにあるだろ」
三澤梨々花「高いからダメです コンビニは他の選択肢がない時の最終手段ですよ!」
三澤梨々花「それに牛乳とかキッチンペーパーも残り少ないから モールまで行ってこようと思って」
落合はるか「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
落合はるか「仕方ねえな、つきあってやる」
落合はるか「ほら行くぞ」
三澤梨々花「え・・・どこに?」
落合はるか「だから駅前のモールだろ? さっき言ってたじゃねえか」
三澤梨々花「えっ!!! 先生も行くんですか!?」
落合はるか「荷物多くなるんだろ? 車出してやるよ 先行ってるぞ」
三澤梨々花「あ、ありがとうございます! すぐ行きます!」

〇田舎のショッピングモール

〇スーパーの店内
三澤梨々花「ああっ、オリーブオイル特売だって! せっかくだから、2本買っておこう!」
三澤梨々花「あ、しょうゆとみりんも少なかったかも! まとめて買っちゃおう♪」
落合はるか「・・・お前、ここぞとばかりに 重いもん買おうとしてるだろ」
三澤梨々花「えへ♪」
落合はるか「えへ、じゃねえよ」
三澤梨々花「すみません、なんかうれしくて」
落合はるか「オリーブオイルの特売がか? ヘンなやつ・・・まあいいけど」
三澤梨々花(ふふっ・・・)
三澤梨々花(先生がスーパーのカート押してる・・・ ふふ・・・ふふふっ・・・)
三澤梨々花(なんだろう、すっごく楽しい・・・! まさか一緒に来てくれるとは思わなかったなぁ)
三澤梨々花(デートって・・・こんな感じなのかな・・・ スーパーだけど・・・)
三澤梨々花(・・・って 私今日へんなことばっかり考えてる💦 どうしたんだろ・・・)
落合はるか「おい、まだ何か買うのか」
三澤梨々花「えーと、もうこれで大丈夫だと思います」
三澤梨々花「あっ、先生お菓子とかいります? 来てくれたお礼に買ってあげますよ!」
落合はるか「いらねーよ・・・」

次のエピソード:DAY28: 壮行会

コメント

  • イロイロと意識し始める梨々花ちゃんと、優しさの片鱗を見せるはるか先生、今回はキュンキュン回ですね!
    そんな中でも、お菓子買ってあげますよ、におかん要素が詰まっていて笑ってしまいました!

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