第32話 冥途の土産に教えてやる!②(脚本)
〇ビルの裏
カオス「このこと、みこに内緒に・・・って、できねーよな、お前は」
嘉成光「当たり前だろ! 通りすがりの人に暴力振るうなんて」
カオス「ソイツはみこの命を狙ってんだよ」
嘉成光「えっ、暗殺者なの!?」
カオス「わかったなら、どけ。 オレ様はオシゴトをしてんだ」
嘉成光「俺がどいたらどうするつもり? 暴力は──」
カオスはおもむろに、光の襟首を吊り上げた。
嘉成光「!! 何を!」
カオス「邪魔すんな」
嘉成光「そっちこそ、みこちゃんに知られてまずいことするなよ!」
カオス「チッ」
嘉成光「っ!?」
カオスが光の首の後ろに手刀を打つ。
光は気絶して地面に倒れた。
カオス「・・・まずいことでも、しなくちゃなんねーんだよ」
Dr.BAD「お、お願いだ・・・話を聞いてくれ! 私を殺せば、本部の連中が黙ってないぞ」
カオス「今日はツイてねーな、お互い」
右手にエネルギー体を溜めるカオス。
Dr.BAD「うわっ、うわぁああぁ!?」
カオス「相変わらず諦めの悪ぃヤツだな。 そーゆーのダサいぜ!」
逃げ出したDr. BADに、カオスがエネルギーを放射する。
ネズミ「ヂュッ!?」
カオス「はぁ・・・外したか。マジでツイてねえ」
〇古いアパート
〇雑多な部屋
気絶した光を抱えたカオスが現れる。
高原みこ「!? 光くん、どうしたの!?」
カオス「ちょっと寝てるだけだ」
カオス「じゃ、ソイツのこと頼んだぜ」
高原みこ「待ってカオス! アテナがどこに行ったか知らない!?」
カオス「ああ、旧式のことか」
高原みこ「ずっと探してるんだけど、どこにも居なくて」
カオス「だろーな。俺が捨てたから」
高原みこ「捨てた!?」
〇通学路
高原みこ「アテナー、どこ~?」
〇山並み
カオスは山奥の開けた場所に立ち、周囲を見渡した。
カオス「本部なんてねーじゃん。Dr. BADのヤツ、テキトーなこと言って──」
その時、地面のゲートが開いて何十体もの巨大ロボットが出現した。
カオス「ハッ、ソッチから来てくれるとは」
搭乗員1「新型XT04の力、お前で試させてもらうぜ!」
搭乗員2「正面から来るとはよほど自信があるのか、それともただの馬鹿か?」
カオス「お前ら全員ぶっ潰さねーと、みこが危ないんでな」
〇白
まばゆい金色の光が森全体に輝く。
〇森の中
大破して散らばるロボットの破片。
いくつものドーナツが地面を転がった。
〇雑多な部屋
嘉成光「んん、朝・・・?」
嘉成光「って、え!? なんでみこちゃんの家にいるんだ?」
飛び起きると、枕元に置かれた手紙が目に入った。
カオスがアテナをゴミ捨て場に捨てちゃったから、探してきます! みこ
嘉成光「あいつ・・・!」
〇川に架かる橋
嘉成光「みこちゃん、いた!」
高原みこ「光くん、アテナが全然見つからないの!」
嘉成光「・・・やっぱりカオスは信用できないよ」
高原みこ「え? アテナを捨てちゃったから?」
嘉成光「うん。それに、あいつ暗殺者を傷つけようと・・・」
高原みこ「でもカオスは優しいところもあるよ。寝てる光くんをうちまで運んでくれたし」
嘉成光「・・・カオスが?」
高原みこ「うん、寝かせてやれって・・・」
嘉成光「・・・・・・」
光が返答に困っていると、二人の前をごみ収集車が通過した。
高原みこ「わわわ! 急ごう光くん! アテナが収集されちゃう!」
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