守護の弾丸

マナ

失踪事件②(脚本)

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〇商店街
  30分前
  典子はのどかたちと別れた後、1人帰路についていた
真島 典子(・・・さすがに食べすぎたでしょうか?甘いものは苦手なんですけど、のどかたちと一緒だと不思議と食べられるんですよね)
真島 典子「今度は二人の好きそうなお菓子屋さんでも探してみましょう♪」
「すみません」
真島 典子「えっ!?」
  突然声を掛けられ振り返ると、一人の女性が立っていた
真島 典子「・・・あの・・・私でしょうか?」
???「突然声を掛けてごめんなさい。少し聞きたいことがあって」
???「いいかしら?」
真島 典子「はい・・・大丈夫です・・・」
???「さっきあなた達がクレープを食べていたでしょ?それであなたのお友達の元気な声の女の子なんだけど・・・」
真島 典子「・・・元気な声・・・もしかして、香苗のことでしょうか?」
???「・・・・・・」
???「・・・そう、香苗ちゃん。とても美味しそうに見えたから」
真島 典子「えっ!?」
???「香苗ちゃんが食べてたクレープがね」
真島 典子「あ、ああ!そうですよね!」
???「それでその香苗ちゃんが食べてたクレープの名前を教えてもらいたくてあなたに声をかけたの」
真島 典子「それでしたら・・・たしか、ストロベリーバナナですね。とても美味しかったですよ!」
???「ストロベリーバナナね。ありがとう。・・・本当に」
真島 典子「いえ、お礼を言われるほどのことではありません!では、私はこれで・・・」
真島 典子(あの人クレープがお好きなんですね!)
  そう思いながら帰ろうとしたとき、ふと疑問に思った
真島 典子(──あれ?)
真島 典子(香苗の食べていたクレープが欲しかったのなら、なぜ私ではなく香苗に声を掛けなかったんでしょう?)
  食べていた本人ではなく別の人間に聞くなんて不自然だ。あの人は自分たちがクレープを食べているのを見かけたと言っていた
  近くにいたのなら香苗に声をかけることは十分できる。わざわざ別方向の自分を追いかける理由はない
  思い返してみれば、どことなく怪しい人だ。話をしているとき表情は笑っているはずなのに感情が感じ取れなかった
真島 典子(唯一感情が見えた気がしたのは、香苗の名前を言ったとき)
  いいしれない不安を感じながら女性に疑問をぶつけようと振り返ると──
真島 典子「あ、あれ!?先程の人がいない!!」
  女性から目を離して振り返るまで一分もかかっていない。にもかかわらずどこを見ても先程の女性の姿はなかった
  ──まだ遠くには行っていないはず。
  そう思い探すために踏み出そうとしたとき。
  突然スマホが鳴り出した
真島 典子「学校から!?一体何でしょう?」
真島 典子「はい、真島です」
  ・・・・・・
真島 典子「あの・・・もしもし?」
  ・・・真島・・・さん?わ・・・わたしよ、保険室の中村よ・・・
真島 典子「中村先生!?」

〇保健室
  保険室の中村先生。
  典子の通う高校で保険室を任されているのだが、悪い意味で有名だった。
  自分のお気に入りの生徒以外には酷く冷たく、他の教師陣に対しても高圧的でたびたび問題になっていた。
  一部の男子生徒以外からは嫌われているのである
  典子も接点はあまりない。だからこそ電話が掛かってきたことに驚いたのである

〇商店街
真島 典子「中村先生?こんな時間にどうされました?」
  真島さんあなたに渡すものがあって・・・今から学校に来てくれるかしら?
真島 典子「今からですか!?明日では駄目なのでしょうか?」
  ッ!!いますぐよ!!いいわね!!
真島 典子「せ、先生!!!?・・・切れてしまいました・・・とにかく学校にいきましょう。お母さんに遅くなると連絡しなくては・・・」
  訳がわからないまま学校へと歩き出した典子。先程の女性のことは既に頭にはなかった

〇保健室
中村「言う通りにしたわ!これで・・・いいんでしょ?」
「・・・・・・」
中村(ここにいたらこの狂人になにされるかわかったもんじゃないわ!!!)
中村(こいつの狙いが真島だっていうんなら好都合。あの娘には悪いけど、私のために犠牲になってもらうわ!!)
中村「ねぇ!お願い!あなた真島さんのこと気に入ってるんでしょ!?私も協力するわ!!だから助けて!!」
「・・・・・・」
中村「ま、待ってよ!!何するつもり!?」
「・・・・・・」
中村「やめて・・・やめてよ!!お願い!!お願いします!!」
「・・・・・・」
中村「いや!死にたくない!!死にたくないの!!──────ぎッ」
「ぎあ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!!!!!!!!!!!!!」

〇学校の廊下
真島 典子「学校に着きましたけど。中村先生どこでしょう?」
  学校へと着いた典子は中村先生を探しながら保険室へと向かっていた
真島 典子(職員室にはいませんでしたし・・・スマホを鳴らしているのに出ません・・・やはり保健室でしょうか?)
  校舎は人ひとりおらず、見慣れたはずの風景が不気味で重苦しく感じた
  階段を下り保健室へとたどり着いたとき中からかすかにスマホの着信音が聞こえた
真島 典子「スマホを置いて帰られたんでしょうか?けどすぐに来るように言ってましたし・・・」
真島 典子「先生?・・・中村先生?・・・入りますよ?」
  保健室のドアを開け中に入ると、そこには──
真島 典子「──────き、」
「キャアァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!」
  中にはおびただしいほどの血と・・・中村先生だったもののパーツが散乱していた・・・

〇保健室
「な、なんですか、これ!?一体なにが・・・」
「う・・・うぇぇぇぇぇ!!!」
  あまりの光景と充満する血臭に胃の中の物をすべて吐き出す典子。
  数十分前まで友達と美味しいと食べていたものが今は不快な味だけを口の中に残している・・・
真島 典子「ハァッハァッハァ!うっ・・・。こ、ここから・・・ここから逃げないと・・・」
  なにが起こっているのかは分からないが、誰かに殺されたことだけは分かる。自分と電話で話してここに来るまでの時間に・・・
  だとするならば、この惨劇を引き起こした犯人がまだ近くにいるかもしれない。
  典子はこみ上げる吐き気を押さえつけながらその場から離れる

〇学校の廊下
真島 典子「とにかく外に!それから警察に電話して──」
  どこに犯人がいるのか分からない恐怖を抑えながら出口を目指す。
  本当は全速力で走り抜けたいが足音を響かせるのはまずいと少しだけ残っていた理性が静止する。
真島 典子(どうしてこの学校は保健室がこんな奥にあるんでしょうか!!)
  心のなかで愚痴をこぼしながら早歩きで歩いていく典子。曲がり角を曲がろうとしたとき突然現れた人影にぶつかった・・・
真島 典子「キャっ!!」
  思わず大きな声をあげようとした典子はその後の聞き慣れた声に顔をあげる──
葉島 秀「真島じゃないか。なにをやっているんだ?こんな時間に・・・」
真島 典子「葉島・・・先生?──ッ葉島先生!!!!」
葉島 秀「真島!?」
真島 典子「葉島先生!!先生・・・わたし・・・わたし・・・」
葉島 秀「落ち着け。大丈夫だ。何があったのか説明してくれ」
真島 典子「・・・はい・・・保健室で・・・先生が死んでいて・・・」
葉島 秀「中村先生が!!!?」
真島 典子「中村先生に呼び出されて、保健室に行ったら先生が亡くなっていて・・・わたしもう怖くて・・・」
葉島 秀「そうか・・・大丈夫だ!真島のことはオレがちゃんと守ってやる!」
真島 典子「はい・・・」
葉島 秀「とにかく移動しよう。犯人がまだいるかもしれない。教室に行こう。あそこなら鍵がかけられる。そうやすやすと入ってこられない」
真島 典子「先生は犯人を見ていませんか?」

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