第31話 冥途の土産に教えてやる!①(脚本)
〇大きな木のある校舎
生徒たち「キャーーー!!」
混乱して逃げ惑う生徒たち。
嘉成光「急いでみんな! ここから離れて!」
光は生徒たちを避難経路に誘導すると、校舎を振り返った。
嘉成光「みこちゃんのこと任せたぞ、アテナ・・・!」
そのとき、大きな爆発音が響いた。
嘉成光「!」
〇学園内のベンチ
爆発の煙の中から姿を現すロボット。
盆場スグル「うあ~~っ、スグルスペシャルウルトラ火煙爆弾もきかないとは!!」
高原みこ「ど、どーしよ! もう逃げられないよ、アテナ!」
アテナ「・・・っ、大丈夫です。御主人(マスター)はここから動かないでください」
ギギギッ・・・とロボットがパンチの構えをとる。
アテナ「! 来る!」
盆場スグル「やだ~~!! 痛いのは、やだぞ~!!」
アテナはジャンプして、空中でロボットの拳を受けた。
アテナ「・・・くっ」
かろうじて攻撃を食い止める。
しかし、ロボットのもう片方の腕がアテナを叩き落とす。
アテナ「っ!?」
アテナの体は、パーツがバラバラになって崩れ落ちた。
高原みこ「アテナ、大丈夫!?」
アテナ「・・・任務失敗、申し訳ありません」
高原みこ「え・・・」
アテナ「・・・早く・・・逃・・・げて」
高原みこ「アテナ、寝ちゃダメ! 起きてよ!」
盆場スグル「んぎゃ~!!!!! またパンチだ! グーだぞ、グーが来る!」
ロボットのパンチが、みこに振り下ろされる。
高原みこ「!」
???「っざけんなよ! クソロボット!」
〇空
上空から現われたカオスが、ロボットを真っ二つにした。
〇学園内のベンチ
「!!??」
カオス「Dr. BAD・・・チッ、アイツか」
盆場スグル「おお~~!? 一発で! すごいな~!」
カオス「よう、みこ! オレ様が来たからには、もう大丈夫だぜ!」
高原みこ「えっ、誰?」
カオス「これからは誰よりも強いカオス様が、オマエを守ってやる!」
〇古いアパート
〇雑多な部屋
バキッ
みこはバラバラになったアテナのパーツをはめ込んだ。
高原みこ「んん~~、よし、ハマった!」
嘉成光「はあ~、直ってよかった・・・一時はどうなることかと」
カオス「みこは相変わらず雑だな~、全っ然変わらねえ」
嘉成光「・・・こいつ、なんでこんなに馴れ馴れしいんだ?」
高原みこ「アテナ、起きて!」
アテナ「・・・・・・」
高原みこ「あれ? 聞こえなかったのかな。 ア、テ、ナ! 起、き、て!」
カオス「壊れちまったんだって」
嘉成光「なっ、適当なこと言うなよ!」
カオス「だって、コイツ動かねーじゃん」
高原みこ「もー、いいから、カオスもアテナを直すの手伝って!」
カオス「はあ? なんでオレ様が」
高原みこ「私を守りに来てくれたんでしょ?」
カオス「ああ、そうだけど?」
高原みこ「アテナは私が困ってたら助けてくれるのに」
カオス「ハッ、命令されたことだけをする旧式と一緒にすんなよな」
高原みこ「きゅう・・・?」
カオス「そいつと違って、オレ様はやりたいことしかしねーの」
高原みこ「えー! カオスってわがまま!」
カオス「ハハッ、みこには言われたくねーなぁ」
〇古いアパート
高原みこ「これからバイト行くけど、ついて来ないの?」
カオス「だから、旧式と一緒にすんなって」
カオス「一緒にいなくても、オマエのこと守ってやっからさ」
嘉成光「え? どうやって・・・」
高原みこ「もし私がいない間に充電が終わって、アテナが起きたら──」
カオス「はいはい、オマエは弁当屋にいるって伝えとくよ。起きたら、な」
嘉成光「・・・・・・」
みこと光はカオスを残して部屋を出た。
カオス「起きるわけねーじゃん。 もう完全に壊れてるぜ」
〇通学路
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