俺の青春が今始まる

名乗る程の者でもない

第2章 第2巻(脚本)

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〇女の子の一人部屋
  あの出来事から2ヶ月が経ち、仕事にも慣れてきた。
  最低限だが家具を買い、テレビも置いてある。
影野 華「人の声って、やっぱり落ち着くなぁ」
  ほとんど見ていないテレビをつけながら、簡単な夕御飯を食べる。
影野 華「お風呂に入って、寝よう・・・」
  この繰り返しの毎日に少し嫌気が差していたが、お金もないし遊ぶ友達もいないので仕方がない。
影野 華(なんでだろう、時間があるとあの人のこと考えちゃうんだよなぁ・・・)
影野 華「さてと、お風呂入ろっと」
  私は叶わない希望を捨てるために、頭の中から消して湯船に浸かった。
  お風呂から上がると、知らないアドレスからメールがきていた。
影野 華「ん・・・?なんだろう・・・」
  『登録者数50万人突破!独身男性があなたを待っています』
  『マッチングアプリ フレンズ』
影野 華「マッチングアプリってなんだろう? 友達とかできるかな・・・」
  自分では無自覚だったが、臆病で慎重な私が、あまりの寂しさに積極的になっていた。
影野 華「とりあえず登録だけしてみようかなぁ」
影野 華「顔写真なんて恥ずかしくて載せれないよ・・・。 とりあえず登録したし、今日はもう寝よう」
  その後、大量のメッセージがくることになるとは夢にも思わず、眠りについた。

〇路面電車の車内
影野 華「な、な、なにこれ・・・」
  電車内にも関わらず、驚いて思わず声が出てしまった。
影野 華(メッセージが80通もきてる・・・。 どんな人からきてるんだろう)
男性「はじめまして!よかったら今日夕御飯食べに行きませんか?」
男性2「小さな会社の経営者です。よかったら明日映画でも観に行きませんか?」
影野 華(色んな人がいるなぁ。 食事くらいならいってみようかな?)
  退屈な毎日と、寂しさから今まで持ち合わせていなかった好奇心が芽生えてきてしまっていた。
男性3「大人のデートしませんか?可愛ければたくさんお金だしますよ」
影野 華(なんか嫌な予感がする・・・ そもそも大人のデートってなんだろう? 可愛かったらお金出すって、絶対変なことされるよね・・・)
  メッセージを見ていたら、会社の最寄駅に着いたのでそのまま画面を閉じた。
影野 華「とりあえず会社にいけば話す人もいるし、仕事頑張ろうっと」
  頭を仕事モードに切り替え、職場へ向かった。

〇駅のホーム
影野 華「ふぅ、今日もお仕事終わったぁ」
  事務なので残業もほとんどなく、
  定時に帰ることができる。
  社員の大半が男性であることと、一日中パソコンと向き合っているので他人とコミュニケーションを取ることがほとんどない。
影野 華「でも私みたいな島育ちの田舎娘を採用してくれたし、良い会社だよね」
  帰路に着くにつれ、仕事モードはプライベートモードに変わろうとしていた。

〇路面電車の車内
影野 華(そう言えば、マッチングアプリどうなっているんだろう)
影野 華「ええーっ!」
  また電車内で声が出てしまった。
  とても恥ずかしかったが、誰一人として気にはしていなかった。
影野 華(更に50通くらい新しいメッセージがきてる・・・。 こんなたくさんある中から、 どうやって選べばいいんだろう?)
  私は出来るだけメッセージを閲覧し、その中から数名の優しそうな人に返事をした。
影野 華(わっ!もう返事がきてる)
影野 華(まずは自己紹介をしておこう。 なんかこの人とかすごく気が合いそうだなぁ)
男性「返事もらえてすごく嬉しいよ!よかったら今度食事でも行きませんか?」
  大半の人が優しいお誘いをくれたあと、こう言ってくる。
男性「よかったら顔写真見せてよ、会うのにお互いの顔知らないと待ち合わせとかできないじゃん?」
  それもそうだよね──妙に納得してしまった私はメッセージをやり取りしてる人たちに自分の顔写真を送った。
  何故か写真を送ると、更に返事が早くなり、全員が会うことを急かしてくる。
  私は流されるように、何人かと食事をする約束をしてしまった。
影野 華(いい人がいるといいなぁ。 食事だけだし怖いこともないと思うけど、一応気を付けなきゃ)
影野 華「あ、もう次で降りなきゃ」
  帰り道にスーパーでお惣菜を買い、自宅に向かった。

次のエピソード:第2章 第3巻

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