エピソード5 面(脚本)
〇畳敷きの大広間
ロクシャウ「えぇ、改めて自己紹介を」
ロクシャウ「私はイザナリの国を統べる者────無道の女神、ロクシャウよ」
クロノア「内政担ってるクロノアで~す(✌️)」
アージュ「アージュだ・・・・・・先程の失態の見苦しさを許してほしい」
影士「・・・・・・・・・・・・」
影士「・・・・・・あっ、こっちの番か」
影士「えぇ、影士・・・・・・これでいい?」
クロノア「そんなんでいいよ。自己紹介すんの初めてなんでしょ?ゆっくりでいいから、自分なりの身に付けてこ?」
アージュ「そうだ・・・・・・しかし、お前は本当にあの影士か?耳に入る情報や童話、逸話にはこう、獣か魔人という先入観があるが────」
クロノア「あーそれ俺もだ。パラノイア疑惑はまぁ」
クロノア「・・・・・・」
アージュ「さっきの異様な妖力、いやあれを妖力と呼べばいいのか。まるで────」
影士「?」
ロクシャウ「あー、言いたい事はわかるけど」
ロクシャウ「ねぇ、影士」
ロクシャウ「貴方、自分の記憶についてどう思う?」
影士「・・・・・・あまり、思い出せない」
影士「なんだか、からっからにも思える」
ロクシャウ「うーん、空っぽね」
ロクシャウ「このまま居候という形に────なるわね」
(あれ、何だか振られたり────)
ロクシャウ「二人とも、後の事をよろしく~」
「おーーいっ!?待てぇぇっ!!」
ロクシャウ「それじゃ──」
「・・・・・・・・・・・・」
影士「zzzzzzz」
■■■■「・・・・・・」
■■■■「・・・何?」
ロクシャウ「は~い、私よ~」
■■■■「・・・・・・」
■■■■「帰って・・・・・・」
ロクシャウ「もぉ、ちょっと様子を伺って来たのよ?冷たいわね」
■■■■「帰って・・・て」
ロクシャウ「・・・・・・」
ロクシャウ「貴女、あの魔物をどうやって従えさせたのか足を運んだ────」
ロクシャウ「・・・・・・」
ロクシャウの左頬から血が垂れる。
■■■■「帰ってって・・・・・・」
右手をロクシャウに向ける。その掌にはぐるぐると緑色の球体が渦巻き、円を描く。
ロクシャウ「はー・・・・・・貴女は何に怒っているの?影士の事・・・・・・?私が気にくわない・・・・・・?」
■■■■「両方・・・・・・だから消えて。目の前から」
ロクシャウ「ハイハイ」
ロクシャウ「・・・・・・あの子は、いつか最悪な事態を引き起こす引き金(トリガー)になるわね。秘密裏に────」
■■■■「消えてっ!!」
■■■■「・・・・・・」
■■■■「・・・・・・分かってる」
■■■■「・・・・・・分かってる、けど」
〇畳敷きの大広間
クロノア「えぇ、おっほん」
クロノア「んで、影士」
影士「ん・・・・・・」
クロノア「まずお前さんはここが何処か、わからんよな?」
影士「・・・・・・わからん」
クロノア「そうだよな、ここはな『イザナリの国』というんだよ」
クロノア「山々の間に挟まった地形でな、だだっ広い畑を作ったり林業とかして生計してんだよ」
影士「うん・・・うん・・・」
クロノア「付け足すが山はそんなに高くねぇし低くもねぇから、ただ凹んだ所に住んでるって思っとけよ」
クロノア「まず農業はライ麦と小麦を作って他所さん所に売ったりしてるんだよ。ライ麦は酒に必要だったりするから需要がある」
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