俺の青春が今始まる

名乗る程の者でもない

第1章 第4巻(脚本)

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〇明るいリビング
  『実は私、AIなんです──』
山田 総一朗「なんだ、こいつは・・・」
山田 総一朗「自分は『人間ですか?』って聞いておいて・・・ そっちは機械なのか?!」
山田 園花「日に日に壊れていく兄をみていて、 妹は辛いのです」
山田 園花「最近様子がおかしいけど、大丈夫? 何かあったの?」
山田 総一朗「いや、それがさ・・・」
  マッチングアプリを始めたこと、そして謎の女性(?)から変なメッセージがきていることを妹に打ち明けた。
山田 園花「えっ、、お兄ちゃんがマッチングアプリってマジィ?!」
山田 園花「もう結構会ったりしてるの? 実はもう彼女がいたりとか・・・」
山田 総一朗「そんなことあるわけないだろ。 見ろ、この立派なお腹を!!」
  俺のお腹を見て黙り込む妹。
  せめて笑ってほしかったところだ。
山田 園花「と、とりあえずいい人は見つかりそうなの? 気になる人とか──」
  『気になる人』と言われて、一番最初に浮かんだのは謎のAIちゃんだった。
山田 総一朗「みんな同じようなメッセージしてきたりするんだけど、一人だけ変わってるからなんか気になっちゃうんだよね・・・」
山田 園花「ママに『AIのことが好き』なんて、言える?」
山田 園花「そもそもママはAIって言ってもわからないだろうし、AIちゃんってことにすれば?」
山田 総一朗「バカにしてるだろ。 しかしこのお腹なんとかしないとな」
山田 園花「ダイエット頑張ってね。 じゃあ、おやすみなさーい」
山田 総一朗「俺もそろそろ寝よう」
  ダイエット・・・か。
  頑張ってみよう
  さて、寝るとするか。

〇異世界のオフィスフロア
今川 隆太「AIちゃん? ちょっとヤバイんじゃない、その子」
今川 隆太「山ちんがダイエット?」
今川 隆太「ここのところ、朝から1日分の笑いを使っちゃってる気がするよ。ひぃ──」
山田 総一朗(俺は真剣なんだが、いつも大笑いされる。相談相手間違えてるのかな)
  今川っ──!何度言わせる気だ!
  そんなに面白い話なら俺が面談で聞いてやる。こっちこい!
今川 隆太「ほら、また怒られちゃった。 査定下がったら恨むよ、山ちん」
山田 総一朗「人の悩みを笑うからバチが当たったんだよ」
今川 隆太「そうだね。じゃあちゃんとしたアドバイスするけど、気になってるならマメに連絡はした方がいいよ」
今川 隆太「山ちんが気にしてるように、相手も気になってるんだとしたら、連絡なきゃ寂しいでしょ」
  ほら、今川っー!早くしろ!
  体力が有り余ってるなら、たくさん仕事させてやるからな!
今川 隆太「や、やべ。じゃあ俺行くね」
山田 総一朗「相手も俺のこと気にしてくれてる・・・のか? とりあえずあとで返事してみよう」
  気持ちを仕事モードに切り替え、パソコンを立ち上げた。

〇電車の座席
山田 総一朗「あの子に返事をしてみたけど、すごく好みの人がいるんだよなぁ」
山田 総一朗「とりあえずメッセージしてみるか。 『はじめまして。私は──』」
  メッセージを送ってから10分くらいだろうか。すぐに返事がきた。
菜花 京子「はじめまして。京子って言います。 私も独身でいい人を探しているので、今度よかったらお会いしませんか?」
山田 総一朗「返信ありがとうございます。 住んでいる場所が近いので、お昼ごはんでも食べに行きましょう!」
  その後も何通かメッセージを交わし、後日ランチに行くことになった。
山田 総一朗「前回のことは忘れて、チャレンジチャレンジ、っと」
  俺の意識は完全に京子さんに向いていた。
  ──そう、AIちゃんのことなど忘れたかのように。

次のエピソード:第1章 第5巻

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