タワマン・オブ・ザ・デッド

のぞみのぞむ(公式)

第2話:カメラを止めろ!(脚本)

タワマン・オブ・ザ・デッド

のぞみのぞむ(公式)

今すぐ読む

タワマン・オブ・ザ・デッド
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇非常階段
黒目ゾンビ「ギギシャァァガアアアッ!」
鐘星愛(人間じゃない・・・これはゾンビだ)
  私は足裏でベンサォン(腹部蹴り)を
  繰り出した
黒目ゾンビ「ィアッ!」
  吹き飛んだゾンビは手すりを乗り越え
  階段にぶつかりながら落下していった
鐘星愛(狙い通り! とはいえ危機一髪ね)
鐘星愛(虎丸さんの裏切り、ぜったい許せない。 あとで捕まえて・・・え?)
  見上げればすぐ近くの踊り場で
  虎丸さんが花村さんに襲われていた
花村ゾンビ「ァァアアァァアアァァッ!」
虎丸「クソがっ・・・こんなところで・・・!」
鐘星愛(花村さんがゾンビに・・・! もしかして 噛まれた人間もゾンビになるの?)
  55階のドアが開いた
ミスター銭田「ホワッツジス?」
マサP「やっと電気のある場所に出たと 思えば・・・何かの撮影か?」
鐘星愛(人気コーチューバーのマサPに 有名投資家のミスター錢田だ!)
鐘星愛「ここは危険です! 逃げてください!」
花村ゾンビ「シァアアァァアアァァッ!」
ミスター銭田「ワオッ!」
鐘星愛「はっ!」
花村ゾンビ「ァアッ!」
  私はマルテーロ(上段蹴り)を顔面に放ち
  階下に花村さんを蹴り落とした
マサP「おお! 白のレース!」
鐘星愛「・・・その動画、絶対消してください」
マサP「お願い! ギャラ払うから!」
鐘星愛「お断りします」
ミスター銭田「それよりホワッツジス? ドッキリ?」
鐘星愛「ええと、わかりやすく言うと──」
マサP「もしかしなくてもゾンビじゃね?」
鐘星愛「はい。信じられないかもしれませんが」
ミスター銭田「ミセスの発言はにわかに信じられませんが 階下から来るピープルを見ると・・・ 人間には見えまセン」
鐘星愛「噛まれた人もゾンビになり、どんどん 増えているようです。早く逃げ──」
マサP「うひゃー! すげえ数!」

〇非常階段
マサP「こりゃ1億、いや10億再生は固いぞ!」
ミスター銭田「グッド! 投資を決めマス!」
マサP「ひゃっほーい! ゾンビ最高!」

〇非常階段
虎丸ゾンビ「・・・ァッ・・・」
鐘星愛(まずい・・・虎丸さんがゾンビに・・・!)
鐘星愛「危ないから逃げてください!」
  私は階段を駆けあがって声をかけたが、
  二人は撮影に夢中になっている
マサP「みなさん、ゾンビに喰われた死体です」
マサP「ゾンビって内臓食べるんですね。 好物は脳味噌なんだと思ってました」
ミスター銭田「ウープス・・・こんな動画売れマス?」
マサP「売れる売れる! 人の不幸は練乳より 甘いのさ! 内臓ぺろんぱで金になるよ~!」
鐘星愛「撮影は止めて早く逃げて!」
鐘星愛「お金より大事なものがあるでしょう!」
鐘星愛(・・・「お金より大事なものがある」?)
鐘星愛(前にもこのフレーズを耳にしたことが ある。いったいどこで――?)

〇和室
愛の母親「お願い、やめてっ!」
愛の義父「ちゃんと稼いでんだから、 飯くらいまともなの出せよ!」
鐘星愛「やめて!」
愛の義父「ぐっ! け・・・蹴りやがったな!」
  足技中心の格闘技、カポエイラを学んだ
  理由は、義父に一切手を触れず倒すためだ
鐘星愛「もう二度と、お母さんに手を出さないで」
愛の義父「この野郎! これでも喰ら――ぐっ!」
鐘星愛「もう好き勝手させない」
愛の母親「お願い! 愛、止めて!」
鐘星愛「どうしてこんな男をかばうの?」
愛の母親「生活できてるのはこの人のおかげ! 私が我慢すればいいんだから」
鐘星愛「我慢する必要なんてない。出ていこう」
愛の義父「ふざけんな! ぶっ殺してやる!」
愛の母親「愛! 危ない!」
鐘星愛「お母さん! ・・・大変、血が!」
愛の義父「お、俺は知らねえぞ! 俺は知らねえからな!」

〇病室
  何とか一命は取りとめたものの
  打ちどころが悪く、母は植物状態となった
  「意識が戻る可能性はほとんどない」
  医師は私をさとすように言った
医師「この状況での生命維持は、保険の効かない高額医療ですが大丈夫ですか?」
鐘星愛「・・・お金なら何とかします」
  ――違う。この言葉じゃない
  「お金より大事なものがある」
  そう言ったのはたしか──

〇生徒会室
  ユウキ先輩とは大学の
  起業サークルで知りあった
鐘星愛「この事業計画書はどうですか?」
ユウキ「うーん、悪くないと思うけど・・・ 俺は前の介護ビジネスのが好きかな」
鐘星愛「あれはコンペのテーマに合わせただけで 綺麗ごとより収益を重視したいんです」
ユウキ「君がお金に苦労しているのは知ってるけど なんか違う気がするんだよ」
鐘星愛「違うって何がですか?」
ユウキ「お金を追求するタイプに見えない」
ユウキ「君にはこっちの方がいいと思うんだ」
鐘星愛「NPO法人を設立したんですか?」
ユウキ「アフリカに水道を通すんだ」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:第3話:シン・感染 ファイナル・フロア

コメント

  • 2話もとっても面白いですー!!!!!!✨😍

    どうなっていくのか・・・更に気になる展開です・・・

    俺を信じて!ってだけの言葉だけでは信じられないですよね・・・果たしてユウキ先輩の本当の姿も真摯なのか、それとも違うのかも気になるところです・・・

    次回も楽しみにしています!!✨

成分キーワード

ページTOPへ