青春盗聴譚

穂橋吾郎

エピソード26(脚本)

青春盗聴譚

穂橋吾郎

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〇家の階段
戸村龍也「光、大丈夫かっ」
久保田光「煙玉、もっと出して!」
戸村龍也「え」
  パァンッ!
  三人のすぐ横を銃の弾がかすめる。
戸村龍也「なっ」
久保田光「早く!」

〇部屋の前
赤地正男「くそ、煙が・・・」
赤地正男「どこだ、久保田光!」

〇綺麗なリビング
戸村龍也「煙玉、これでラストだ」
戸村龍也「光、お前足・・・」
久保田光「大丈夫、大丈夫だから」
戸村龍也「煙が消えないうちに外へ──」
久保田光「無理だよ、逃げられない」
戸村龍也「・・・・・・」
灰島櫻「・・・・・・」
  光の腕につかまっている櫻は、体が震えている。
久保田光「龍也、櫻さんだけでも」
戸村龍也「しっ!」
  煙の中を歩く足音が聞こえてくる。
久保田光「くそ」

〇綺麗なリビング
赤地正男「はぁ、はぁ・・・」
赤地正男「・・・・・・」
  煙に包まれている中で、赤地は耳を澄ませると、足音のする方へと発砲する。
  パァン!
久保田光「くっ」
  光はとっさにオーディオコンポのスイッチを入れて音量を上げる。
  すると、大音量でベートーヴェンの第九が流れ始める。
赤地正男「ちっ、うるせえ、ああ!」

〇一階の廊下
久保田光「龍也、櫻さんを連れて逃げて」
戸村龍也「絶対やだ」
久保田光「龍也」
戸村龍也「俺は光の面白事件に関わるって決めたんだよ、だから!」
久保田光「当たり前だよ、助けてくれ!」
戸村龍也「やだ、絶対助け・・・え?」
久保田光「助けてもらうに決まってる。 一緒に、倒す、あいつを」
戸村龍也「は、はは、おう!」

〇一階の廊下
戸村龍也「・・・、・・・、・・・・」
久保田光「・・・、・・・、・・・・」
戸村龍也「・・・、・・・、・・・・」
  不安げな表情を見せる龍也。
  光は櫻をちらりと見てニヤリと笑った。
久保田光「・・・、・・・、・・・」
戸村龍也「!」
  光と龍也は二人で握手を交わしたのち、光は煙の中へと姿を消す。
  櫻は光の方へと手を伸ばすが、龍也が櫻をお姫様抱っこして玄関の方へ駆け出した。

〇綺麗なリビング

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