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MKz square

エピソード2(脚本)

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〇荒廃した街
シュウ「ちょっと!早く! こっち!これ!!」
ジン「なんだよ、引っ張るなよ!!?」
シュウ「いいから!」
シュウ「これ!見てくださいよ!」
ラン「ZZZ」
カレン「女の子に”コレ”とは失礼な奴め!」
カレン「だからモテないんだよ!」
シュウ「そう!女の子ですよ!?」
シュウ「こんな誰も居なくなった汚染地区に!!」
シュウ「しかもこの子の周りだけ 緑でいっぱいなんです!」
シュウ「ありえなくないですか?!」
シュウ「・・・ってカレンちゃん、 今サラっと酷いこと言ったよね」
ジン「ほんとだ・・・」
ジン「何だこりゃ、 どうなってやがる・・・」
ラン「・・・」
カレン「寝てるの?」
シュウ「ちょーっと!」
シュウ「無闇やたらと触るもんじゃないよ!」
ジン「そうだぞ!」
ジン「そんな得体の知れないもの!」
カレン「お前もか!」
カレン「女の子をモノ扱いするとは ほんと、 クソみてぇな男どもだな!」
カレン「男の風上にも置けねえや!」
ジン「そうじゃなくて!」
ジン「この汚染地域で! いや、 もう地球上で見なくなった自然の緑の、」
ジン「植物の上に! 女の子が寝てるって 普通じゃねえだろって!」
シュウ「そうだよ!」
シュウ「何かの罠かも!」
カレン「アタシらみたいなコソ泥に 罠なんかしかけても得るものなんて 無いでしょ!」
シュウ「そういうことじゃなくて!」
ジン「俺らに対してじゃねーかもしれねーだろ!」
ジン「いいから! 危ねえからこっち来い! ほら!」
カレン「なーにビビってんだよ!」
カレン「ホント情けねえな!」
カレン「日本男児たるもの、 見知らぬ少女が行き倒れていたら 放ってはおけないのがサガってもんよ!」
シュウ「カレンちゃん男の子じゃないでしょ!」
ジン「いいから!」
ジン「危ねえから、 お前本当にやめとけ・・・!」
カレン「ねぇねぇ、大丈夫?」
カレン「こんなところに寝てたら、 悪い人に連れて行かれちゃうよ?」
ラン「んっ・・・、 私、こんなところで・・・」
ラン「っ! だれ!?」
ジン「大丈夫か?!」
ラン「いやっ・・・!」
カレン「危ない!」
カレン「転んじゃうよ!」
ラン「私、逃げなきゃ・・・!」
カレン「なんで? どこに?」
カレン「起きたばっかりでフラついてるから、 ちょっと座ってた方がいいよ!」
ラン「え、あ・・・」
カレン「ほらほら! ここ!座って!」
ラン「あ、うん・・・」
カレン「ごめんね! この人たち!」
カレン「男の風上にも置けないような どーしようもない腑抜けだけど、」
「・・・・・・」
カレン「根は悪い人たちじゃないから!」
ラン「えっと・・・」
カレン「あの、誰かから追われてるの?」
カレン「大丈夫?」
カレン「何でこんなところに・・・」
シュウ「こらこらこら!」
シュウ「質問責めしたら困っちゃうでしょ! すみません」
ジン「女の子が倒れてる! と思って焦って声掛けちまったけど、 大丈夫そうで安心したわ!」
ジン「それじゃ! 気ぃつけろよ!!!」
カレン「ちょっと!」
カレン「あの子 誰かに追われてるかもしれないんだよ?!」
ジン「あれだろ? 多分友達と 鬼ごっこでもしてんだよ!」
ジン「いいから行くぞ!」
カレン「本当に危ない人たちに追われてたら どうすんの!!」
ジン「それなら尚更 関わっちゃいけねーやつだろうが!」
カレン「このクズ!」
カレン「人でなし!」
カレン「見損なったぞ、ボケナス!」
ジン「うるせぇ!」
シュウ「でも、大丈夫ですかね。 女の子1人で・・・」
ジン「人には人の事情があんだよ」
ジン「それに、 見ず知らずの可愛い女の子より」
ジン「いつも一緒に居る、 うるせえクソガキ共のほうが 俺にとっちゃ何倍も大事だ」
「・・・」
ジン「行くぞ」
隊員1「おい!お前たち! ここで何してる!」
カレン「隠れて!!」
ラン「う、うん!」
隊員4「ここは立ち入り禁止の汚染区域だぞ!」
ジン「おーおー、 これはこれは 政府の方々じゃないですか!」
ジン「お疲れ様です!」
ジン「どうしたんですか? そんな物騒なもの持って」
隊員1「こんなところで 何をしていると聞いているんだ!!」
ジン「そんな怖い顔しないでくださいよ」
ジン「我々は国から依頼を受けて、 地質や大気の調査、廃屋の清掃などを やらせていただいてるものですよ〜」
カレン「我ら大気汚染調査団!」
隊員4「なんだ下請けの奴らか」
隊員4「それならきちんと腕章をつけて行動しろ!」
ジン「すみません!」
隊員1「まぁ、いい・・・」
隊員1「それよりこの辺りで 怪しいところは無かったか?」
ジン「いや、特には問題無かったよな?」
シュウ「は、はい!」
隊員4「1人で彷徨ってる 少女などは見なかったか?」
ジン「ああ、それなら...」
カレン「ジンくん!」
ジン「あっちに女の子が走って行ったけど あの子かな?」
シュウ「そ、そうかもしれませんね!」
隊員1「くそ!入れ違いになったか!」
隊員4「情報ありがとう。 ちょっと迷子を保護しないといけなくてな」
隊員4「またもしその子に会ったら保護して 地質の調査報告を提出する時に 一緒に連れてきてくれ」
隊員4「追加で報酬も出るだろう」
隊員4「じゃあな」
ジン「お勤めご苦労様です〜!」
ジン「っは〜〜〜〜」
ジン「ほら、 あいつらが戻ってくる前にずらかるぞ!」
カレン「ジンくん見直した!」
シュウ「なんで政府の人間は、 どいつもこいつもああやって 偉そうで嫌な奴らばかりなんですかね!」
ジン「とりあえずあいつらに 俺らのこと詮索されても面倒だから つい嘘ついちまったが....」
シュウ「どうしますかね・・・」
ラン「・・・」
ジン「どうするもこうするも・・・」
ジン「早くここからいなくならねえと、 俺らが誘拐犯ってことに されちまうだろうが!」
シュウ「終わりだ・・・」
カレン「ねえねえ、 あいつらに追われてたの?」
ジン「おい、カレン!」
ラン「うん・・・」
カレン「なんで?」
ラン「わからない・・・」
ラン「あなたたちは あの人たちの仲間じゃないの?」
カレン「まさか! むしろ逆!」
ジン「いや、まあ、敵、ではないけどなあ」
シュウ「色々バレたら捕まっちゃうかもしれない・・・ 関係?」
ラン「あなた達は悪い人達なの・・・?」
ジン「まあ、あいつらから言わせたらそうかもな」
カレン「でも本当は違うよ!」
カレン「みんながいらなくなった物を拾って、 お金替えてるだけ!」
シュウ「リサイクル業者! みたいな・・・!」
シュウ「良く言えば・・・」
ラン「そうなんだ」
ジン「そういうことだ」
ジン「で? お前は何したんだよ?」
ジン「迷子ってどっからどうして こんなとこに迷い込むんだ」
ラン「覚えてないの」
ラン「気づいたら知らないところに居て・・・」
ラン「ずっと隠れてたの そしたらあの人たちが来て・・・ 怖くて・・・」
ジン「何も分からないまま ここまで逃げてきた・・・と」
ラン「うん」
シュウ「ジンさん、カレンちゃん・・・!」
ジン「ちょっと失礼」
ラン「うん・・・」
シュウ「記憶喪失、ですか」
ジン「まじか、どーすんだよ!」
ジン「政府から追われてるってことは、 あいつが何かしたんじゃねぇのか?!」
カレン「あんな女の子が?!」
カレン「何を!?」
ジン「いや、 人は見かけによらない って言うじゃねえかよ」
シュウ「でもあの人たち、 迷子の女の子を保護する って言ってましたよね・・・」
ジン「じゃあやっぱり、 引き渡した方が安全なんじゃ!」
カレン「迷子を保護する人たちが、 あんな武器持って、 あんなこわい顔する!?」
「・・・」
ジン「あー・・・、あれだ!」
ジン「あの子はどっかのお嬢様で、 家を脱走して、いつのまにかここまで・・・」
カレン「脱走したいくらい酷い家ってことじゃん!」
ジン「ちょっとお転婆が過ぎて、 外の景色が見てみたい〜 みたいな感じなんだよ、きっと!」
カレン「意味わかんない! そんな子には見えないし!」
ジン「いや、だから 人は見かけによらないと 常日頃から・・・」
シュウ「でも・・・」
シュウ「じゃあなんで記憶喪失なんですか!?」
ジン「そりゃ、道中色々あるだろ!」
ジン「野を超え、山を越え、海を渡り そうこうしている間に・・・」
カレン「よしよし、大変だったね」
カレン「これからは私達が居るからね!」
シュウ「カレンちゃんいつの間に!」
ジン「おいおい、 無責任なこと言ってんじゃねーぞ!」
隊員1「おい!どこ行った!」
隊員4「やっぱりこっちか!!」
ジン「やべえ! 戻ってきちまう!」
カレン「どうするの!?」
シュウ「どうします?!」
ジン「くっそ、 とりあえず捕まったら面倒だ!」
ジン「逃げるぞ!」
シュウ「はい!」
ジン「お前はどうする!」
ジン「着いてくるか?」
ラン「うん!」
ジン「よし、じゃあ来い!」
カレン「あ!」
ジン「おい、何やってんだ!」
ジン「急げ!」
カレン「待って!」
カレン「これだけ!」
隊員4「おい、これを見ろ!」
隊員1「これは・・・!」
隊員1「あいつら・・・! 騙したな!」
隊員4「ご報告します!」
隊員4「例の汚染区域に植物が・・・!」
隊員4「・・・はっ! 検体を採取します!」
隊員1「まだ遠くには行っていないはずだ!」
隊員1「探すぞ!」

次のエピソード:エピソード3

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