メタリアルストーリー

相賀マコト

エピソード60(脚本)

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〇闘技場
アイリ「はぁあああああ!」
ゼノン「ふん!」
  ゼノンはブレード状に変形させた左腕でアイリの攻撃を受けるとそのまま吹き飛ばした。
  続けてニルが突っ込んでいく。
  ニルはゼノンが打ち出した光の弾を変形させた右腕で受け流し、勢いそのままにヴェラグニルで斬りかかった。
  ゼノンが飛びあがって避けるのを見たニルはすかさずヴェラグニルで炎の斬撃を飛ばした。
  炎の斬撃は地面を焼きながら一直線にゼノンへと飛んでいく。
  しかしゼノンはその斬撃をばっさりと切り払った。
  ゼノンが着地するのと同時に背後からアイリが鋭く斬りかかるが、ゼノンはまるで見えていたるかのように鋭い蹴りを放つ。
  思わぬ反撃にアイリはまともに蹴りを受けてしまった。
アイリ「うぐっ!!」
ニル「アイリ!」
ゼノン「はぁ・・・、そんな弱いのになんで僕に挑んでくるのかな」
  そう言うとゼノンは地面に倒れたアイリへとつかつかと歩み寄る。
アイリ「うぅ・・・」
  アイリは脂汗を浮かべながらよろよろと立ち上がった。
ニル「ゼノン、お前の相手は俺だろ!」
  再度とびかかってきたニルに対して、ゼノンはひと際大きな光の弾を放った。
ニル「うっ!!」
  ニルは右腕からシールドを出し、なんとか受け止めた。
  その間にゼノンは再度アイリへと向き直り、フラフラとしているアイリに容赦なくブレードを振り下ろした。
アイリ「うっ・・・、がっ・・・」
  アイリはなんとか双剣で受け止めたものの、その足はガクガクと震え、今にも倒れそうだった。
ゼノン「人間って本当にわからない。 かなわない相手はじっと下を向いてやりすごしていればいいのに」
  ゼノンは再度ブレードを振りかぶり、よろめくアイリに振り下ろした。
  アイリは剣を上げるが、ゼノンのブレードを受けた剣は砕けちり、アイリの体は雑巾のように吹き飛んだ。
ニル「アイリ!!」
ゼノン「さ、これで邪魔はいなくなったね」
ゼノン「存分に殺り合おうよ!」
ニル「うぉおおおお!」
  ニルは右腕をブレード状に変化させ、ゼノンへととびかかった。
  互いのブレードがぶつかり合い、青白い閃光が散る。
ゼノン「この間の君はこんなものじゃなかった! もっとだ! もっと力を出せるだろう!?」
ニル「くっ・・・」

〇黒
  アイリは朦朧とする意識の中、ぼうっとする頭で考えていた。
アイリ(結局、私はあいつに手も足も出なかった・・・)
アイリ(父さんと母さんが殺された日から、アイツのこと1日だって忘れず、ただ鍛錬を続けてきた)
アイリ(でも・・・。 それもなんの意味もなかった)
アイリ(ただ、ニルの足手まといになってただけ・・・)
  ぼんやりとした意識に、金属と金属がぶつかり合い、火花が飛ぶ音が聞こえる。
アイリ(ニル・・・。まだ戦ってるのね。 私が到底かなわない相手に、ニルはずっとあきらめずに戦ってる)
アイリ(ニル・・・。 ニル・・・、私も戦いたい)
アイリ(お願い・・・。あなたの横にいたい。 一緒にいたいの)
  アイリは拳をぎゅっと握りしめると目を開いた。

〇闘技場
  ニルは右腕のブレードと左腕のヴェラグニルでゼノンに激しい連撃を加える。
ニル「はぁぁあああ!」
ゼノン「君がまだ全力を出さないというのなら、無理やりにでも出せるようにしてあげるよ!」
  そう言うとゼノンはブレードを力任せにヴェラグニルに叩きつけ、ニルの手から弾き飛ばした。
ゼノン「ははは!」
  体勢が崩れたニルはかわす間も無くゼノンの鋭い一撃を正面から受けてしまった。
  ニルの右腕のブレードは肩から断ち切られ、腕ごと飛んでいく。
ニル「あぁああああ!」
  ゼノンはニルの中で膨大なエネルギーがさらに高まっていくのを感じわくわくとした表情を浮かべた。
ゼノン「そうそう!その調子だ!」
ニル「ふぅ・・・、ふぅ・・・」
  ニルは肩で息をしながらちぎれた右肩を抑える。
ニル「・・・・・・」
ニル「はあああああああ!!」
  突然ゼノンの視界は無数の金属の触手で埋め尽くされた。
  それはニルの右腕から伸びる金属の触手の奔流だった。
ゼノン「はははは!」
  ゼノンは迫りくる触手を切り払ったが川のように押し寄せる無数の触手は次第にゼノンの身体を飲み込でいった。
ニル「はぁ・・・、はぁ・・・」
  ニルは苦しそうな表情を浮かべ、なんとか暴れ回る触手を制御すると
  うねうねと暴れていた触手は統制が取れた群れのようにゼノンの体を拘束した。
  ニルは力尽き膝をつくとそれに呼応ように触手も動きを止めた。
ゼノン「・・・・・・」
  ゼノンは手足に絡みつく触手を見てから、体を動かそうとするがピクリとも動かない。
ゼノン「で、これでどうするんだい」
ゼノン「この程度の圧力じゃ僕は死なない」
ゼノン「はやくとどめを刺しに来ないと」
ニル「はぁ・・・、はぁ・・・」
  ニルは必死に立とうとするが、ピクリとも動かなかった。
ゼノン「惜しかったねぇ。もう少しだったのに。 じゃあすぐにこの触手を焼き切って君を殺してあげるからね」
ニル「まだだ・・・!」
ゼノン「そういうならはやくこっちに来なよ。 じゃないと抜け出しちゃうよ?」
ニル「・・・・・・」
ニル「今だ!」
ゼノン「?」
  ゼノンが首を傾げた。
  と、次の瞬間・・・

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