#4 チンゲンサイで美味しいおひたしを作ろう 以上!(脚本)
〇山の中
萌花(モカ)「パパのバカ!!」
萌花(モカ)「ママはチンゲンサイになっているのよ!」
萌花(モカ)「沈黙する 『チン』 限界まで言わない 『ゲン』」
萌花(モカ)「最後まで何も言わない『サイ』」
萌花(モカ)「しっかりママという人間と向きあって、美味しい『おひたし』にするべきよ!!」
太郎(タロウ)「チンゲンサイをおひたしに!?」
太郎(タロウ)「それは・・・どういう意味なんだ!?」
萌花(モカ)「お『オジギソウのように』」
萌花(モカ)「ひた『ひたすら』」
萌花(モカ)「し『謝罪して』!!」
萌花(モカ)「突付かれたオジギソウのように、謝罪が受け入れられるまで謝り続けるのよ!!」
突然ですが、オジギソウ栽培歴7年の作者・ゆきんこが説明しよう!
オジギソウとは、突付くと葉が頭を垂れるカワイイ植物だ!!
その仕組みは、葉に触れられたと認識した細胞の中の水分が、片方だけ抜けて縮む。
すると縮んだ方を内側、縮まない方を外側にして曲がるので、
まるでお辞儀をしているかのように見えるというワケ!
良い子の諸君、分かったかな?
では、どこかでまた会おうネ☆
萌花(モカ)「ワザワザ作者がシャシャリ出て、 オジギソウの説明をする必要あった?」
太郎(タロウ)「ひたすら謝る・・・か」
萌花(モカ)「そして、ペットボトルのフィルムとフタを分別すると誓うのよ!」
萌花(モカ)「私もやるから一緒にやろう!」
萌花(モカ)「美味しいおひたしを作ろう!!」
太郎(タロウ)「チンゲンサイのおひたしを作るには、オジギソウのように謝り続ける・・・」
太郎(タロウ)「・・・」
太郎(タロウ)「乾いて干乾びた乾燥ヒジキのような 私のココロに」
太郎(タロウ)「戻し水が湧いてきたかのようだ」
太郎(タロウ)「なるほど了解!」
太郎(タロウ)「文明を捨てたように無駄なプライドも捨てなくては」
太郎(タロウ)「家族の再生はあり得ないな!」
太郎(タロウ)「今一度言おう」
太郎(タロウ)「一家で文明とプライドを、捨てよう!!」
太郎(タロウ)「以上!」
萌花(モカ)(ん? 文明はともかくプライドって??)
〇山中の坂道
花子(殻付き)「・・・」
萌花(モカ)「ママ!! こんな所に居たんだ。迎えに来たよ!」
花子(殻付き)「ブツブツブツブツブツブツ・・・」
萌花(モカ)「ママまで、クルミ人間になってる!」
太郎(タロウ)「なんと・・・」
太郎(タロウ)「君を美味しいおひたしにしようと来てみたが」
太郎(タロウ)「チンゲンサイを通り越して、クルミ人間になってしまったのだね・・・」
太郎(タロウ)「だが、私は諦めないぞ!」
太郎(タロウ)「君がクルミならば」
太郎(タロウ)「私はオジギソウになる!」
太郎(タロウ)「さあ、聞いてくれ!」
萌花(モカ)(クルミVSオジギソウ! 勝つのはどっち!?)
太郎(タロウ)「拝啓!」
太郎(タロウ)「平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます」
太郎(タロウ)「この度は花子クンに対し、私と萌花の対応においてご無礼のありましたことを」
太郎(タロウ)「謹んでお詫び申し上げます!!」
萌花(モカ)(堅苦しいにもホドがあるッ!!)
太郎(タロウ)「花子クンに長年、不快な思いをさせただけでなく」
太郎(タロウ)「貴重なお時間やお気持ちまで使っていただくことになり、重ねて陳謝いたします!!」
萌花(モカ)「パパァー!? もっとラフに出来ないのかなあッ!?」
太郎(タロウ)「私たちは互いに厳しく注意・改善を指導致しました」
太郎(タロウ)「至らぬ点が多々あるかと存じますが、何かお気づきのことがございましたら」
太郎(タロウ)「是非ご指摘・ご指導の程、これからも宜しくお願い致します!!」
太郎(タロウ)「以上!」
萌花(モカ)「違う違う!そうじゃナイ!!」
萌花(モカ)「謝罪はしているけど、業務文章すぎ!」
萌花(モカ)「これじゃあ、ママも納得しないよ!!」
花子(殻付き)「・・・」
〇黒
〇山中の坂道
花子(ハナコ)「相変わらず、真面目で不器用・・・」
花子(ハナコ)「でも、そんなアナタだから」
花子(ハナコ)「愛してる・・・!!」
萌花(モカ)「何故か伝わったわ!」
萌花(モカ)「調理の工程はハチャメチャだったけど、」
萌花(モカ)「美味しいおひたしが出来たぁ!!」
萌花(モカ)「ママ、今までゴメンね!」
萌花(モカ)「これからは必ず分別して捨てるからね!」
太郎(タロウ)「いや、」
太郎(タロウ)「まだまだダ──ッ!!」
太郎(タロウ)「私は文明とともにプライドも捨てる!」
太郎(タロウ)「漢の生き様」
太郎(タロウ)「見届けてくれ──ッ!!」
〇白
「パパが、スーツを脱いだ!!!!」
太郎(タロウ)「コレが花子クンに捧ぐ、 渾身の『謝罪』だアアッ!!!!」
〇山中の坂道
花子(ハナコ)「なんというコト・・・」
花子(ハナコ)「太郎クンが私のために、スーツを捨てた!」
萌花(モカ)「プライドを捨てるって、スーツを脱ぐことだったの!?」
萌花(モカ)「簡単じゃね!?」
花子(ハナコ)「その生き様、しかとこの目に焼き付けました!」
萌花(モカ)「何故かママには響いている!」
花子(ハナコ)「萌花、私たちも太郎クンに続きましょう!」
萌花(モカ)「へ?」
花子(ハナコ)「プライドを・・・捨てるのよ!」
〇白
萌花(モカ)「何コレ何コレ!?」
萌花(モカ)「どうなっているの────!?」
〇山中の坂道
花子(ハナコ)「こんなコトもあろうかと、プライドが無い服を白衣の下に仕込んでいたのよ!」
花子(ハナコ)「モチロン、萌花の服の下にもね!」
萌花(モカ)「ママの予測能力が異次元すぎ!!」
花子(ハナコ)「裸じゃ虫に刺されちゃうわよ。 太郎クンにはコレ!」
太郎(タロウ)「流石花子クン!段取り上手!」
花子(ハナコ)「スーツじゃないアナタも素敵♥」
太郎(タロウ)「白衣じゃない花子クンも美しい♥」
「以上!」
萌花(モカ)「遭難した上に変なボロキレに着替えさせられて・・・」
萌花(モカ)「ホンッとに、モォー無理!!」
萌花(モカ)「こんな家族は嫌アアア──!!」
萌花(モカ)「誰か助けてくださ────い!!」
萌花「くださ──い」
萌花「さ──い」
「・・・」
〇山並み
「誰か助けてくださ──い!!」
「くださ──い!!」
「さーい・・・」
〇滝つぼ
その頃の田中後輩
田中後輩「熊から逃げるために俺も崖から落ちたけど」
田中後輩「なんとか助かって良かった!!」
田中後輩「役所先輩は無事かな・・・」
「・・・くださーい!」
「さーい・・・」
田中後輩「人の声がする!」
田中後輩「まさか役所先輩!?」
田中後輩「待っててください! 今すぐに行きます!!」
田中後輩「ウオオオ!! バタフライ!!!!バタフライ!!!!」
田中後輩「イデッ・・・ウ────ン」
あぁ、ラッコにならないから…😣😣😣😣
ラッコは大事ですね、これから水の中ではラッコになります
そしてここに来て表紙の回収!!どうして今まで気が付かなかったんですか萌花さん😂😂😂😂😂😂
ハッピーエンド(?)っぽいんですけど、まだ続くんですね。いや、ここからがスタートか…
お父さんがスーツとプライドを脱いだのは、実はすごいことですよ。世の中の男性はこれができないんです笑 それで心身ともに消耗していく…
オジギソウ、勉強になりました。
山びこくらいからぶっ飛び度がカンストしてました。次回の引きも何も気にしない(ようにみえる)潔さが良いですね。
一見他人からその謝罪じゃ通らないだろうと思っているところを通るのが夫婦ですねぇ。だからこそ、夫婦喧嘩仲裁しても何にも良いことがないんですよね。彼らだけの世界がありますから。
さて、この家族は家に帰るのか帰れるのか。楽しみです。