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サンケー

未来小説(脚本)

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〇教室
うみ「「大好き!!」そう言って、抱き着いた彼女は私への愛を深めた・・・」
しずく「あっ!!」
しずく「うみ、やっぱまだいた!!」
うみ「しずく・・・」
しずく「部活終わったし、帰ろうかなって思ったら」
しずく「教室の灯り点いてて うみ、まだいるのかな?って」
うみ「もう、こんな時間だったんだね」
しずく「一緒に帰ろう」
うみ「うん」
  私は
  
  昔から地味で
  
  
  勉強も スポーツも
  
  苦手で
  
  
  得意なものなんて
  
  ひとつもなかった
  
  
  ””
  友達も居なくて
  
  いつも ひとりぼっち
  
  
  周りのことを
  
  羨ましく思い眺めては
  
  頭の中で 物語を綴っていた
  
  
  ””
  知らない誰かと
  
  楽しそうにお喋りをする
  
  遊ぶ約束をする
  
  
  そんな幻想を 浮かべては
  
  ノートに書き続けた
  
  
  ””
  うみ
  
  早く行こう!!
うみ「うん」

〇学校脇の道
しずく「うみ、日曜日、暇?」
うみ「暇だけど、どうしたの?」
しずく「ライブのイベントあるんだけど」
しずく「お願い!! 一緒に行ってくれない?」
うみ「私でいいの?」
しずく「えっ?」
しずく「うみと行きたいの!! だって、うちら親友じゃん」
  私の人生は
  
  しずくに会ってから
  
  大きく変わった
  
  
  ””
うみ「行こう!!」
しずく「いいの?」
うみ「うん」
しずく「やったー!!」
  しずくは
  
  本当に 可愛い
  
  
  素直で 明るくて
  
  
  まるで 太陽みたい
  
  
  私は しずくが 大好き
  
  
  ””

〇中規模マンション
しずく「それでね・・・」
うみ「うんうん」
しずく「あっ、家に着いちゃったね」
うみ「ホントだ、お喋りしてるとあっという間だね」
しずく「まだ喋り足りないな・・・」
うみ「家、来る?」
しずく「いいの?」
  しずくとは
  
  同じマンションに住んでいる
  小学5年生の夏
  
  このマンションに
  
  しずくが引っ越して来てから
  ずっと 一緒
  
  中学校も 高校も同じ
  
  これからも
  
  ずっと 一緒だよ

〇女の子の部屋(グッズ無し)
しずく「そう言えば、また小説書いてたの??」
うみ「そうだよ」
しずく「読みたい!!」
うみ「まだ途中だから、ダメ」
しずく「えー」
うみ「あと、少しで完成だから」
しずく「楽しみ。 うみの書くファンタジー、大好きなんだよね」
うみ「しずくは、いつも褒めてくれるよね。 ありがとう」
しずく「褒めるもなにも、本当のことだもん!! うみだったら、プロの書き手さんになれるよ!!」
うみ「そうだと・・・ いいな」
  私はファンタジーしか書かない
  
  
  それは、しずくが褒めてくれるから
  
  
  ””
しずく「このノート、まだ読んだ事ない小説かな?」
うみ「それは、ダメ!!」
しずく「あっ」
しずく「ごめん・・・」
うみ「うんうん・・・ これただの日記だから・・・」
  私には 秘密がある
  
  
  誰にも 言えない秘密
  
  
  それは、しずくにも
  
  
  いいえ、しずくだから言えない
  
  
  ””
うみ「そう言えば、山田くんとは最近どうなの?」
しずく「隆之のこと?」
うみ「そうだけど・・・ しずく、何か怒ってる?」
しずく「あー、ごめん」
しずく「あいつ、有り得ないんだよ!!」
うみ「何かあったの?」
しずく「あいつ、私以外に女居たんだよ!! 有り得なくない?」
うみ「えっ!? 本当に!?」
しずく「なんか怪しいと思って問い詰めたら・・・ 「めんどくせぇー、他に好きな奴いるんだよ」って、言ってきてさ」
うみ「酷いね、山田くん」
しずく「本当だよ」
うみ「別れたの?」
しずく「もちろん、その場で別れた!!」
しずく「だから、暫くメンタル豆腐かも」
うみ「なでなで・・・ 私がたくさん癒してあげる」
しずく「うみ・・・ 優しい!!大好き!!」
うみ「しずく・・・ ちょっと、抱き着かないでよ」
しずく「良いじゃん。 うみ、いい匂いする」
うみ「くすぐったいよ・・・」
しずく「もう・・・誰よ!!」
しずく「あっ、お母さんからだ!!」
  そろそろ、ご飯だから帰ってきなさい
しずく「もう、こんな時間だったんだ」
うみ「家もそろそろご飯の時間かな?」
しずく「折角、うみとイチャイチャ出来たのに・・・」
うみ「何よ、それ(笑) いつでも出来るでしょ?」
しずく「そうだね!!」
しずく「じゃあ、帰るね!!」
うみ「うん」
しずく「また明日」

〇黒
  好き好き好き好き好き好き好き好き好き
  好き好き好き好き好き好き好き好き好き
  好き好き好き好き好き好き好き好き好き

〇黒
  あれから
  
  10年が過ぎた
  
  
  私達は地元の高校を卒業して
  
  都内の同じ大学に通った・・・
  
  
  ””
  大学時代は
  
  ルームシェアをして
  
  毎日 一緒に
  
  楽しく 暮らしていた
  
  
  ””
  卒業後・・・
  
  しずくは大手企業に勤め
  
  私は 大学時代に入選した
  
  小説を切っ掛けに
  
  作家の道へと進み出した
  
  ””

〇綺麗な部屋
しずく「うみ!! 朝ごはん出来たよ!! 起きなさい!!」
うみ「・・・ おはよう」
しずく「おはよう」
しずく「朝ご飯出来てるから、顔洗ったら食べよう」
うみ「うん、ありがとう」
  10年間で
  
  しずくは随分と変わった
  思春期の子供っぽさが無くなって
  
  しっかり者の
  
  大人の女性になっていた
うみ「今日の朝ご飯も美味しそう!!」
しずく「一日頑張る為にも栄養付けないとね」
うみ「そうだね。 そう言えば、仕事大変そうだね?」
しずく「えっ?」
うみ「最近、帰り遅いから」
しずく「そうね。 結構、色々仕事抱えてるから・・・」

〇黒
うみ「いつからかな。 純粋無垢なしずくが」
うみ「平気で嘘を付くようになったのは・・・」
うみ「私が何も知らない? そんな訳ないじゃん」
うみ「しずくを嘘つきにしたのは あの男のせい・・・」
うみ「我慢してたけど・・・ もう許せない」
  殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
  殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
  殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

〇綺麗な部屋
しずく「じゃあ、仕事行ってくるね」
うみ「気を付けてね」
しずく「うん。 あっ、そうだ。 今日も帰り遅くなると思うから、 晩御飯は先に食べててね」
うみ「うん」
しずく「あと、お昼は作ってあるから、チンして食べてね。 食べ終わったら、洗い物もお願いね」
うみ「いつもありがとう」
しずく「トイレットペーパーも切れそうだから、ドラックストアで買っておいてくれると助かるな」
うみ「分かったよ。 それより、仕事遅れちゃうよ」
しずく「あっ!! それじゃ・・・」
しずく「行ってきます」

〇女の子の一人部屋
  私はリアルな小説を書かない
  
  それは、しずくが私の書くファンタジーを好きだって、褒めてくれるから
  今書いている小説も
  
  こないだ書いた小説も全部ファンタジー
  読者の誰よりも先に
  
  書いた小説を しずくに見てもらって
  
  しずくから 評価してもらう
  そして、しずくの笑顔を隣で見て
  満足する

〇郊外の道路
しずく「あっ!!」
けんた「しずく、おはよう!!」
しずく「おはよう、けんた」
しずく「もしかして、待っててくれた?」
けんた「まぁね」
  しずくの彼氏(けんた)は、同じ会社に努める先輩社員。
  付き合って、半年だけど
  
  お互いに意識していたのは、
  
  もう何年も前から・・・
けんた「そう言えば、結婚の話、考えてくれた?」
しずく「・・・うん」
けんた「やっぱ、まだ付き合って半年だから、不安?」
しずく「そんな事ないよ!! けんたの事、ずっと好きだったし。 これからも、ずっと一緒に居たいし」
けんた「じゃあ、友達のうみちゃんの事かな?」
しずく「・・・うん」
しずく「うみ。 不器用だし、家の事も全然出来ないし、 まだ小説家としても 駆け出しだから・・・」
しずく「今、ひとりぼっちになっちゃったら。 多分、すごく不安だし・・・ 大変だと思うの」
けんた「しずくは本当に、うみちゃんの事が好きなんだね」
しずく「そう言われると、恥ずかしいじゃん。 だって、子供の頃からずっと一緒なんだもん。 うみは特別・・・」
けんた「なら、慌てて結婚を急ぐ事ないか」
しずく「ごめんね、ありがとう」
けんた「あははは・・・ 今度、うみちゃんにも会ってみたいな。 昔のしずくがどんな子だったか、知りたいし」
しずく「恥ずかしいから、やめてよ!!」
けんた「あははは・・・」
しずく「でも、うみには会って欲しいかな・・・ 2人とも私にとって、すごく大切な人だから」

〇黒
  しずくは
  
  彼氏のけんたと
  
  会話をしながら出勤する
  暫く会話を交わしながら歩いていると
  
  コンビニがある交差点へと差し掛かった
  そこは車通りが激しい
  
  事故の多い交差点
  しずくとけんたは
  
  信号が変わりそうになったので
  
  走って
  
  横断歩道を渡る事にした

〇郊外の道路
けんた「やば、信号変わりそう」
しずく「走ったら、間に合うかな?」
けんた「あっ、まずい、スマホ落とした・・・」

〇黒
うみ「スマホを落とした、けんたは 横断歩道を一人で 引き返す」
うみ「そして スマホを無事に拾い上げて しずくに向かって 笑顔を見せて言う」
うみ「『スマホ、傷付いてなくて良かった』 その瞬間・・・」

〇郊外の道路
しずく「けんた!! ダメ、信号・・・」
しずく「もう赤だよ!!」
けんた「スマホ・・・ 無事だ」
けんた「しずく!! スマホ傷付いてなくて良かった!!」
「けんた、危ない!!トラック来てるよ!!」
けんた「えっ?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
  いやァア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!

〇黒
  私は、リアルな小説を書かない
  
  それは、私の書くファンタジーを
  
  しずくが好きだと言ってくれるから
  それと
  私の書いたリアルな小説は
うみ「必ず、真実になるから」
  ねぇ、しずく
  
  
  あなたと私は、
  
  
  ずっと 一緒だよ
  
  
  ””
  これからも
  
  
  今までも
  
  
  そうなるように
  
  
  私が未来を書き換えて来たんだから
  
  
  ””

コメント

  • ファンタジーしか書かないというのが、巧妙な伏線だったのですね!!  お見事!!
    しずくと仲良くなれたのも、 未来小説のおかげならばとても孤独な少女ですね😭
    未来が思い通りになったら、自分なら酒池肉林のナンセンスエロコメにしかならないです💦 脱帽です。

  • うみはしずくと出会って自分のものにしたいと思ってからずっと未来小説を書いて彼女の人生を操ってきたのかもと思うと背筋が寒くなりました。うみの掌の上で一生踊り続ける運命のしずく・・・。日常のディティールまで決められるから、ある意味デスノートより怖いかもしれない。小説に誤字脱字があったらその部分は現実にならなくて「チッ」てなってたりして。

  • 未来日記ではなく未来小説というタイトルがとても魅力的だったんですが、読み進めながら次第に少し凄みが増してきました。ファンタジー現実化作家ですね・・・。

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