それを知ってるのは私だけ 

名も無き者

エピソード0 1(脚本)

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〇レンガ造りの家
  今回から一つ一つのエピソードが長くなります
  時間に余裕がある時に読むことをオススメします
(はっ!此処はどこ!?)
(って・・・何か私小さくない?・・・それに此処は・・・)
「あぅ~」
ヨル「フフッ お外暖かいね~」
  えっ?お母さん?
「キャッ キャッ あぅ~」
ヨル「あらあら、ご機嫌ね~ 本当にお散歩が好きなのね」
  うっ・・・また眠気が・・・
  それにしても、今の私・・・赤ちゃんだったわよね?
  ちょっと戻り過ぎたかしら?・・・
  うぅ・・・意識が・・・
ラヴィ「はっ!今度は何!?」
「ラヴィ~」
ヨル「ここに居たのね」
ヨル「日向ぼっこも良いけど、お家に入りましょ」
ヨル「暖かいからまだお外に居たいのかもしれかいけど、もうすぐお父さんが帰ってくるの。一緒に待ってましょ」
ラヴィ「うん!」
ラヴィ(お母さんも元気そうだし、まだ会ってないけどお父さんもいるんだ!見た感じ健康そうだから・・・まだ事故は起きてない)
ラヴィ(此処は私の家 さっきの女性は『ヨル』私の母、前回は馬車の事故の後遺症で足が弱くなってしまった。歩けるけどふらついてたね)
ラヴィ(何の病気にならなかっただけ良かったわ・・・ でも、脳の一部が事故の衝撃でダメージを受けて足に影響を出してしまった)
ラヴィ(お医者様は魔力が衝撃で固まってしまったのが原因だって言ってたわね・・・)
  この世界には魔法や魔術など・・・魔力に関わるモノも存在している。もちろん魔物も・・・
  衝撃により体内に宿っている魔力が硬直化し、魔力は血と共に体内を流れる際に、神経に悪影響を及ぼす
  前回、馬車の事故に遭ったラヴィアリスの両親は重症を被い、母は足、父は右腕を上手く動かすことが出来なくなった。
  幸い父は左利きだったので何とかなった。
  
  また、お互いが助け合いながら生活してたので大きな問題は無かった
ラヴィ(後遺症を患ってるのに私の結婚を許してくれた・・・。本当は介護をしたかったけど出来ずに終わってしまったけど)
  ヨルと手を繋いで家の庭から離れた
  すると突然ヨルはラヴィアリスを抱き上げた。
ラヴィ「わっ!おかあしゃん?」
  ヨルは何も言わず、笑顔で愛娘を優しく抱き締めた。
ラヴィ(・・・そうね、こういう人だったわ・・・変な所で色々鋭いから隠し事は通じないのよね)
ラヴィ(今だけは甘えよう・・・)

〇豪華な部屋
  眠るラヴィアリスをソファーに寝かせ、頭を撫でた
ヨル「ラヴィ、本当は・・・お母さんもこんなの馬鹿げてると思ってるわ」
ヨル「・・・生まれる前から自分達の子供を結婚させようだなんて・・・」
ヨル「でもあの時のお母さんはまだ弱くて・・・否定出来なかった。 そのせいで・・・《貴女》を苦しめてしまった・・」
ヨル「・・・《貴女》は自由になるべき このままでは同じ事を繰り返すだけ・・・」
ヨル「・・・ラヴィアリス・・・ わたしと『フィヨルグ』の《可愛い命》」
ヨル「女神ファロステェーナ様 どうか娘《この子》をお救いください・・・ どうか─────」
  ヨルは両手を握り祈るように小さく呟いた・・・
ラヴィ(・・・・・・)
(・・・お母さん・・・)
  本当に変な所で色々と鋭い人だ・・・小さな娘の中にはいる【大人の娘】の存在に気づいたのだろう・・・
ラヴィ「お・・・」
ラヴィ「おかあしゃん・・・」
ヨル「目が覚めた?それじゃあ”おやつ”にしましょ♪」
ラヴィ「うん!」
  ラヴィアリスは体を起こして顔を洗いに行った。
  その姿をヨルは静かに見ていた・・・
ヨル「何故かあの子の魂が少しずつ消えかけてる・・・」
ヨル「まだ生まれたばかりと言っても良いのに・・・どうして・・・」
ヨル「でも、たとえ存在が消えても・・・わたしとフィヨルグは絶対に忘れないわ・・・」
ヨル「・・・何だか嫌な予感がするわ・・・」

〇豪華な部屋
  数分後
  目が覚めてからしばらく経った。
  夕日が沈み出した頃、家のドアが開く音がした。誰か来たみたいだ
フィヨルグ「ただいま」
ヨル「お帰りなさい」
ラヴィ「おかえりなさい!」
ラヴィ(お父さんだ・・・ お父さんもまだ健康そうね)
  彼の名は『フィヨルグ・ローライト』
  ラヴィアリスの父親であり『ローライト伯爵』でもある男性
  王国の魔術師として働いてる。魔術だけでなく魔法も使える人物
  ローライト伯爵家は領地を持ってる訳でも、屋敷に住んでる訳でもない。
  他の貴族よりも貧しいが、平民と全く同じ生活をしている
  そして妻のヨル
  元は男爵家の令嬢だったが、フィヨルグの一目惚れで結婚した。魔法が使えて、ラヴィアリスに魔法を教えた師でもある
フィヨルグ「帰ってきて早々ですまない。実は偶然にも『ラカーシュ』と会えたんだ」
ヨル「まぁ!公爵様と!?」
フィヨルグ「あぁ!それで」

〇豪華な部屋
フィヨルグ「ラカーシュの息子さんとの『初めての顔合わせ』について話せたんだ」

〇豪華な部屋
ラヴィ(今の何?いきなり目の前にノイズが・・・ それよりも『顔合わせ』って・・・)
ラヴィ(まさか・・・)
  今いるのは間違いなく過去、また私は同じ人間に生まれたのかと思ったけど少し違う
  これは【現実】
  今のラヴィアリスが生きてる世界だ
ラヴィ(やっぱり私が赤ちゃん、そして今の小さい頃に戻ってるって事は【転生】じゃなくて【逆行】したって事ね)
ラヴィ(お父さんもお母さんも前回と同じ人 それに、一応貴族だから知らないところで婚約が進んでる事は可笑しくはないわ)
ラヴィ(『ラカーシュ』様はジェドさんのお父様のお名前 隣国の貴族のシエル公爵様だ・・・)
ラヴィ(また・・・同じ・・・なの?)
ラヴィ「誰と結婚するの?」
ヨル「フィヨルグ、ラヴィに分かりやすく話してあげて。大人だけで納得してはダメ、これはこの子にとって大事な事だから」
フィヨルグ「えっ!?あ、あぁそうだな」
フィヨルグ「実はラヴィには婚約者がいるんだ。相手は隣国の貴族でね、シエル公爵家の令息なんだ」
フィヨルグ「この婚約を持ち掛けたのは公爵夫人 ヨル・・・お母さんのお友達なんだ」
ヨル「今更だけど間違ってるってわかってるわ。 でもあの時は弱くて否定出来なかった・・・」
ラヴィ「・・・」
フィヨルグ「否定出来なかったのはワタシも同じだ。ラカーシュはワタシの友人だ・・・それに向こうの方が爵位も戦力も高い・・・」
フィヨルグ「変に行動したら力で潰される・・・ だがわかってるんだ、ワタシ達も彼方も間違った事をしてるって・・・」
フィヨルグ「子供の意思を無視して親の気まぐれに使うなんて、絶対にしてはいけない」
ラヴィ「・・・」
ヨル「親の繋がりでお友達としてなら良かった。 でも、生まれる前から「お互いの子供を結婚させよう」なんて若い頃だから言えた事」
ヨル「ワタシは冗談だと思ってたわ・・・でも『ヨナ』は本気だった」
ヨル「ヨナの行き過ぎた行動を止められなかった・・・ 悪い意味で大人の友情に巻き込んではいけないと・・・言えなかった」
ヨル「後悔ばかりね でも彼方だけを責めても結局はワタシとフィヨルグも同罪・・・」
フィヨルグ「だがラヴィ、お父さんとお母さんはラヴィの気持ちを優先するよ。 嫌なら断っても良い」

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