エピソード3 拾ウ神(脚本)
〇山中の坂道
封印されれし魔物「・・・・・・ウー」
封印されれし魔物「何処・・・・・・ダッケ?」
封印されれし魔物「何カ・・・・・・喰エソウナ、捕マエナキャ」
────────
封印されれし魔物「ウー・・・・・・ン?」
封印されれし魔物「・・・・・・」
ダラダラ──、半開きの口から涎の滝を作る。
封印されれし魔物「ン、ンン────」
封印されれし魔物「・・・・・・タリナイ」
封印されれし魔物「・・・・・・?」
封印されれし魔物「オオオオ」
封印されれし魔物「ンー、サッキノヨリ、イイ・・・・・・!!」
封印されれし魔物「二・・・・・・ク・・・・・・」
〇山の中
「・・・・・・あの」
「なーに?」
「道に食べ物置けば来るんですか、本当に?」
「今の『彼』は空腹、落ちてる物は何でも口に含むわ」
「それでも、こう、ただ置いてるだけで」
「────噂をすればなんとやら、だわ」
「え!?もう来たのですか!!」
「さぁ、隠れましょ」
「ああちょっと・・・・・・お待ちを!!」
封印されれし魔物「ウー・・・・・・喰エル、物」
封印されれし魔物「アー、タ」
封印されれし魔物「ンマイ・・・・・・スゴク、ンマイ・・・・・・?」
目の前がくらくらとしだす、眠気も共に。
封印されれし魔物「ンー、・・・・・・」
「うっそだろー」
隠れていた人物が姿を現す。
ロクシャウ「あらあら、イイじゃないの。こう単純でいてくれたら」
アージュ「いや、でも元人喰いでも耐性をねぇ。私の知ってる限り弱体も弱体しすぎじゃないですか?」
ロクシャウ「甦って現役復帰かしらねぇ」
ロクシャウ「さーて、では『記憶』を拝見させて貰うわよ~」
トン、人差し指を影士の額に押し当てる。彼の記憶を読み取ろうとする。
ロクシャウ「──────────────」
ロクシャウ「────あら?」
アージュ「どうしました?」
ロクシャウ「いやだ、記憶を抜かれちゃってるわ」
アージュ「え!?」
ロクシャウ「こんな事をしたのは恐らく────」
〇山の中
アージュ「・・・・・・酷い」
ロクシャウ「酷い?私からしてみれば良かったの範疇よ?この子はまだ食欲の塊かも知れないけど────」
ロクシャウ「────修羅の道、それ以上の事をするわね。最悪さらに、もっと悪化させれば、彼は最後に自決するわ」
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