第1話『難民たち』(脚本)
〇西洋の街並み
シャルティア・グレーシア「のどかで、良い村ね」
ユーリ・エルファール「そうだな」
村長「まさか騎士様でいらっしゃいますか?」
ユーリ・エルファール「その通りです 国王陛下の命により参りました」
ユーリ・エルファール「例の問題の対処をさせていただきます」
村長「ありがたい もう来ないかと思っておりました」
〇児童養護施設
村長「こちらでございます」
村長「ここに100人余りが生活しております」
村長「彼らは昼も夜も基本施設から 出てくることないので コミュニケーションが取れません」
ユーリ・エルファール「外交的ではないのか」
ユーリ・エルファール「この大きさの施設で100人は 定員オーバーですね」
村長「ええ、辺境の村には余剰がありませんゆえ」
ユーリ・エルファール「早急に解決します」
村長「お願い致します」
〇荒れた小屋
ユーリ・エルファール「誰かいるか?」
村田「あ、あ、」
ユーリ・エルファール「なんだ、この澱んだ空気は」
山田「あ、あ」
ユーリ・エルファール「普通に喋れないのか」
村田「あ、こんにちは」
山田「あ、どうも」
ユーリ・エルファール「『あ、』って何だ」
村田「あっ、いや」
山田「あ、癖で」
ユーリ・エルファール「・・・・・・」
シャルティア・グレーシア「前途多難」
村田「あ、女の子だ」
山田「お、おんなのこ」
シャルティア・グレーシア「え?」
ユーリ・エルファール「消えただと」
シャルティア・グレーシア「あれー、私もしかして嫌われた?」
ユーリ・エルファール「何か警戒されてるのか?」
ユーリ・エルファール「一旦出るか」
〇児童養護施設
ユーリ・エルファール「何となくだが前任者が 逃げ出した理由を察した」
ユーリ・エルファール「よし、1人ずつ聞き取りしてみるか」
ユーリ・エルファール「まず1人目」
山田「あ、山田です」
ユーリ・エルファール「ヤマダか」
ユーリ・エルファール「ヤマダはどうやって この国に来たんだ?」
山田「あ、交通事故に遭い気づいたら あ、この世界にいました」
ユーリ・エルファール「交通事故というと 馬とか馬車とぶつかるようなもんか」
山田「ええ、まあ」
ユーリ・エルファール「職業は何だ」
山田「あ、高校生です」
ユーリ・エルファール「こーこーせー?」
山田「あ、学生です」
シャルティア・グレーシア「まあ、年齢的にそうか」
シャルティア・グレーシア「私も学生!」
山田「あ、はい」
ユーリ・エルファール「次!」
村田「あ、村田です」
ユーリ・エルファール「ムラタはどうやって この国に来たんだ?」
村田「あ、交通事故に遭いました そしたら、気づいた時に この国にいました」
シャルティア・グレーシア「まただね」
ユーリ・エルファール「ちなみに職業は?」
村田「あ、高校生、学生です」
ユーリ・エルファール「また学生か」
ユーリ・エルファール「次!」
石井「あ、どうも 石井です」
ユーリ・エルファール「イシーか」
ユーリ・エルファール「何か嫌な予感するけど」
ユーリ・エルファール「どうやってこの国に来た?」
石井「交通事故に遭い 気づいたらいました」
石井「ふふふ」
石井「職業は聞かないのですか?」
ユーリ・エルファール「学生だろ?」
石井「なぜ、それを?」
ユーリ・エルファール「その衣装さっきのやつらと一緒だろ」
シャルティア・グレーシア「民族衣装なの?」
石井「あ、いえ、学生服です」
ユーリ・エルファール「次!」
佐々木「あ、佐々木です」
シャルティア・グレーシア「あ、衣装が違う!」
佐々木「あ、自分大学生なんで」
ユーリ・エルファール「どうやって、お前は この国に来た?」
佐々木「道を歩いていたら」
ユーリ・エルファール「おう!」
佐々木「小さい女の子が歩いてまして」
ユーリ・エルファール「それで?」
佐々木「その子が道路に飛び出して 車に轢かれそうになったので」
佐々木「咄嗟に庇って」
ユーリ・エルファール「おお!」
佐々木「交通事故に遭いました」
ユーリ・エルファール「またかよ!」
ユーリ・エルファール「お前ら交通事故に遭いすぎだろ!」
シャルティア・グレーシア「向こうそんな治安悪いのかな」
シャルティア・グレーシア「交通事故に遭うと この国に来ちゃうの?」
ユーリ・エルファール「ああ、このまま 100人から聞き出すぞ!」
シャルティア・グレーシア「嫌な予感しかしない」
〇児童養護施設
ユーリ・エルファール「気づいたらもう夕方じゃねえか」
ユーリ・エルファール「何となくだが 前任者が病んだ理由が分かった」
シャルティア・グレーシア「コミュニケーションが 凄い取りづらいね」
ユーリ・エルファール「あいつら話す時視線合わさないし 『あ、』をいちいち付けるし 自分語りになると早口になるしな」
ユーリ・エルファール「よく分からん」
シャルティア・グレーシア「でも、おかげでたくさん調書が取れたよ」
シャルティア・グレーシア「難民110人中 学生が82人 大学生2人 無職20人 職業あり6人」
シャルティア・グレーシア「ここに来た要因は 交通事故80人 病気1人 気づいたらいた20人 ゲームをプレイ9人」
シャルティア・グレーシア「全員『ニホン』って国出身らしい」
ユーリ・エルファール「ニホンっていう国は狂ってんのか?」
ユーリ・エルファール「ニホンはあんな連中だらけなのか??」
シャルティア・グレーシア「そして全員男!」
ユーリ・エルファール「犯罪が起きず 秩序が保たれているのが奇跡だな」
シャルティア・グレーシア「確かに 基本施設から出ないらしいし」
ユーリ・エルファール「ある意味、モラルがある人間というのは 助かるがな」
シャルティア・グレーシア「でも、どうして 死んだらうちの国に来るんだろ」
ユーリ・エルファール「向こうの国では死んだら 異世界に飛ぶのが普通なのか?」
ユーリ・エルファール「ただの嫌がらせとしか思えんのだがな」
シャルティア・グレーシア「とりあえず明日はもっと調査しないとね」
ユーリ・エルファール「もう帰りたい」
ええ〜!
これ、これ、面白すぎますね!
確かにこんなに交通事故で、ほいほい異世界に飛ばされたら溜まったもんじゃない!
メタぽい?設定スキです
あ、ってなんだ!あ、って!
普通に喋りなさい!って言いたくなっちゃいそうです
コミュ障だけどモラルがあるってリアルですね
異世界モノのテンプレを逆手にとった内容、楽しすぎますね!交通事故・学生・コミュ障というトリプルコンボでww ニホン、どうなってるんですかww
僕も異世界、あるいは慰謝料が手に入るかと期待してトラックに吸い寄せられそうです🤤