〇開けた交差点
「一気に駆け抜けるぞ」
小林 星蘭「ひゃほーい!!最高だぜ!!」
前田 拓斗「くそ気持ちいいぜ!!」
「やべぇ」
「逃げろ!!」

〇廃墟の倉庫
小林 星蘭「警察、まいてやったぜ！」
前田 拓斗「ちょろい、ちょろい」
前田 拓斗「あっ！そうだ」
小林 星蘭「どうした？」
前田 拓斗「星蘭のバイク、なんか変な音してなかったか？」
小林 星蘭「はっ、マジ？」
前田 拓斗「ちょっと、見てみるか・・・」
　　あっ、おい！
　　
　　星蘭、ここだ！
　　ホントだ!!
　　
　　あった!!
小林 星蘭「拓斗、助かったよ。すぐ直す！」
前田 拓斗「事故る前に見付かって良かったぜ」
小林 星蘭「ほんと、それな」
前田 拓斗「あっ、俺。 ちょっと、飲みもん買ってくるわ。 いつものでいいか？」
小林 星蘭「おっ、サンキュー！」
小林 星蘭「よし、修理だ」
鳳 与四郎「星蘭いるか？」
小林 星蘭「与四郎！ここだ！」
鳳 与四郎「バイクの修理中か？」
小林 星蘭「おう・・・ここをこうして・・・」
小林 星蘭「ぐわっ！なんか壊れた！」
鳳 与四郎「不器用この上ないな。 ちょっと、貸してみろ」
小林 星蘭「おう・・・」
鳳 与四郎「これなら、すぐ直る」
小林 星蘭「さすが、与四郎・・・バイク屋の息子は心強いぜ」
前田 拓斗「あっ・・・」
前田 拓斗「与四郎のバイクじゃん」
前田 拓斗「与四郎、来てるのか？」
鳳 与四郎「その声は、拓斗か・・・ 今、星蘭のバイク直してる所だ」
前田 拓斗「さすが、与四郎・・・手際がいい」
小林 星蘭「俺と全然ちげーぜ！」
前田 拓斗「自慢げに言うな」
鳳 与四郎「よし、これでいいだろう」
小林 星蘭「与四郎、マジサンキュー」
前田 拓斗「泣くなよ、お前」
小林 星蘭「だって、俺不器用だから、一人じゃ直せないのに、拓斗が・・・」
前田 拓斗「いや、一人で直せって、俺言ってないぞ」
小林 星蘭「あっ・・・」
小林 星蘭「俺が一人で直そうとしたんだった。忘れてたぜ」
鳳 与四郎「拓斗は、とんだとばっちりだな」
前田 拓斗「もう慣れたけどな」
前田 拓斗「そういや、飲み物買ってきたんだった」
小林 星蘭「それは、俺の好きなオレンジジュース！」
小林 星蘭「拓斗、サンキュー！」
前田 拓斗「おう。与四郎が来てるの知らなかったから、与四郎分もなんか買って来るわ」
鳳 与四郎「気を遣うなよ。俺はいい」
小林 星蘭「そうだ、そうだ。気を遣うなよ！」
前田 拓斗「お前はもう少し、気を遣え！」
鳳 与四郎「確かに・・・」
小林 星蘭「はい・・・」

〇廃墟の倉庫
鳳 与四郎「やっぱ、バイク良いよな」
前田 拓斗「げっ・・・」
前田 拓斗「もうこんな時間じゃねーか」
小林 星蘭「あっ・・・」
小林 星蘭「拓斗、夕方から用事あったよな？」
前田 拓斗「あぁ、すっかり、忘れてた。 すぐ行かねーと・・・」
前田 拓斗「またな！」
鳳 与四郎「俺も店の手伝いあるし、行くな」
小林 星蘭「与四郎、今日はありがとうな！」
鳳 与四郎「良いってことよ。いつでも、頼れ！」
鳳 与四郎「またな！」
小林 星蘭「さて、俺も・・・」
三船 仁「おい、あんた・・・」
小林 星蘭「・・・俺か？」
三船 仁「あんた以外、いねーだろう！」
小林 星蘭「た・・・確かに」
三船 仁「高そうなバイク持ってんじゃん。 俺に貸してくれよ！」
小林 星蘭「断る！」
三船 仁「あっ!?」
小林 星蘭「バイクは、拓斗と与四郎の次に大事なものだ！ 他人になんて貸せない！」
三船 仁「じゃあ、いい。 力づくで、貰ってくからよ」
　　おりゃァ!!!
　　くっ・・・
　　はァ・・・はァ・・・
小林 星蘭「なかなか強かったな・・・」
小林 星蘭「こいつ、どうしよう？」
小林 星蘭「死んでないよな？」
小林 星蘭「とりあえず、バイクに乗せれないし。 このまま放置じゃ可哀想だから・・・」
小林 星蘭「隅の方で寝かして、起きるの待つか・・・」