5000個目のプレゼント(脚本)
〇シンプルな一人暮らしの部屋
これは、ある家族の聖夜の物語・・・・・・
ケンタ「グー・・・・・・グー・・・・・・」
パパ「寝たみたいだな」
ママ「ええ、早く寝ないとプレゼントはもらえないって言っておいたから」
パパ「よし、早速行こう」
〇トラックのシート
パパ「いやぁ、ママごめんね。 こんなに年末忙しくなるとは」
ママ「ううん、私も時間無くて買いに行けなかったから仕方ないわ」
パパ「やっぱりケンタは、ママが前に言ってた ゲームが欲しそうだった?」
ママ「「タップクエスト2」よね?」
パパ「それだ!小学生に大人気らしいね」
ママ「間違いないわ。ケンタ、タップクエスト1と3は持ってるけど、2は持ってないんだもん」
パパ「え!?間を攻めようとしてるの?」
パパ「欲しいかもしれないけど、 クリスマスプレゼントとしてはどうかな」
ママ「いや、ケンタが言ってたのよ」
ママ「「2が無いために矢澤ゲーム監督の全シリーズを通した巧妙な伏線回収の魅力を存分に味わうことができていない気がする」って」
パパ「ケンタってそんな批評家みたいな喋り方してたっけ!?」
パパ「まだ小2だぞ!」
ママ「「味わうことができないぞなもし」って」
パパ「脚色しすぎ!!」
パパ(心配だけど、喜んでくれるかな)
二人はゲーム屋に並んだラスト一個の
「タップクエスト2」を買い
ケンタの枕元に置いて眠りについた。
〇シンプルな一人暮らしの部屋
チュンチュン チュンチュン
ケンタ「んー・・・・・・んー・・・・・・」
ケンタ「がばっ!」
パパ(今「がばっ」て言ったよな・・・・・・。 普通言わないよな・・・・・・)
ケンタ「あ、プレゼントだ」
パパ「お、良かったなぁ。開けてみろ」
ベリベリ ベリベリベリ
ケンタ「こ・・・・・・これは・・・・・・」
ケンタ「違う!こんなの欲しくない!馬鹿!」
パパ「ど、どうした、ケンタ。 「タップクエスト2」持ってないんだろ」
ママ「そ、そうよ。 あとそんなキツい言い方しないで、 普通に辛いわ」
パパ(ママ、心の声が漏れてる・・・・・・)
ケンタ「こんなの・・・・・・こんなの・・・・・・」
ケンタ「いらないんだーーー!!!!!!」
ブウン・・・・・・
〇シンプルな一人暮らしの部屋
ケンタ「グー・・・・・・グー・・・・・・」
パパ「あれ・・・・・・夜?」
ママ「あら、タイムスリップしたみたいね」
パパ「飲み込み早っ!」
パパ「本当だ・・・・・・12月24日・・・・・・ でもなんで・・・・・・」
ママ「たしかケンタがプレゼントに満足しなくて、叫んだ瞬間に・・・・・・」
パパ「よく分からないが、チャンスだ! ケンタが喜びそうな物を選ぼう!」
ママ「ええ!ピンチはチャンス!」
〇トラックのシート
パパ「いや、ママ、」
ママ「うん」
パパ「なんでまた「タップクエスト2」買ったの!?」
ママ「欲しがってたから」
パパ「欲しくないってめちゃくちゃ叫んでたよ!?」
ママ「お願いよ。いける気がするの」
パパ「・・・・・・パパは嫌な予感しかしないけど」
二人はゲーム屋に並んだラスト一個の
「タップクエスト2」を買い
ケンタの枕元に置いて眠りについた。
〇シンプルな一人暮らしの部屋
ケンタ「違う!こんなの欲しくない!馬鹿!」
パパ「ど、どうした、ケンタ。 「タップクエスト2」持ってないんだろ」
パパ(知ってた・・・・・・)
ママ「そ、そうよ、 あとキツい言い方だけはしないで」
パパ(また同じこと言ってる・・・・・・)
ケンタ「こんなの・・・・・・こんなの・・・・・・」
ケンタ「いらないんだーーー!!!!!!」
ブウン・・・・・・
〇トラックのシート
パパ「もう「タップクエスト2」はダメだよ!」
ママ「「タップクエスト4」にしましょう」
パパ(4も出てるんだ・・・・・・)
パパ(まあ、新作なら可能性あるか)
二人はゲーム屋に並んだラスト一個の
「タップクエスト4」を買い
ケンタの枕元に置いて眠りについた。
〇シンプルな一人暮らしの部屋
ケンタ「違う!こんなの欲しくない!馬鹿!」
パパ「ど、どうした、ケンタ。 「タップクエスト4」持ってないんだろ」
ケンタ「タップクエストは3のラスボスBGMにゴリゴリのシンセミュージックもってきたから一生買わない!」
パパ(ゴリゴリのシンセミュージック・・・・・・ 初めて聞いた・・・・・・)
ママ「そんなことどうでもいいけど、 キツい言い方だけはしないで」
パパ(どうでもよくなってる・・・・・・)
ケンタ「こんなの・・・・・・こんなの・・・・・・」
ケンタ「いらないんだーーー!!!!!!」
ブウン・・・・・・
それから二人は
ゲーム屋の全てのゲーム
おもちゃ屋の全てのおもちゃ
全てのスポーツ用品
現金
「タップクエスト5(自作)」
梨
ケンタッキー(名前がケンタだから)
計4999個のプレゼントをあげ
全て失敗した
〇シンプルな一人暮らしの部屋
ケンタ「グー・・・・・・グー・・・・・・」
パパ「ママ」
パパ「何も買わないっていうのはどうかな」
ママ「やだ」
パパ「冷た!」
ママ「冗談よ。私も思ってたの」
ママ「何も買わずにケンタの隣で」
ママ「一晩ゆっくり過ごしましょう」
そして翌朝・・・・・・
〇シンプルな一人暮らしの部屋
ケンタ「パパーママー!」
ケンタ「見て!家族三人で旅行に行ける券だって!」
パパ(きっと、ケンタは俺たちが買い物に行ってる間に起きて)
パパ(寂しい思いをしていたんだろうな)
パパ(ママに梨とケンタッキーを買わされたときは一生抜け出せないかと思ったけど)
パパ(なんとかなって良かった)
ケンタ(あー嬉しいなぁ・・・・・・)
ケンタ(欲しいプレゼントがもらえるまで)
ケンタ(時間を戻してよかった!)
皆さんは今年のクリスマスから
抜け出せるでしょうか
大事なのは
プレゼントをあげる相手の気持ちを
一番に考えてあげることです
それでは素敵な聖夜を・・・・・・
「こんなのいりません!」
え、いや、君はそれが欲しいんじゃ
「こんなの・・・・・・欲しくない!!!」
ブウン・・・・・・
子供にしてはよくやりました。お父さんとお母さんの子供に対する愛情は流石ですね。子供の知恵と両親の思いやりでは子供の勝ちです。
ケンタッキーで爆笑しました!笑
欲しいものをもらえるまで、時間を戻すって、ケンタくんなかなかやりますね!
途中挟んでる、ゲームの話が特におもしろかったです。
正解にたどり着くまで5000回のタイムループ、、、お母さんとお父さんの愛情をそれだけでもひしひしと感じますがプレゼントは決して物じゃなくてもいいんだなと考えさせられました