〇研究装置
　　────M.A.M.O機関・試験室兼■■■■αルーム
シルクレット「・・・・・・・・・・・・」
　　────────。
シルクレット「・・・・・・」
「足の傷は治した。・・・・・・弾丸は旧国家時代に生産されたモノだ」
シルクレット「・・・・・・ヒルトー、博士」
ヒルトー「もうパパって言ってくれないのか？寂しいね、生まれたてホヤホヤの時は良く呼んだのに」
シルクレット「私は────」

〇荒廃した街

〇研究装置
シルクレット「────インパルス・・・・・・」
ヒルトー「・・・・・・彼は今、治療中だ。生物学的、医学的な意味で」
ヒルトー「いや────回収中、かなぁ？」
ヒルトー「一言で解答するなら、無事だね。でも旧式のサイボーグ君だから────キリク氏は付きっきりだね」
ヒルトー「はぁー、でも狙撃手（スナイパー）は彼を狙ってくれて良かったよ。私の傑作を出荷早々に壊されて戻って欲しくなかったし」
シルクレット「ヒルトー博士────」
ヒルトー「彼が再起動する伸ばし時間が掛かるよ？旧式だし、少尉さんはツテでパーツをかき集めてるようだが────」
ヒルトー「どうして私に頼まないのかな？私だったら廃棄予定されてる肉人形から取り出して、加工するのに」
シルクレット「・・・・・・・・・・・・」
ヒルトー「ああごめんなさい。君の事は言ってない。私『以外』の手で造られたバイオノイドの事だから」
ヒルトー「そう睨まないでよ」
シルクレット「・・・・・・・・・・・・」
シルクレット「ある程度、物心という事情を覚えてからです」
シルクレット「私はあなたを嫌悪しか持っていません」

〇集中治療室
　　──────────４日と15時間後。
インパルス「──────────」
インパルス「────────・・・・・・・・・っオ」
キリク「あ～、おはようインパルス君。お身体は～、どうですか～？」
インパルス「・・・・・・・・・・・・」
　　────グッ、パッ。
インパルス「・・・・・・問題はない。現在の所hhhhhhh ──!?」
キリク「・・・・・・声帯システムにあったようですね～」
インパルス「なnnnnn dあt」
キリク「はいストップ～、今から緊急のメンテナンス始めます～。すぐ終わります～」
　　ピ、ピピ。
　　タブレット端末を操作するとベッドの下からコードを持ったロボットアームが伸びる。
キリク「喉仏～、IN☆」
インパルス「────っ！」
キリク「えーと、ここを書き替えて。ここをここと、これで──あとリニューアルして、完・了～」
　　パシュン────
インパルス「こほっ、こほっ────？んーん？」
キリク「どうですか～？モジュールのプログラムをいじりましたよ～。前のはちょっと～」
キリク「・・・・・・」
キリク「えーと～」
インパルス「捻り出さなくても構わない、キリク女史」
インパルス「しかし────前より言語機能か向上したような？」
キリク「それ、シルちゃんにお礼するのですよ～」
インパルス「シル・・・・・・ちゃん？」

〇研究機関の会議室
インパルス「インパルス、復帰の報告に参り参上致しました。少尉」
クリプト少尉「うむ。・・・・・・何だか声も前より良くなった気がするが、いいか」
クリプト少尉「────さて、インパルス。今後の方針だ」
クリプト少尉「我々は今後君ら狙撃した人物と近い内に衝突するかもしれん」
インパルス「やられた分はきっちり返す予定ですよ。・・・・・・しかし、まさか闇討ちみたいに襲うとは」
クリプト少尉「ここバイオノイドの件はそいつかもしれん」
クリプト少尉「これからの事を考えて、戦力強化を図ることにする」
インパルス「了解・・・・・・して、シルクレットは？」
クリプト少尉「M.A.M.O.機関が閉じ込めている。・・・・・・まぁ、再調整と聞いている」
インパルス「そうですか・・・・・・」
クリプト少尉「君は少し休んでくれ。何かあれば連絡をする」
クリプト少尉「いつ、出撃しても支障がないようにだ」
インパルス「・・・・・・少尉」
インパルス「シルクレットは、俺が機能停止中に何か寄越して来ましたか？」
クリプト少尉「ああ、君の修復に必要なパーツを持ってきたんだよ。それが向こう側で問題になって謹慎処分状態────そしてさっきの言葉通りの」
インパルス「再調整・・・・・・」
クリプト少尉「何をしているかはわからない。だが、彼女を送り込んだのは向こうだ。すぐ戻らせるだろう」