〇オフィスのフロア
島崎恵子「見て下さい！ウチの犬！ この前、写真撮って貰ったんです！」
鮎川李花「えーめっちゃ可愛い！」
島崎恵子「ですよね！」
新堂薫「・・」
新堂薫「ここは職場ですよ 関係のない私語は慎むように」
島崎恵子「す、すみません」
鮎川李花「気をつけまーす」
新堂薫「では私はこれで」
島崎恵子「ビックリしたぁ！」
鮎川李花「だねー」
島崎恵子「新堂部長って仕事出来て憧れますけど ちょっと厳し過ぎません？」
島崎恵子「休み時間なんだし 犬の写真くらい良くないですか？」
鮎川李花「フッフッフッ」
鮎川李花「それにはね ちょっとした理由があるのだよ」
島崎恵子「理由？」
鮎川李花「まあ見ててよ 今ので”スイッチ“入ったと思うから」
新堂薫（危なかった）
新堂薫（油断大敵とはまさにこのこと まさか島崎さんが・・）
新堂薫「あんなに可愛い犬を飼っていたなんて」
　　新堂薫は可愛いものに弱かった
新堂薫（・・）
新堂薫（はっ！いけない！ 知能指数が下がっている！）
新堂薫（気を引き締めないと！ スマートが私のモットーなのだから！）
凡田啓太「ひっ！」
岡部蓮也「ん？どうした？」
凡田啓太「あ、オレ 外回り行ってきまーす」
岡部蓮也「変なヤツ」
青井若葉「あ、あの部長 プレゼンの資料まとめ終わりました」
新堂薫「ありがとう 見せてもらえる？」
新堂薫（ふむ 特に問題は無さそうね）
新堂薫「この犬のクリップは!?」
青井若葉「あわわわすみません！私物です！」
青井若葉「こんな物で挟むなんて 本当にすみません！」
新堂薫「・・」
青井若葉「あ、あの部長？」
新堂薫「あっ！」
新堂薫「そ、そうね 次から気をつけて」
　　知能指数低下
新堂薫（不味い！また下がってしまった！）
新堂薫（し、集中しないと！）
園田冴子「部長、お時間よろしいでしょうか？」
新堂薫（園田さん！ この子なら私を正常に戻してくれるはず！）
新堂薫「構わないわ」
園田冴子「以前お話していた 新商品についてなのですが・・」
園田冴子「犬のぬいぐるみ型に するのはいかがでしょう？」
新堂薫「・・」
園田冴子「私としても 消費者のニーズを考えると・・」
　　知能指数低下
　　知能指数低下
新堂薫「ごめんなさい ちょっと外してもらえる？」
園田冴子「え、はい・・」
新堂薫「可愛いすぎるぅぅ！」
新堂薫「なんなのさっきから犬ばかり！」
新堂薫（大体、犬はズルいのよ！）
新堂薫（人類の長年のパートナーとして君臨し続け 可愛いと思ってもらえるように あらゆる進化をしてきた存在・・）
新堂薫（隙が無さすぎる！ なに？人類を支配するつもり？）
新堂薫（ここは外の景色でも見て 冷静にって・・）
新堂薫「犬が散歩してるぅぅ！」
新堂薫「可愛い可愛い可愛い」
　　知能指数低下
　　知能指数低下
新堂薫（くっ！ヤバい！もっていかれる！）
新堂薫（このままではポンコツに・・）
新堂薫（えっ何でオフィスに犬が！ もう人類を手中に収めたと言うの？）
新堂薫（いやでも可愛い 仕事とかもうどうでも・・）
新堂薫「ダメ！新堂薫！ 気をしっかりもって！」
新堂薫（あ、可愛い）
鮎川李花「あの～部長 ウチの猫、見ます？」
新堂薫「こ、これは！」
　　その日
　　新堂薫は思い出した
　　人類は犬と猫
　　両種族に支配されていると言う事を・・
凡田啓太「戻りましたーってあれ部長は？」
岡部蓮也「何か早退したよ」
鮎川李花（やり過ぎたか）