カフェ「五芒星」のあやかし録

緋霜 桜香

あやかし相談所(脚本)

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緋霜 桜香

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〇古民家の居間
安倍 晴彦「これ、よかったらどうぞ」
巴 朱織「わあ! ありがとうございます♪ いただきます!」
巴 朱織「ゴクッ」
巴 朱織「わぁ、おいしい。 あんまりコーヒーって飲まないんですけど、 とても飲みやすいですね。優しい味です♪」
安倍 晴彦「ありがとうございます」
安倍 晴彦「・・・・・・」
安倍 晴彦「本当は、あまり乗り気じゃ無いですよね。 このバイト」
巴 朱織「え・・・!!」
安倍 晴彦「弟が、半ば強引に連れてきたのでしょう? すみません」
巴 朱織「いえ・・・」
安倍 晴彦「私は、お手伝いに来ていただけるのならそれは嬉しいのですが、無理強いするつもりはありません。よく考えてみてくださいね」
巴 朱織「・・・」

〇古民家の居間
坂口 龍弥「おーい、晴彦! 依頼主さんが来たみたいだぜ!」
安倍 晴彦「はーい。今行きます!」
安倍 晴彦「朱織さんも、行きましょう」
巴 朱織「あ、はい!」

〇古民家の居間
小豆洗いの小吉「晴彦の旦那ァ!!晴彦の旦那ァ!!」
安倍 晴彦「どうしたんですか? 小吉さん」
小豆洗いの小吉「おらもう、許せねぇでやんす。 はやくあいつをどうにかしてくだせぇ!」
安倍 晴彦「落ち着いてください。 ひとまずこちらへ。詳しい話はそこで聞きますから」

〇広い畳部屋
小豆洗いの小吉「あいつめ、・・・ブツブツ。次会ったらただじゃおかねぇ。・・・ブツブツ」
坂口 龍弥「すっげえ荒れてんな」
安倍 晴彦「どうなさったんですか? どなかと喧嘩でも?」
小豆洗いの小吉「あいつでやんすよ! 最近ここに来たやつでやんす!あいつときたら、ルールを守らないで好き勝手やってるんでやんす!」
安倍 晴彦「それはそれは・・・」
小豆洗いの小吉「おらたちは、千年以上前から晴明さまに言われた通り人間に迷惑かけずに、自分達だけで平和にやってきたでやんす!」
小豆洗いの小吉「それなのにあいつは、ルールを守らないで人間を好き勝手脅かして食べ物なんかを奪っているでやんすよ!」
安倍 晴彦「それはいけませんね」
小豆洗いの小吉「でやんしょ!! いくら、おらたちが注意しても全く聞く耳持ってくれないんでやんすよ!」
小豆洗いの小吉「これじゃあ、おらたちあやかしの評判が下がっちまう。 頼むでやんす!晴彦の旦那ァ! あいつをどうにかしてくだせぇ!」

〇広い畳部屋
安倍 晴彦「────?──────。 ──────」
小豆洗いの小吉「──!────────!! ────────。────────!!」
巴 朱織(すごく真剣に話し合っるなあ)
巴 朱織「ねぇ、晴彦さんと千明くんの先祖の安倍晴明さんって陰陽師なんだよね?あやかしたちをまとめるのも仕事だったの?」
安倍 千明「ああ、それは陰陽師の仕事って言うよりはご先祖が勝手にやってたみたいだぜ」
安倍 千明「あんまり知られてないが、ご先祖はあやかし達と仲が良かったみたいだしな」
巴 朱織「そうなんだ!」
巴 朱織「優しい人だったんだね」
一ノ瀬 斗亜「だからかな〜? 晴彦、めっちゃくちゃ優しいんだよね〜」
一ノ瀬 斗亜「いじわるしても笑って返されるからつまんない」
巴 朱織「ふふっ」
安倍 千明「そもそも兄貴にちょっかいかけるなよ」

〇広い畳部屋
安倍 晴彦「では、今日はもう遅いので明日手を打ちましょう」
小豆洗いの小吉「旦那が言うならそうするでやんす」
安倍 晴彦「朱織さん。 申し訳ないのですが、明日また来ていただいて見学ということでよろしいでしょうか?」
巴 朱織「はい。わかりました」

次のエピソード:小豆洗いの小吉の相談

コメント

  • 小豆洗いの小吉さんの、小気味いい口調がクセになりそうです。そんな小吉さんたちを、「妖怪」でも「化物」でも「魑魅」でもなく、ひらがなの「あやかし」と称するのには、何か設定上の理由があるのか気になってしまいました!

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