愛天使世紀 ウェディングアップル

ウェディングアップル・シナリオ制作チーム

第32話 愛天使、失格!②(脚本)

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〇明るいリビング
朝陽まゆみ「林檎。最近、どうしちゃったの?」
  テーブルに広げられたテストの答案用紙を見ながらまゆみが言った。
朝陽林檎「・・・・・・」
朝陽まゆみ「100点取れとは言わないけど、それにしたって・・・勉強してるの?」
朝陽林檎「・・・・・・」
朝陽まゆみ「黙ってちゃわからないでしょ」
朝陽林檎「ママには、わかんないよ。 私、大変なんだから」
朝陽まゆみ「・・・そう。でもね。林檎。 大変じゃない人なんて、いないのよ」
朝陽林檎「・・・でも」
朝陽まゆみ「みんなその中で、がんばっているの。 ・・・林檎は、何がそんなに大変なの?」
朝陽林檎「それは・・・うぅ」
朝陽まゆみ「ママに言えないようなこと?」
朝陽林檎「・・・・・・」
朝陽まゆみ「とにかく、学校のことは責任をもってやらなくちゃいけないと思うの」
朝陽まゆみ「それができないようじゃ、林檎の全部が中途半端になっちゃうわよ。それでいいの?」
朝陽林檎「責任って。中途半端って・・・みんな、みんな・・・」
朝陽林檎「ママの、ばかぁ!」

〇可愛らしい部屋
朝陽林檎「私・・・がんばってるつもりなのに。 全然、なんにもできてない」
朝陽林檎「みんな言うんだ。半端だって・・・」
朝陽林檎「私、そんなにダメダメなのかな・・・。このままじゃ、私・・・ダメなのかな・・・」
バビルン「林檎・・・」
  バビルンがそっと林檎に身を寄せた。
朝陽林檎「バビルン・・・うううぅ・・・」
  その夜、林檎は机に突っ伏したまま眠りについた。

〇美しい草原
  目を覚ました林檎はクローバーの咲き乱れる草原にいた。
朝陽林檎「・・・ここは・・・?」
少年「結婚指輪だよ」
朝陽林檎「・・・!」
少年「結婚してください」
朝陽林檎「私・・・でも・・・」
霧乃あやめ「遅刻はする。自己管理もできない。仕事も満足にできない娘が結婚、ねぇ」
朝陽林檎「!?」
黒岩優斗「それに、責任感もない。みんなの足を引っ張るだけ。いるだけで邪魔だ」
朝陽林檎「そんな・・・でも、それは・・・みんなを護るために、愛天使を──」
オーキッド「そのわりには、愛天使も中途半端だよね」
朝陽林檎「蘭・・・」
オーキッド「あたしが愛天使になったんだよ? もう林檎なんてお払い箱じゃない」
オーキッド「強くもないのに出しゃばって、邪魔よ」
朝陽まゆみ「この子はそうなのよ」
朝陽まゆみ「中途半端にしいちゃいけないことを中途半端にして、みんなに迷惑をかけるの」
朝陽林檎「やめて・・・」
霧乃あやめ「仕事も自己管理もできない」
黒岩優斗「責任感もなく、足を引っ張る」
オーキッド「愛天使としても邪魔なだけ」
朝陽まゆみ「全部が中途半端」
霧乃あやめ「こんな娘が、結婚?」
黒岩優斗「分不相応にも程がある」
オーキッド「夢見すぎなのよ」
朝陽まゆみ「あなたには無理」
少年「失望したよ」
朝陽林檎「うぅう・・・うわぁああああ~~!」
  声を上げる林檎の体から、邪悪なオーラが溢(あふ)れ出た。
メリー「愛天使のアップルの正体が、まさかこんな貧弱な小娘だったとは」
メリー「この調子なら、すぐに魔霊化させられそうでメリー」

〇教室
武笠蘭「林檎? 元気・・・じゃないみたいね。 今日は、朝からずっと」
朝陽林檎「・・・・・・」
武笠蘭「なに・・・?」
朝陽林檎「嫌な夢、見ちゃって」
武笠蘭「どんなの?」
朝陽林檎「言いたくない」
武笠蘭「そう・・・まぁでも、たかが夢でしょ。 気にしない、気にしない」
武笠蘭「そんな元気ない林檎見たら、なんだっけ、例のシロツメクサの男の子。その子に再会したときに、嫌われちゃうぞ?」

〇美しい草原
少年「失望したよ」

〇教室
朝陽林檎「そうだよね・・・嫌われて当然だよね」
武笠蘭「・・・え? 林檎?」
朝陽林檎「私なんか、責任感もなくて。 蘭みたいに強くもなくて」
朝陽林檎「足手まといで・・・結局全部、中途半端でっ!」
武笠蘭「ちょっと、林檎。落ち着いて」
朝陽林檎「うるさい、うるさい! もう、全部やめる」
朝陽林檎「バイトも、お嫁さんも、全部。 ・・・愛天使も」
武笠蘭「林檎、ちょっと!」

〇結婚式場前の広場
朝陽林檎「もう、やめる! 全部、やめる!」
苗場桜「・・・林檎? ・・・あっ」
苗場桜「あいつ・・・」

〇可愛らしい部屋
朝陽林檎「う・・・うぅう・・・」
  その晩、林檎は再び悪夢に襲われた。
  林檎の体からは、わずかに黒いオーラが漏れている。
バビルン(この気配! 魔霊の・・・)

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コメント

  • 悪の勢に落ちた愛天使を見たい。

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