無自覚馬鹿はもっと馬鹿

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破滅(脚本)

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〇学校の屋上
甘姫いちこ「今日も屋上でぼっち飯虚しいなー」
ピヨピヨ「君が甘姫いちこピヨね!?」
甘姫いちこ「うわ空から鳥が落下してきた」
甘姫いちこ「何?あなたも私を笑いに来たの?」
ピヨピヨ「違うピヨ、お願いしに来たんだピヨ!」
甘姫いちこ「ピヨピヨうるさいな。ピヨピヨって名付けるよ」
ピヨピヨ「ボクの名前は“ピヨピヨ”ピヨ」
甘姫いちこ「あ、合ってた」
ピヨピヨ「君は選ばれし者だピヨ」
ピヨピヨ「魔法少女になって地球を滅ぼそうと迫る悪の組織と戦ってほしいピヨ!」
甘姫いちこ「えーなんで私が?」
甘姫いちこ「魔法少女になって得した人今まで見たことないから却下」
ピヨピヨ「損得じゃなく善意で動いてほしいピヨ!」
ピヨピヨ「君は世界の平和を救いたくないピヨ!?」
甘姫いちこ「うん別にいい」
甘姫いちこ「滅ぶ時は滅ぶ、所詮はその程度の星だったってことだよ」
ピヨピヨ「冷めてるピヨね・・・」
ピヨピヨ「ボクもわざわざ君みたいな子を魔法少女にしたくないピヨ」
ピヨピヨ「でも残念ながら魔力を持ってるのは君しかいないんピヨ・・・」
甘姫いちこ「ドンマイ」
甘姫いちこ「それぞれ残りの人生を楽しもう、じゃ」
ピヨピヨ「ちょ、待てピヨ!」
甘姫いちこ「私は赤信号の時以外止まらないよ」
ピヨピヨ「魔法少女になってくれたら一億円あげるピヨ!!」
甘姫いちこ「なるよ私、魔法少女に」
ピヨピヨ(ちょっろいピヨ・・・)
甘姫いちこ「何すればいい?何でもやるよ」
ピヨピヨ(金で変わる人って恐ろしいピヨ・・・)
ピヨピヨ「明日悪の組織ダークスネークが攻めてくるはずだから」
ピヨピヨ「早朝4時から空を見張ってるピヨ」
甘姫いちこ「4時は流石に無理だな」
ピヨピヨ「しっかりするピヨ!!睡眠と金どっちが大事ピヨ!?」
甘姫いちこ「金金、金に決まってるよ」
甘姫いちこ「そっか、早起きは三文の徳とはこのことだったんだね」
甘姫いちこ「いつも昼起きで学校遅刻してるけど」
甘姫いちこ「明日初めて努力というものをしてみようと思うよ」
ピヨピヨ(不安しかないピヨ・・・)

〇荒廃した市街地
  〜次の日の昼〜
フレイズ「アハハッ人間って雑魚ねぇ!」
フレイズ「これで地球は私達のものよ♡」
ピヨピヨ「グゥッ・・・ものの3分で街が全壊してしまったピヨ・・・」
ピヨピヨ「予想通りあのガキ全然来なかったピヨ・・・ふざけんなピヨ・・・」
甘姫いちこ「早く一億円ちょうだい・・・Zzz・・・」
ピヨピヨ「寝ぼけながら今更来てんじゃねーピヨ!!」
ピヨピヨ「テメーに渡す金なんぞ一銭も無いピヨ!!」
甘姫いちこ「は?今何か言った?」
ピヨピヨ「アッ、な、何でもないピヨ〜」
甘姫いちこ「じゃ満を持して変身するか〜」
甘姫いちこ「ラブベリー🍓チェンジ!」
甘姫いちこ「甘い人生送りたい、魔法少女ラブベリー参上!」
ピヨピヨ「おおっ輝かしいピヨ!」
ピヨピヨ「もしかしたら逆転できるかもしれないピヨ!」
フレイズ「あら、何あの格好・・・」
ピヨピヨ「さぁラブベリー、あの幹部の女を殺るピヨ!」
フレイズ「めちゃくちゃ可愛いじゃない〜!!」
甘姫いちこ「どうもどうも」
ピヨピヨ「え?」
フレイズ「人間界にはこんなに可愛い子がいるのね!」
フレイズ「この子の人生を辛くしちゃ可哀想だわ」
フレイズ「決めた、私組織を抜けてあなたの手下になる!」
甘姫いちこ「どうぞどうぞ」
ピヨピヨ「え、何これ?」
ピヨピヨ「地球ってこんなに簡単に救えるものなの?」
ピヨピヨ「あ、困惑しすぎて語尾が消えちゃったよ」
ピヨピヨ「ボクの唯一の取り柄だったのに」
甘姫いちこ「ぐえーっ熱い」
ピヨピヨ「うわっ別のところから攻撃が来た!?」
フレイズ「ああっラブベリーちゃん大丈夫!?」
ピヨピヨ「完全に味方面してるよこの人」
ガーネット「フハハッざまあみろ!ガキは大人しく這いつくばってるがいい!」
ルビー「キャハハッ無様〜☆お兄様に逆らうからこうなるのよ!」
ルビー「さぁお兄様、とどめにアースインパクトを放ちましょ♡」
ガーネット「あぁ妹よ、俺の華々しい活躍をしかと目に焼き付けておけ!」
フレイズ「あ な た た ち・・・」
フレイズ「ラブベリーちゃんを傷付けるなんて許さないわ!!」
フレイズ「一旦地平線の彼方まで吹き飛びなさい!!」
フレイズ「くらえ、インフィニティファイヤー!!」
ガーネット「ギャーッなんでえぇ!!」
ルビー「この裏切り者がーッ!!」
フレイズ「ふぅ、これで邪魔者はいなくなったわ」
ピヨピヨ「えぇ・・・いいのかこれで・・・」
甘姫いちこ「おぉーあなた強いね、名前は?」
フレイズ「フ、フレイズよ。人呼んで熱情の女よ」
甘姫いちこ「助けてくれてありがとう、フレイズさん」
フレイズ「はわあぁぁ!?」
  ズッキューン
フレイズ「こちらこそ出会ってくれて大感謝よ!!」
フレイズ「これから私と熱い愛を育みましょう!!」
甘姫いちこ「それはちょっと暑苦しすぎ」
フレイズ「遠慮しなくていいのよ、ほらほら〜♡」
甘姫いちこ「1m以上近付かないで、密です」
甘姫いちこ「密ですって一年ぶりに言ったな」
ピヨピヨ「ちょ、愛とか育む前に街を直してもらって!」
フレイズ「あぁそうだったわね、うっかり忘れてたわ」
ピヨピヨ「周り見えなくなりすぎだろ」
フレイズ「街よ元に戻れ、ヒーリングシャワー!」

〇公園通り
甘姫いちこ「おぉー本当に凄い」
フレイズ「フフッ当然よ!私は宇宙でも一、二を争う能力者だもの!」
ピヨピヨ「そんな人がなぜこんな小娘に骨抜き状態に・・・」
甘姫いちこ「ん?ピヨピヨ焼き鳥にされたい?」
フレイズ「あ?何この家畜、丸焦げにするわよ」
ピヨピヨ「やっ、そ、空は今日も美しいな〜!」
フレイズ「さぁて、街も綺麗になったことだし」
フレイズ「今日から私ここで暮らすことにするわ!」
ピヨピヨ「え、さっさと宇宙に帰ってもらって・・・」
フレイズ「それが帰れないのよ」
フレイズ「本当はラブベリーちゃんと宇宙を回って」
フレイズ「私が滅ぼしてきた星の数々を見て楽しみたかったんだけどね」
フレイズ「ワープを使うには、さっき吹き飛ばした仲間たちと」
フレイズ「三人で輪になって力を合わせないと駄目なの・・・」
甘姫いちこ「じゃあ再会できない限り誰も帰れないってこと?」
フレイズ「えぇ、私はどっちにしろ帰りたくないからいいけど」
フレイズ「あの二人は見知らぬ地を彷徨い続けるでしょうねw」
ピヨピヨ(何が可笑しい、可哀想すぎだろ)
フレイズ「まぁあのベッタリ義理兄弟なら大丈夫でしょう」
フレイズ「どこでも二人でイチャついてるはずよ」
ピヨピヨ(義理か、それはもうやってんな)
甘姫いちこ「義理か、それはもうやってるね」
ピヨピヨ(!?心の声漏れたかと思った)
フレイズ「ねぇラブベリーちゃん、だから私たちも一緒に・・・♡」
ピヨピヨ「え!?それは駄目だよ」
フレイズ「家畜の分際で邪魔しないで」
ピヨピヨ「ギャー美味しくなっちゃうーッ!!」
甘姫いちこ「良いんじゃない、好きに暮らせば」
甘姫いちこ「それで地球の良さを分かってもらえれば万事解決」
甘姫いちこ「私も一億円GET、人生大勝利」
フレイズ「わあっ嬉しいわ♡不束者だけどどうぞよろしくね♡」
甘姫いちこ「ただ一緒に暮らすのはちょっと」
甘姫いちこ「虚しいとか言いつつ私ぼっち派だし・・・」
フレイズ「よろしくね♡(圧)」
甘姫いちこ「まるで聞く耳を持たない」
  つづく

次のエピソード:後悔

コメント

  • 困惑しすぎて唯一の取り柄の語尾が消えるピヨピヨがいい味出してます(あ、味ってそっちじゃなく)。でも、どこから派遣された鳥なんだろう。いちこに一億円渡さなければ容赦無く丸焼きにされそうですね。

  • すべての展開が想定外で圧倒されてしまいました! ピヨピヨがとても人間くさいところが、すごくツボでした。戦わなくても相手を術中に収めるほどの可愛さ、私もほしいです!

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