〇電脳空間
風田（フウダ）探偵「親愛なる我が読者よ！ キミにこの謎が解けるかな！ ？」

〇本屋
風田（フウダ）探偵「事件の舞台は書店の売り場フロア」
風田（フウダ）探偵「犯行時刻は閉店後の午後11時」
風田（フウダ）探偵「被害者はこの店の店長だ」

〇殺人現場
「被害者は鋭利な刃物で頸動脈を切られ 血しぶきは天井にまで届いていた」

〇大きいデパート
「書店の防犯カメラは 電源が切られていたが」
「近隣の店の防犯カメラの映像により」
「犯行時刻前後に外部の人間の 出入りがなかったことが判明している」

〇本屋
風田（フウダ）探偵「事件当時、店内にいたのは」
風田（フウダ）探偵「被害者である店長のほかは 三人の店員だけだった」
風田（フウダ）探偵「この三人が容疑者だ」
風田（フウダ）探偵「三人のうちの誰が犯人か 推理してくれたまえ、我が読者よ」
風田（フウダ）探偵「手がかり①」
風田（フウダ）探偵「三人の店員は 店のイベントのために仮装をしていた」
風田（フウダ）探偵「店員Ａは鬼」
風田（フウダ）探偵「店員Ｂは悪魔」
風田（フウダ）探偵「店員Ｃはガイコツ」
風田（フウダ）探偵「手がかり②」
風田（フウダ）探偵「被害者は本棚が向かい合う通路で」
風田（フウダ）探偵「背後の本棚にもたれるようにして絶命」
風田（フウダ）探偵「遺体の視線の先 遺体の向かいの本棚から」
風田（フウダ）探偵「すべての本が抜き取られ 血溜まりの中に散らばっていた」
風田（フウダ）探偵「犯人は三人の店員の中にいる」
風田（フウダ）探偵「店長を殺害したのは Ａ、Ｂ、Ｃのうちの、はたして誰か？」
風田（フウダ）探偵「現場の状況から犯人を特定せよ！」
風田（フウダ）探偵「さあ、我が読者よ シンキングタイムだ！」
風田（フウダ）探偵「正解発表の時間だ」
風田（フウダ）探偵「犯人の名前を明かす前に」
風田（フウダ）探偵「まずはいかにすれば 犯人を特定できるかを話そう」

〇殺人現場
「事件現場は書店の売り場フロア」
「被害者の遺体と、床の血溜まり」
「血溜まりの上には」
「被害者の向かいの本棚から 抜き出された本が散らばっている」

〇本屋
風田（フウダ）探偵「これらの本を もとの位置に戻してみよう」
風田（フウダ）探偵「なぁに、作家名を 五十音順に並べて棚に納めるだけだ」
風田（フウダ）探偵「ああ、ベッタリと血が付着している」
風田（フウダ）探偵「だが汚れているのは 下になった面だけで」
風田（フウダ）探偵「反対の面と背表紙はキレイだ」
風田（フウダ）探偵「・・・ふぅ。さすがに少し疲れたな」
風田（フウダ）探偵「しかしこれで犯人が」
風田（フウダ）探偵「本を本棚から落とした理由が 『見える』だろう」
風田（フウダ）探偵「血しぶきが不自然に 途切れているのがわかるかい？」
風田（フウダ）探偵「被害者が血しぶきを上げたとき」
風田（フウダ）探偵「犯人はこの本棚の前に立っていたんだ」
風田（フウダ）探偵「だから犯人の形の分だけ 本棚に血が『かからなかった』」
風田（フウダ）探偵「ここで犯人の『形』に注目だ」
風田（フウダ）探偵「犯人が人の形をしていたなら わざわざ隠す必要はない」
風田（フウダ）探偵「犯人が人間だってわかるだけだからね」
風田（フウダ）探偵「だけど、ほら・・・」
風田（フウダ）探偵「血しぶきの抜け落ちが 横に張り出している」
風田（フウダ）探偵「これは・・・」
風田（フウダ）探偵「『悪魔の翼』の形だ」
風田（フウダ）探偵「すなわち」
風田（フウダ）探偵「犯人は『悪魔の仮装』をしていた 店員Ｂだ！」