カフェ「五芒星」のあやかし録

緋霜 桜香

カフェ「五芒星」(脚本)

カフェ「五芒星」のあやかし録

緋霜 桜香

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〇学校脇の道
巴 朱織「また、いる・・・」
安倍 千明「・・・」

〇女の子の一人部屋
  朱織の部屋
巴 朱織(また、友達出来なかったな・・・・ 『あれ』が見えるせいで普通の生活ができない)
巴 朱織「『あれ』が視えなくなるようになりたい・・・」

〇学校脇の道
  次の日の帰り道
巴 朱織「やっぱりまだ視えてるか・・・」
安倍 千明「おい」
巴 朱織「!?」
安倍 千明「巴 朱織(ともえ あかり)だな」
巴 朱織「え・・・っと・・・? あなたは一体・・・」
安倍 千明「俺は安倍 千明(あべ ちあき) お前と同じ橘高校の一年だ」
安倍 千明「お前、視えてるな?」
巴 朱織「なんのこと・・・?」
安倍 千明「はぐらかさなくていい お前そこにいる『あやかし』が視えてるだろ」
巴 朱織「『あやかし』?」
安倍 千明「そうだ よくみかけるだろ?」
安倍 千明「” 普通の人には視えない何か”が。 それを俺たちは『あやかし』って呼んでるんだ」
巴 朱織「・・・」
巴 朱織「そういうってことは、あなたにも見えてるんだよね? その・・・」
巴 朱織「『あやかし』が」
安倍 千明「ああ。 俺の先祖が安倍晴明でな、小さい頃からずっと視えてる」
巴 朱織「安倍晴明・・・」
安倍 千明「名前くらいは聞いたことあるだろ? 平安時代に活躍した陰陽師だよ」
巴 朱織「・・・本当に視えてるんだね」
安倍 千明「ああ 両の目ではっきりと」
巴 朱織「それで、どうして私に話しかけたの? 視えてる人にはみんなに話しかけてるの?」
安倍 千明「いいや 視える人は少ない上に視えたとして範囲も限られるからな 普段は話しかけない・・・が」
安倍 千明「お前は別だ」
巴 朱織「どうして・・・?」
安倍 千明「お前、はっきり視える上にあやかしに触れられるだろ」
安倍 千明「しばらく前からお前のことを張ってたが、いつもあやかしがお前の方に手を伸ばして引き寄せられていた」
安倍 千明「小さいあやかしだったが、お前の肩に乗ったりしていたしな」
巴 朱織「確かに、あやかしに腕を掴まれたりしたことが何度もあった・・・」
安倍 千明「そういう人は珍しいんだよ あやかしにしっかりと関わることができる人間なんてそうそういない」
巴 朱織「つまり、危険だから忠告ってこと?」
安倍 千明「それもあるが、お前には頼み事をしたくて」
巴 朱織「頼み事?」

〇学校脇の道
巴 朱織「頼み事?」
安倍 千明「ああ お前にぜひカフェ『五芒星』のバイトをしてもらいたい」
巴 朱織「カフェのバイト・・・? それと、あやかしが見えることになんの関係が?」
安倍 千明「うちのカフェは、表向きにはただの和カフェだがあやかしの相談を聞き、依頼をこなすあやかし相談所でもあるんだ」
巴 朱織「あやかし・・・相談所」
安倍 千明「俺の兄貴とその幼馴染との4人で今まで運営をしてたんだが、あやかしの動きが最近活発化していてな」
安倍 千明「人手が足りない状態なんだ その仕事ができるのは、あやかしと深く関われる人間じゃなきゃならないからお前に手伝って欲しい」
安倍 千明「うちでバイトしてくれないか?」
巴 朱織「でも、私はただ視えたりするだけで知識とかはないし・・・」
安倍 千明「知識なら兄貴が大量に身につけているから教えてもらって段々、覚えていけばいい」
巴 朱織「でも、私、まともに人と関わったこともないのにバイトの役に立つのかな? ましてや、あやかしとなんて・・・」
安倍 千明「なら今から行って見学してみたらいい。 兄貴には連絡しておく」
巴 朱織「えっ!今から!?」
安倍 千明「見に行くなら早い方がいいだろ?」
巴 朱織「いくらなんでも急すぎるよ!」
安倍 千明「まあ、善は急げってやつだ ついてきてくれ」
巴 朱織「あっ!」
巴 朱織「ちょっと待って!」

〇廃倉庫
安倍 千明「ついたぞ。 ここが兄貴たちがやってるカフェ「五芒星」だ」
巴 朱織「すごくおしゃれ・・・」
安倍 千明「だろ? さぁ、中入ってみろよ」
巴 朱織「う、うん・・・」

〇古民家の居間
  カフェ
安倍 晴彦「すみません。今日の営業はもう終了してしまって」
安倍 晴彦「おや?千明、おかえりなさい」
安倍 千明「おう、兄貴。ただいま」
坂口 龍弥「!! おいおい千明。その子はだれだよー? もしかして・・・カノジョ?」
安倍 千明「なっ!ちげーよ! ほら、カフェのバイトがって言ってただろ?だから、見学に連れてきたんだよ てか、連絡しただろうが!」
巴 朱織「あの!こんにちは。 巴 朱織です 今日は、その、バイト・・・の見学をしに来ました」
坂口 龍弥「朱織ちゃんか!かわいい名前だなー! 俺は坂口 龍弥(さかぐち りゅうや)! よろしくな」
安倍 晴彦「安倍 晴彦(あべ はるひこ)です。 わざわざ見学に来てくださってありがとうございます」
一ノ瀬 斗亜「一ノ瀬 斗亜(いちのせ とあ)だよ〜! よろしくね♪朱織ちゃん!」
安倍 晴彦「わざわざ来ていただき申し訳ないのですが、今日はもう終わってしまって」
巴 朱織「あ、そうなんですね」
安倍 晴彦「あやかし相談所の仕事の方も見学に来たのですよね? それは、これからなのでそれだけでも見学して行きますか?」
巴 朱織「はい! お願いします 一人暮らしなので、門限もありませんし」
安倍 晴彦「わかりました。では、準備しますからここに座っていてください」

次のエピソード:あやかし相談所

コメント

  • 私はあやかしなんて絶対見えないタイプだけど、この主人公の女性がこれから体験するバイトにとても興味が湧きました!きっと、つぎつぎ出てきたイケメン達の爽やかさのせいでしょうね(笑)!

  • イケメン揃いのカフェ、しかも和装!たまらないですね~(←ソコ!?)高校生と大学生が「あやかし」に対処、惹かれる設定にドキドキです!

  • 安倍晴明の末裔のカフェだからもっと厳粛な感じかと思ったらバイトのメンズが軽い感じで面白そう。「妖怪」や「物の怪」ではなくあえて「あやかし」という言葉を使っているのは何か理由があるのでしょうか。早く相談内容やカフェでの仕事ぶりが見てみたいです。

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