ぶらうんず・でびぃる(脚本)
〇地下鉄のホーム
や、やばい!
ト、トイレ・・・
も、漏れるぅ!
誰もが己の体内に宿しておる闇の別人格
brown's devil (茶色い悪魔)
宿主に気づかれぬよう、ひっそりと魔力を溜め
唐突に地獄門を突き破って外界に現れんとする
その厄災に見舞われた時、我々、無力な人間にできる唯一の事といえば
神様!仏様!お願いです、トイレまで持ちこたえさせてください!
そう、神頼み
南無阿弥、南無妙・・・アーメン、ラーメン、助けてぇ!
ナムたん「ヤッホー、呼んだ?」
まるこ「うおお!出たぁ!」
いや、出てない、セーフ!
これは、違う意味の「出た」だからねっ
ナムたん「ナムたんです」
まるこ「ハァ?」
ナムたん「「南無」たんです!君が僕を呼んだんでしょ!」
あ、そういう事ね
まるこ「お願いナムたん、受験に行く途中なの!ここで漏らしたら、私の人生終わっちゃう」
ナムたん「OK、安心して」
ナムたん「じゃあ早速、君を助けるね」
ナムたん「いくよ~?」
ナムたん「お助け魔法!」
ナムたん「腹パーンチ!」
シンプルに暴力!
まるこ「D・V!」
あ──
出た、今度はマジで!
まるこ「──あれ?」
まるこ「スッキリしてる」
ゲーリー・ベン「ガッディーム!」
ゲーリー・ベン「何だ?予定にないぞ、こんなに早く外に出るのは」
ゲーリー・ベン「もっと苦しめてやる筈だったのに」
ナムたん「ねーねー、ウ●コ君」
ゲーリー・ベン「おい」
ゲーリー・ベン「誰がウ●コやねん」
ゲーリー・ベン「我が名はゲーリー・ベン、人間の体調を司る妖精である」
ゲーリー・ベン「こやつは受験勉強と称して、参考書を丸ごと食べよるとんでもないアホじゃ」
ゲーリー・ベン「ぽんぽん痛くなるのも当然の事じゃ」
ゲーリー・ベン「さあ、分かったなら早く我をこやつの体内に戻して仕事をさせい」
ナムたん「うーん」
ナムたん「OK、じゃあ、戻す」
まるこ「ちょいちょーい!待って!」
まるこ「私、ホントに食べたら暗記できるの!信じて、ナムたん」
まるこ「それに見てよ、あの人大きいよ?」
まるこ「あんなの私の体に戻したら、口からも出ちゃうよ?」
ナムたん「うーん、ティッシュ沢山いるね」
ゲーリー・ベン「おい」
ゲーリー・ベン「我をウ●コのテイで話をするな」
まるこ「とにかく嫌よ、戻さないでよ」
ゲーリー・ベン「戻して仕事をさせろ」
ナムたん「うーん」
ナムたん「OK、じゃあ、こうしよう」
ナムたん「お助け魔法!」
ナムたん「異世界転職!」
ゲーリー・ベン「オオオ!」
グッバイ、ゲーリー!
まるこ「やった!ありがとう、ナムたん」
ナムたん「これで皆の希望も叶えてオールハッピーだね」
まるこ「ところで、ゲーリーさんはどこ行ったの?」
ナムたん「異世界の、今まさに魔王を倒さんとする最終局面を迎えた、勇者の腹の中に転職させたよ」
ごめんなさいごめんなさい、異世界の人達ごめんなさい
まるこ「──って、あれ?」
まるこ「お腹がスッキリしたのと同時に、頭の中もスッキリして──」
まるこ「今まで暗記してきた事、全部忘れちゃったよ!」
まるこ「助けて、ナムたん!」
ナムたん「OK」
ナムたん「妖精召喚!」
え・・・?
ガーリー・ベン「我が名はガーリー・ベン、人間の勉学を司る妖精である」
嘘!嘘!絶対嘘ついてるこの人っ!
ガーリー・ベン「さあ、早く我をまるこの体内に入れよ」
ナムたん「OK」
まるこ「イヤアァァア!」
多くの人が直面したことある、あの極限状態の苦悩、それを見事なまでのストーリーへと昇華され、、、とにかく笑ってしまいました。ネーミングセンスの巧みさに感服ですw
ゲーリーとガーリーは同一人物…?
面白かったです!
ウ●コの精がマッチョとは知らなかった。どうりで手強いわけだ。でも「仕事させろ」ってうんこ、じゃなくて連呼してるから基本は真面目な方なんですね。ゲーリー・ベンとガーリー・ベンのネーミングセンスには脱帽です。