第4話 思春期なんだしっ(脚本)
〇学校の廊下
私立幸歩世高校
女子高生「でさー、アウスタで話題になっててー」
安倍野平平「君!」
女子高生「な、なに?」
安倍野平平「妖難の相が出ている! この護符を貼って守るんだ!」
女子高生「何こいつ・・・」
安倍野平平「俺は由緒正しき陰陽師、安倍野平平(あべのぺいぺい)だ!」
安倍野平平「さあ早く護符を・・・」
女子高生「誰か助けてー!」
安倍野平平「!?」
安倍野平平「まさかもうこの学校にあやかしが!?」
安倍野平平「・・・何もいないじゃないか」
安倍野平平(しかし彼女もこれであやかしの危険性を理解してくれたことだろう)
安倍野平平(こうした草の根活動が陰陽師の鍛錬に繋がるのだ)
日下部みもみ「ふんふーん、皆おっはよー!」
安倍野平平「あれは、日下部!」
安倍野平平「なぜか俺を遠巻きにする皆と違い、分け隔てなく接してくれる数少ない女神のような存在・・・」
安倍野平平「こうしてはいられん、彼女にも注意喚起せねば!」
安倍野平平「日下部、この護符──」
狂骨「なんで我も学校とやらに・・・?」
安倍野平平「!?」
日下部みもみ「皆に見せたげよーかなーって! きっとうらやましがるよ!」
狂骨「お主の友だち、首狩り族か何かなの?」
安倍野平平「く、日下部お前、何を連れている!?」
日下部みもみ「安倍野っちじゃん。おはよー」
安倍野平平(あいさつしてくれた・・・マジ女神)
安倍野平平「って違う!」
安倍野平平「俺は騙されんぞ!」
狂骨「ぬ?」
安倍野平平「その斧から溢れる妖気、尋常ではない・・・貴様、あやかしだな!」
狂骨「な、なにっ!?」
狂骨「うう・・・4話目にして初めてまともに恐れられてる我・・・」
日下部みもみ「よかったねきょーちゃん! よっ、大あやかし!」
安倍野平平(なんだこいつら・・・)
狂骨「コホン」
狂骨「お主、安倍野と聞いてまさかと思うたが・・・陰陽師か」
安倍野平平「いかにも、俺は安倍野家十七代目頭首、安倍野平平だ!」
狂骨「くく、ちょうどいい! この若造でも食らってやれば多少妖力の足しになろう」
狂骨「さあ小娘、この小僧を屠れ!」
日下部みもみ「人殺しさせるとかドン引きなんですけど・・・」
狂骨「そこで急に冷静になる?」
安倍野平平「ああ、やっぱり日下部は優しい・・・俺の女神だ・・・」
安倍野平平「あの時も・・・」
〇教室
先生「じゃあ次の自己紹介、安倍野」
安倍野平平「俺は安倍野平平。京の都に千年続く陰陽師の末裔だ!」
安倍野平平「みんな安心してくれ! この街の怪異は俺が祓う!!」
生徒たち「うわあ・・・」
生徒「高校デビューで中二病って・・・」
生徒「ウケ狙いにしてもちょっとな・・・」
安倍野平平(あ、あれ・・・何この反応)
日下部みもみ「あはは、マジウケる安倍野っち!」
安倍野平平「!!」
日下部みもみ「一発目の掴み最高っしょ~!」
〇学校の廊下
安倍野平平「皆には「遅れてきた中二病」と揶揄されたが──」
安倍野平平「日下部だけは俺を受け入れてくれた」
狂骨「いや、多分本当に面白かっただけだと思うぞ」
安倍野平平「ええい黙れあやかし!」
安倍野平平「キサマが日下部の優しさに付け込んで洗脳したことはわかっている!」
狂骨「若い時の盲目さってすげえな」
安倍野平平「俺と決闘をしろ!」
狂骨「何?」
安倍野平平「俺が勝ったら日下部のことを解放するんだ」
安倍野平平「それでいいな、日下部!」
日下部みもみ「あは、なんか面白そう! いいよー」
我は最近わかり始めてきた。
こいつ、基本ノリでしか生きてねえ・・・
〇河川敷
放課後
日下部みもみ「ルールは簡単!」
日下部みもみ「安倍野っちの攻撃にきょーちゃんが耐えられたらきょーちゃんの勝ち!」
日下部みもみ「耐えられなかったら安倍野っちの勝ち!」
安倍野平平「いいだろう」
狂骨「よくないわ!」
狂骨「あまりに我が不利すぎるだろう!?」
日下部みもみ「だって、昔の陰陽師だってきょーちゃんのことを倒せないから、仕方なく斧に封印したんでしょ」
日下部みもみ「じゃあ攻撃にくらい耐えなきゃ」
狂骨「急にド正論言うじゃん・・・」
狂骨「ええい、もうよい! 来い陰陽師!」
狂骨「貴様の攻撃などすべてはじき返して・・・!」
安倍野平平「轟音響キテ光ヲ成シ──」
〇河川敷
狂骨「・・・あ、あれ?」
狂骨「なんかあやつ、雰囲気違くない?」
日下部みもみ「あー、安倍野っちガッコーではアレだけど、陰陽師の跡取りなのはマジだから」
安倍野平平「霹靂来タリテ闇ヲ祓フ!!」
日下部みもみ「なんかバリつよらしいよー」
安倍野平平「雷電魔槍、急急如律令!!」
狂骨「ぎにゃああーー!!??」
日下部みもみ「さあ、果敢に攻める安倍野っち!」
日下部みもみ「一方のきょーちゃんは・・・?」
安倍野平平「爆炎聖拳、急急如律令!!」
狂骨「あっち、あっち、死ぬうううう!!」
日下部みもみ「こちらも気合十分、涼しい表情です!」
狂骨「どこ見て実況してるの!?」
安倍野平平「氷結残斬、急急如律令!!」
狂骨「ちょ、ホント待って・・・ぐああ!!」
日下部みもみ「いーよーいーよー、良い画が撮れてるよー!!」
その後も、安倍野平平による一方的な陰陽ジェノサイドは続き──
〇河川敷
2時間後
安倍野平平「はあ、はあ」
安倍野平平「なんて奴だ、俺の攻撃に耐えきるとは・・・」
日下部みもみ「うーん、確かに安倍野っちはきょーちゃんを倒せなかったけど」
狂骨「・・・ガクッ」
日下部みもみ「きょーちゃんはきょーちゃんで満身創痍だし」
日下部みもみ「これは引き分けかな?」
日下部みもみ「じゃあ仲直りの握手でも」
「断る!」
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遅れてきた中二病ww😂 そして真剣勝負がよく考えると勝たない方がいいとか、味わい深い一話でした😂
牛鬼さん、よく見知ったイケオジが妖になってて特別感が最高!✨裏山C~ですわ!🤤
今回も面白かったんだしっ!!✨☺️
笑わせていただきました✨この作品を読むと明るい気持ちにさせてもらえますね✨😊
あべのぺいぺいって名前にまずウケましたよね。最先端を取り入れてる・・・P○yP○y!!
次回も新キャラ楽しみです✨😆