⸝✩.*˚(脚本)
〇海岸線の道路
初めて真琴くんのバイクの後ろに乗ったのは
まだ高校生の時だったな。
ねぇ、あなたはあの時のこと、覚えてる?
いつまでも
『真琴くんのバイクの後ろ』に
乗りたい女
真琴(まこと)「その服装、寒くない?」
真琴(まこと)「大丈夫?」
菜都美(なつみ)「うん。風もないし暖かいから大丈夫!」
真琴(まこと)「良かった!」
真琴(まこと)「バイク運転中、ずっと心配してた」
菜都美(なつみ)(真琴くん、優しいな)
菜都美(なつみ)「大好き!」
真琴(まこと)「改めて言われると照れるじゃん!」
真琴(まこと)「俺の方が、なっちゃんのこと好きだから」
あの時から、色々ありすぎたけれど
今もこうして
あなたが運転するバイクの後ろに
わたしは乗ることが出来ていて
とても幸せです。
菜都美「真琴くんの髪、白髪増えてきたね」
菜都美「帰ったらまた髪染めしてあげようか?」
真琴「うん、お願い」
真琴「それよりも、寒くない?大丈夫?」
菜都美「大丈夫だよ!」
菜都美「走った時の向かい風が気持ちよくて、ちょうどいい感じ」
真琴「良かった!」
菜都美「いつもそういうの気にしてくれて優しいね、好きです」
真琴「俺もなっちゃん大好きです」
真琴「ってか、初めてなっちゃんがバイク乗った時もこんな会話した気がする」
菜都美「覚えてたんだ・・・」
真琴「多分、なっちゃんとの出来事、ほとんど覚えてる」
歳を重ね、あなたの姿は変わったけれど
優しさはずっと変わらない。
初めてあなたのバイクの後ろに乗ってから
今日で50年が経ちました。
乗り心地が良すぎるのも変わりません。
あともう少しだけ、乗ることができるかな?
リアルでバイクに乗ることが出来なくなったら
一緒に乗ってる妄想でもしませんか?
心にじんわりと響いて切なくなりますね。
短い話なのに、なぜか人生を感じました。
美しい良い話ですね。
この短さで人生を切り取れるような、書き手になりたいものです!!
50年間のワンシーン、背景が変わらないことで2人の関係性も変わらず続いたのだろうと想像していまいました。この短編にありったけ詰め込まれた優しさ、読んでいて心にじんわりときます。
そして、指輪の後の菜都美さんのカットが、ちょうど左手甲を見せる姿で、描かれていない指輪がまるで見えるようでした
優しいほっこりストーリーに癒やされました。
いつまでも安全運転で、と終わるのかと思いきや、その先まで考えてることに二人の永遠の愛を感じました😊
二人の仲睦まじい様子、歳を重ねてもいじらしい感じも可愛かったです!