〇個別オフィス
　　ある日の
　　満津戸リサーチセンター
　　53調査チームの朝
医師「ああ 面倒くさいねえ まあ、仕事なんだけど」
上司さん「では私は先行しますので これで」
医師「あいあいー」
部下ちゃん「おはようございます 医師（らしき人）さん」
医師「ああ おはよ もう一人は？」
守信寺さん「おはようございます あら、上司さんは？」
医師「野暮用さ 君たちには私が代理で 業務命令をくだすよ」
部下ちゃん「了解っす！」
医師「んじゃ実験室まで移動な」

〇地下実験室
医師「ここにあるものを 二人に運んでもらうよ おっと、その前に」
　　医師（らしき人）は
　　二人の鼻の穴に綿棒を差し込んだのだ
守信寺さん「痛い！」
部下ちゃん「あぎゃ」
　　医者（らしき人）は
　　二人の鼻の穴に入れた綿棒を
　　何かの溶液にひたしました
医師「ＯＫ 問題ない」
部下ちゃん「はにゃ（鼻）があ」
守信寺さん「痛いです」
医師「悪いねえ 外から妙なウィルスとかを 持ち込ませないためだよ」
医師「んで前に置いてある瓶 こいつをウチと同じグループの」
医師「押田原リサーチセンターに 運んでほしいのよ」
守信寺さん「それでしたら 配送課にお願いすれば いいのでは？」
医師「色々あって元配送課の上司さんとこ に回ってきたんだわ やれやれだねえ」
部下ちゃん「とりあえず 押田原までいって 銘菓「押田原うさぎ」を買えばOＫ」
医師「まあそんな感じなあ あ、これドライアイスと箱詰めして ６時間しか持たないから よろしこ」
部下ちゃん「楽勝っすね」
医師「今、ジャスト ９：00 15：00タイムアップ スタート」
守信寺さん「・・・（なんだか嫌な予感がする）」
　　こうして部下ちゃんと守信寺さんは
　　一路、押田原リサーチセンターへ
　　向かうことになったのです

〇広い改札
部下ちゃん「なーんだ電車で移動かあ 部下ちゃん電車苦手ーす」
守信寺さん「ここで乗り換えですね ちょっと歩くみたい」
部下ちゃん「にゃはは 乗り換えたら一本で押田原っす 楽勝楽勝」
　　雑踏に紛れ怪しげな男が
　　守信寺さんの背後に
　　近寄ってきます
守信寺さん「え？」
部下ちゃん「守信寺ちゃん！」
???「これか！」
部下ちゃん「ドロボーー！」
???「邪魔だ」
???「何！」
　　男は刃を振り下ろすことが
　　出来ませんでした
屍鬼「させません！」
　　屍鬼の力を解放した
　　守信寺さんが
　　とっさに男の刃を止めたのです
屍鬼「ハーーーーッ！」
???「うぅぅぅ」
???「チッ！ ひとまず退散だ」
部下ちゃん「部下ちゃん もうダメ 美人薄命なり」
屍鬼「部下ちゃん しっかりして」
部下ちゃん「ありゃ何ともない 守信寺ちゃん 助けてくれたの？」
屍鬼「話は後で ともかくここを離れたほうが良いです」
　　突然の刃傷沙汰に
　　屍鬼まで現れて駅は混乱状態に
　　なっていました
屍鬼「とはいえこの姿では・・・」
部下ちゃん「任せなさい」
部下ちゃん「オッケー レッツゴー」
着ぐるみ「部下ちゃん これはいったい？」
部下ちゃん「着ぐるみ」
着ぐるみ「・・・（返事になっていません）」
　　二人は駅の構内から
　　外に出ることにしました

〇渋谷駅前
部下ちゃん「あれだ！」
部下ちゃん「守信寺さん 乗って！」
着ぐるみ「凄い車ですね 高いんでしょう？」
部下ちゃん「さあ？」
着ぐるみ「え？」
部下ちゃん「落ちていたから 拾っただけ」
着ぐるみ「ええ（今のは聞かなかったことにしよう）」

〇車内
部下ちゃん「えー動かないんですけど」
着ぐるみ「ものすごく言いづらいけど 部下ちゃん 免許もってる？」
部下ちゃん「転居？」
　　どうやら
　　部下ちゃんは自動車免許を
　　もっていないようです
着ぐるみ「・・・（このままじゃダメ でも着ぐるみで身動きができない）」
着ぐるみ「部下ちゃん、そのスタートボタンを 押して」
部下ちゃん「ＯＫキット」
着ぐるみ「運転の仕方は かくかくしかじか 分かった？」
部下ちゃん「ええっと お茶碗のほうが左 お箸の方が右 で右足で踏むと進む」
着ぐるみ「やればできるじゃない （褒めて伸ばそう）」
　　果たして二人は押田原まで
　　たどり着けるのでしょうか？

〇開けた高速道路
　　二人を乗せた自動車は
　　高速道路を走り続けます
　　押田原へ向かって
　　前編　了