ヒーラー≠ヒーラー

イヌドングリ

このヒーラーは、Healerじゃない!(脚本)

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〇山の中
カレン・ケアリー「・・・ねえ、カカット」
カレン・ケアリー「ほんとに、大丈夫なの?」
カカット・キャトルス「どうしたの、カレン?」
カレン・ケアリー「いや、その・・・わたしたちって2人とも・・・」
カレン・ケアリー「その、パーティバランスっていうか・・・」
カカット・キャトルス「大丈夫だよ!」
カカット・キャトルス「だからパーティ組んだのよ?」
カカット・キャトルス「ちゃんとサポート、お願いします」
カレン・ケアリー(ああ・・・さっきからこの調子・・・)
カレン・ケアリー(初めてのパーティ、勢いに負けて組んだけど)
カレン・ケアリー(ヒーラー2人だけのパーティって・・・絶対、弱いよね?)
カカット・キャトルス「あ! 魔物がいたよ!」
カレン・ケアリー「・・・どうする?」
カレン・ケアリー「前衛、呼ぶ?」
カカット・キャトルス「そうだね──」
カカット・キャトルス「牧場展開!」
「ンモォォォオオオ」
魔牛ジューベイ「ンモォォォォオオオオオ」
カレン・ケアリー「はぁ!?」
カレン・ケアリー「なに、この、えっ!?」
カカット・キャトルス「私たちの仲間、魔牛一族よ」
カレン・ケアリー「魔牛? え、魔物?」
カカット・キャトルス「元々はね」
カカット・キャトルス「まあ、見てて」
カカット・キャトルス「ヒール《Heel》!」
魔牛ジューベイ「ンモォォォォオオオオオ!」
  説明しよう!
  ヒール《Heel》とは、踵に噛まれた感覚を与え、気性の荒い魔牛などの行動を制御する魔法である。
  そして、カカットの職業ヒーラー《Heeler》とは、このヒールを操る者のことなのである!
  ちなみに、リアルのヒーラー《Heeler》は、犬の1グループであり、ウェルシュ・コーギーの二種などが有名である。
「ンモォォォオオオ!」
カレン・ケアリー「倒した・・・って、今のなに!?」
カカット・キャトルス「もう、何度も言わせないでよ」
カカット・キャトルス「魔牛一族よ」
カカット・キャトルス「ほら、ジューベイ、今日から私の仲間になったカレンさんよ、よろしくは?」
魔牛ジューベイ「ンモ」
カレン・ケアリー「えっと、ジューベイ、だっけ? ・・・よろしく」
魔牛ジューベイ「モッ」
カカット・キャトルス「もう! 怖がらなくて大丈夫よ」
カカット・キャトルス「ジューベイがそっぽ向いちゃったじゃない」
カレン・ケアリー(えぇ・・・いや、そんなの無理でしょ!)
カレン・ケアリー(今日だけ組んで、明日は別の人にしようかな・・・)
カレン・ケアリー「あっ、次はあの魔物なんてどう?」
カカット・キャトルス「いいわね」
カカット・キャトルス「ヒール《Heel》!」
魔牛ジューベイ「ンモォォォォオオオオオ!」
「ンモォォォオオオ!」
カレン・ケアリー「あとは、ダメージをみつつ――?」
カレン・ケアリー「うわっ、こっちからも魔物が!」
カレン・ケアリー(怖い、怖い、助けて!)
カカット・キャトルス「ヒール《Heel》!」
魔牛ジューベイ「ンモウッ!」
カレン・ケアリー「・・・っ、ジューベイ!」
魔牛ジューベイ「ン、モウ・・・」
カレン・ケアリー「あっ、大変! 結構なダメージじゃない!」
カレン・ケアリー「ヒール《Heal》!」
魔牛ジューベイ「モッ!」
魔牛ジューベイ「ンモォォォォオオオオオ!」
魔牛一族「ンモォォォオオオ!」

〇山の中
「モォ、モォ」
カカット・キャトルス「ぜぇ、ぜぇ」
カレン・ケアリー「はぁ、はぁ」
カレン・ケアリー「なんとか、勝ったね」
カカット・キャトルス「・・・うん」
カレン・ケアリー「ジューベイ、ありがと」
魔牛ジューベイ「モ」
カレン・ケアリー「・・・これ、なんて言ってるの?」
カカット・キャトルス「・・・手間かけさせやがって、だって」
カレン・ケアリー「・・・そ、そっか」
カレン・ケアリー「注意不足で魔物呼び寄せちゃって」
カレン・ケアリー「守ってくれたジューベイに怪我までさせて」
カレン・ケアリー「わたしって、ダメなヒーラーよね」
カレン・ケアリー「明日は別の人と組むよ」
カカット・キャトルス「・・・待って」
カレン・ケアリー「いや、わたしじゃ釣り合わない──」
カカット・キャトルス「そうじゃなくって」
カカット・キャトルス「あれ、ほっといたら街が大変なことにならない?」
子竜「ギヤァ・・・」
カレン・ケアリー「小さいやつ! だけど! やばいよ!」
カレン・ケアリー「呼べる人はいないけど・・・」
カカット・キャトルス「ジューベイは?」
魔牛ジューベイ「ンモウ」
カレン・ケアリー「わかった・・・時間を稼ごう」
カカット・キャトルス「うん、魔牛一族の回復をお願い」
カレン・ケアリー「って、カカット! なにする気!?」
カカット・キャトルス「ヒール《Heel》!」
子竜「ギヤァ!」
カカット・キャトルス「横転回避!」
カレン・ケアリー「ヒール《Heal》! って、避けたー!」
カレン・ケアリー(よし、じゃあ魔牛の回復に専念しよう)
カカット・キャトルス「ヒール《Heel》!」
子竜「ギヤァ!」
カカット・キャトルス「横転回避っ!」
子竜「ギヤァ――?」
魔牛ジューベイ「ンモォォォォオオオオオ!」
魔牛一族「ンモォォォォオオオオオ!」
カカット・キャトルス「カレン、よくやったわ! ヒール《Heel》!」
カレン・ケアリー「あ、あなた、あんなこともできるの? ヒール《Heal》!」
カカット・キャトルス「魔牛の蹴りを避けるために! ヒール《Heel》! 身につけないといけないの!」
カレン・ケアリー(ほんと、釣り合いそうにないな・・・カカットはいい子なんだけど・・・)
カレン・ケアリー「ヒール《Heal》!」
カカット・キャトルス「ヒール《Heel》!!」
「ヒール!!!」
魔牛ジューベイ「ンモ」
カレン・ケアリー「もしかして・・・」
カレン・ケアリー「勝ったぁ!?」
カカット・キャトルス「やったわ!」
魔牛ジューベイ「・・・ンモ」
カレン・ケアリー「ジューベイ?」
カカット・キャトルス「よかったわ!」
カカット・キャトルス「ジューベイもカレンのこと気に入ったって」
カレン・ケアリー「へ? そ、そう?」
カレン・ケアリー「じゃ、じゃあ、明日もこのパーティで行く?」
カカット・キャトルス「もっちろん!」
魔牛ジューベイ「モ!」
  こうして、わたしはヒーラーとしての一歩を踏み出したのでした。

コメント

  • healとheelがかかっててオシャレな作品だなと思いました。

  • この設定は思いつかないですね😆すごく面白い🙌
    闘牛の踵蹴りの威力エグそうなので、前衛パワー型でバリバリ活躍できそうです🤣

  • しっかりした設定で読者側に新解釈攻撃してきて笑いました😂
    ヒーラー……こんなの予測不能すぎ!!ビーストテイマーという括りでも無いし、若干混乱してます🤣🤣
    そしてちゃんと正統派ヒーラーとのコンビネーションもちゃんと魅せてきて割とベストな戦法になってるのも笑いました😂面白かったです!🤣

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