愛しさのカタチ

兎乃井メライ

DAY16: 知らない気持ち(脚本)

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〇黒背景
  なんで・・・?

〇ジェットコースター

〇黒背景
  なんで私・・・
  逃げてるの?

〇遊園地の広場

〇黒背景
  息が苦しい──

〇川沿いの公園
三澤梨々花「はぁ、はぁ、はぁ―― はぁ・・・っ・・・・・・」
三澤梨々花(私・・・どうしちゃったの・・・?)
三澤梨々花(あんな人の言葉、気にすることないのに・・・)
三澤梨々花(先生が悪く言われるのがすごく嫌だった なんだか悲しくて、許せなくて・・・)
三澤梨々花(だけど・・・ どうしてこんなに、胸が痛いの?)
三澤梨々花「ぐすっ・・・」
三澤梨々花「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
三澤梨々花「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
三澤梨々花「あれ・・・・・・?」
三澤梨々花「ここ、どこ・・・?」

〇デパ地下
貴島里見「三澤ちゃんがいなくなった!?」
吉沢美森「うん・・・」
吉沢美森「お土産買ってロッカーに預けて帰ってきたら、姿が見えなくて その前までこの辺りにいたんだけど・・・」
貴島里見「連絡は?」
吉沢美森「電話したけど・・・出ないの メッセージも既読になってない」
貴島里見「どこ行っちゃったんだろ・・・」
貴島里見「・・・あれ?」
落合はるか「・・・ったく どこ行ったんだ?アイツ・・・」
貴島里見「アニキ!?」
落合はるか「あー・・・ やっぱり、お前も来てたのか」
吉沢美森「えっ・・・この人が里見のお兄さん!?」
貴島里見「なんでこんなトコにいんの!?」
落合はるか「まあ・・・つきあいで仕方なく」
落合はるか「それより、うちのバイト見なかったか? コレ落としていったんだけど」
吉沢美森「あれっ!? それ、梨々花のスマホ・・・!」
貴島里見「三澤ちゃんの!? なんでアニキが持ってんの!」
落合はるか「だから落として行ったんだよ 急に、泣いて走りだして」
貴島里見「はぁ!? どういうことだよ! なんで三澤ちゃんが泣いてんだよ!」
貴島里見「何かヒドイこと言ったんじゃないだろうな!?」
落合はるか「・・・キリエと何か話したらしいんだ 俺が外してる間に」
貴島里見「キリエさん? キリエさんと来てるの? 別れたんじゃなかったのかよ」
落合はるか「・・・色々あるんだよ💦」
落合はるか「店の外までは追いかけたけど 悪い・・・見失った アイツ、意外と足早いな」
貴島里見「なんだよそれ・・・ なんでキリエさんと三澤ちゃんが・・・」
貴島里見「ああ、もう! とにかく探さないと! そのスマホちょーだい!!」
落合はるか「あ、ああ。悪い、頼む」
落合はるか「さっき急遽緑川から呼び出されて もう出なきゃならねーんだ」
貴島里見「別にアキニに謝られることじゃないし」
落合はるか「突っかかるなよ」
落合はるか「とにかく、頼んだ 何かあったら連絡しろよ 電話は出られるから」
吉沢美森「里見のお兄さん・・・ めっちゃイケメンじゃん!! モデルか何か!?」
貴島里見「――違うよ、ただの大学生!」
上杉睦「なあ、なんでお前のアニキが三澤のスマホを持ってたんだ?」
貴島里見「あ~なんか・・・落としてったらしい そのままどこかに走って行ったって」
吉沢美森「なんで?」
貴島里見「・・・何かあったみたい」
貴島里見「オレ、ひとっ走り行ってくる! 二人はこのへん、探してて! 見つけたら連絡な!」
上杉睦「お、おい、貴島!」

〇遊園地の広場
三澤梨々花(何となく見覚えがある場所まで戻ってきたけど・・・)
三澤梨々花(スマホも落としちゃったし どっちへ行ったらいいかわかんない・・・)
三澤梨々花(でも、戻りたくないな・・・ また先生とキリエさんが一緒にいるの なんか見たくない・・・)
貴島里見「三澤ちゃん!!!!」
三澤梨々花「里見くん・・・・・・!」
貴島里見「よかったぁ、見つかって!」
貴島里見「ね、大丈夫!? 顔色悪いけど・・・ ケガとかしてないよね?」
三澤梨々花「探しに来てくれたんだね ごめんね、急にいなくなって・・・」
三澤梨々花「スマホ・・・なくしちゃって・・・ 自分がどこにいるかもわかんなくて・・・」
貴島里見「・・・三澤ちゃん?」
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
貴島里見「ねえ、三澤ちゃん」
貴島里見「ちょっと静かなところで 休んでから戻ろっか」

〇川沿いの公園
貴島里見「へえー園内にこんなとこあるんだ 誰もいなくてめっちゃ穴場じゃん!」
貴島里見「うーん、晴れてて気持ちいーねー 空が広い!」
三澤梨々花「・・・ごめんね、里見くん」
貴島里見「ん?」
貴島里見「大丈夫だよ 美森たちには見つけたって連絡しといたから ちょっとだけ休んでこ」
貴島里見「それに・・・その顔で戻ると 色々聞かれちゃうかもしれないからさ」
三澤梨々花「あ・・・・・・」
三澤梨々花「・・・ありがとう」
貴島里見「あのさ・・・さっき、アニキに会ってさ」
貴島里見「三澤ちゃんがキリエさん・・・ アニキの元カノと話した後に急にいなくなったって聞いたんだけど・・・」
貴島里見「何があったの?」
三澤梨々花「・・・先生は?」
貴島里見「アニキは緑川さんに呼び出されて帰った たぶんキリエさんも一緒かな あ、スマホ拾ったから渡してくれって」
三澤梨々花「あ、ありがと・・・・・・・・・」
貴島里見「ごめん、三澤ちゃんが言いたくないなら 聞かないでおこうと思ったんだけど」
貴島里見「やっぱダメだ、気になる なんで泣いてたの? キリエさんに・・・何言われたの?」
三澤梨々花「・・・自分でもよくわからないの」
三澤梨々花「里見くんは誰かのことで 急に悲しくなったり、辛くなったり・・・ 胸が痛くなったりすることってある?」
貴島里見「誰かって・・・・・・」
貴島里見「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
貴島里見「そうだなー その人にトクベツな感情があればそうなるかも」
三澤梨々花「特別な感情・・・?」
貴島里見「恋愛感情とかね」
三澤梨々花「・・・里見くんにとって恋愛ってどんなもの? 好き、ってどんな気持ち?」
貴島里見「うーん・・・そうだなー 恋愛って人それぞれだし、感じ方もみんな違うと思うけど」
貴島里見「不可抗力!かな 一度捕まったら、逃げられないみたいな」
三澤梨々花「不可抗力・・・」
貴島里見「「好き」って気持ちは、自分を一瞬で変えちゃうくらいすごい引力を持ってるって思うことがあるんだ」
貴島里見「嫌~なことももその人のためなら頑張れる!とか、会えるならどこにでも行く!とか 一緒にいられたら他に何もいらないとか──」
貴島里見「変えるっていうか、バカにしちゃうのかもね」
三澤梨々花「・・・それって怖くないのな 自分を変えちゃうくらいの気持ちなんて・・・」
貴島里見「たしかに、いいことばっかりじゃないよね 好きになっても絶対うまくいくわけじゃないし」
貴島里見「でも、思い通りにいかなくて悩んだり、傷ついたり、何度ツラい思いしても」
貴島里見「また誰かを好きになっちゃうんだよね」
貴島里見「そういう意味でも、不可抗力なのかなって」
三澤梨々花(・・・先生もそうなのかな 先生にとってキリエさんはそのくらい強い引力なのかな・・・)
三澤梨々花(離れたくても、出来ないくらい? ・・・でもそれでいいのかな?)
貴島里見「三澤ちゃん、何で急にそんなこと聞くの?」
三澤梨々花(キリエさん・・・笑ってた 「つまらない」って言いながら)
三澤梨々花(何であんな風に笑えるの? あんなにひどいことを言ったり、ウソをついたりできるの?)
貴島里見「三澤ちゃん?」
三澤梨々花(あの目・・・あの目がすごく嫌だった 人を物みたいに見る目────)
三澤梨々花(知ってる・・・ あれは人を傷つける目、不幸にする目だ だから・・・逃げたくなったんだ)
三澤梨々花「・・・怖い」
三澤梨々花「私は怖い・・・誰かを好きになるの 怖いよ・・・!」
貴島里見「三澤ちゃん!?」

次のエピソード:DAY17:告白

コメント

  • 更新ありがとうございます!!

    恋愛の辛さ…というか切なさが一気に胸に押し寄せて、読んでるこっち側も複雑な気持ちになってきます!
    人に恋をすることは良いことだけじゃないんだな、と思わされました
    (彼女すらできたことない恋愛全敗の戯言ですw)

  • うわー切ない!梨々花ちゃんの未整理な感情が少しずつ詳らかにされていって……ドキドキ感と共に泣きそうになります……
    里見くんのステキな姿も見られましたが、次話の展開が気になって仕方ないです!

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