愛しさのカタチ

兎乃井メライ

DAY17:告白(脚本)

愛しさのカタチ

兎乃井メライ

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〇遊園地の広場
  ガシッ──
貴島里見「三澤ちゃん、待って!」
貴島里見「どうしたの!? 大丈夫だから・・・!」
三澤梨々花「さ、里見くん・・・」
三澤梨々花「手、離して・・・!」
貴島里見「やだ」
貴島里見「離したらどっか行っちゃいそうだから」
貴島里見「それに、そんな怯えた顔・・・ ほっとけないよ・・・」
貴島里見「・・・誰、なんだよ」
貴島里見「誰なんだよ、そんな顔させるヤツ・・・! ・・・オレなら絶対泣かせたりしないのに」
三澤梨々花「え・・・?」
三澤梨々花「里見くん・・・?」
三澤梨々花(なんでそんな、真剣な顔────)
貴島里見「だって・・・」
貴島里見「だって、好きだから」
貴島里見「オレ、三澤ちゃんのこと好きなんだ」
吉沢美森「・・・・・・・・・・・・・え・・・」
三澤梨々花「・・・美森?」
吉沢美森「あ・・・えと・・・なかなか戻らないから探しに・・・来たんだけど・・・」
吉沢美森「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
吉沢美森「ご、ごめん・・・ あたし帰るね!!!」
三澤梨々花「美森・・・・・・!?」

〇イルミネーションのある通り
三澤梨々花「美森!! 待って・・・!」
吉沢美森「・・・何よ」
吉沢美森「悪いけど、ついてこないで」
三澤梨々花「あのね、美森・・・さっきのは────」
吉沢美森「聞きたくない」
三澤梨々花「・・・・・・え?」
吉沢美森「・・・・・・・・・わかってたわよ」
吉沢美森「里見がアンタのこと好きだってことくらい あたしのこと何とも思ってないのも・・・」
三澤梨々花「美森・・・・・・」
三澤梨々花「もしかして、里見くんのこと・・・」
吉沢美森「・・・ほんとに気づいてなかったんだ」
三澤梨々花「ご、ごめん、美森・・・私・・・」
三澤梨々花「でも、誤解だから・・・! 里見くんは私にとってはいい友達で── だから、なんでもないから!」
吉沢美森「アンタっていつもそうよね」
三澤梨々花「え・・・・・・」
吉沢美森「「なんでもない」とか「友達だから」とか 無害そうなことばっかり言うけど ・・・本音が全然見えないよ」
吉沢美森「なのに誰にでもよく思われて・・・ あたしとは正反対で・・・」
三澤梨々花「・・・美森・・・」
三澤梨々花「美森・・・ずっと・・・そう思ってた? ごめん、私・・・気づかなくて」
吉沢美森「アンタは鈍感すぎるよ 鈍感すぎて・・・気持ちが全然わかんない」
吉沢美森「だって親友なのに―― 悩みとか愚痴とか一度も言ってくれたことないじゃん!」
吉沢美森「好きな人の話もいつも「誰も好きになったことない」ってはぐらかして!」
吉沢美森「だから・・・もしかして里見なのかなって 里見だったらどうしようって・・・怖くて」
吉沢美森「だったら何も言わずにこのままでいたいって思った でも・・・・・・」
吉沢美森「もう無理」
吉沢美森「わかってたけどあんなの見たくなかった! なんで梨々花ばっかりなのよ! ――もう嫌だっ!!」
三澤梨々花「・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・」
三澤梨々花(どうしよう・・・足が動かない・・・ 追いかけなきゃならないのに)
三澤梨々花(あんな・・・美森はじめて見た・・・ ほんとに里見くんが好きなんだ ずっと――好きだったんだ)
三澤梨々花(・・・何にも知らなかった)
三澤梨々花(ううん・・・知ろうとしなかったんだ・・・ 今のままでいたくて・・・ 今を壊したくなくて)
三澤梨々花「最低だ・・・私・・・」

〇平屋の一戸建て

〇怪しい部屋
  カタカタカタカタ・・・・・・
落合はるか「・・・ったく緑川のヤツ 今日中にエッセイ1本書けとかふざけんなよ・・・」
  カタカタ────・・・タンッ!
落合はるか「まあ、こんなもんかな」
落合はるか「とりあえず、一息ついてからチェックするか・・・」

〇狭い畳部屋
ハイジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
落合はるか「・・・ん?」
落合はるか「どうした?ハイジ リードなんかくわえて」
ハイジ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
落合はるか(六時半・・・もうそんな時間か 帰ってきてすぐ部屋にひきこもったから気がつかなかったな)
落合はるか「そういえば、アイツはどうしたんだ? まだ来てないのか?」
  プルルル・・・
  プルルル・・・・・・
落合はるか「応答なし・・・無断欠勤かよ」
落合はるか(そういえば、あの後どうなったんだ? 里見に掛けてみるか)
  プルルル・・・
  プルルル・・・・・・
落合はるか「・・・こっちもかよ」
落合はるか(・・・何かあったのか? 黙って休むようなタイプじゃないよな)
キリエ「ちょっと世間話してだだけよ 泣いた理由なんて知らないわ」
落合はるか(キリエはああ言ってたが・・・ やっぱり何かあったのか?)
落合はるか(・・・ったく あースッキリしねえな・・・)
落合はるか(まあ、もう少し待ってみるか)
落合はるか「とりあえず、散歩いくかハイジ」
ハイジ「アンッッ❤️」

〇怪しい部屋
落合はるか「────送信、と。 とりあえず間に合ったな・・・と」
落合はるか(8時半・・・ 結局バイトからも里見からも連絡なし、か)
落合はるか「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
  ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
落合はるか「誰だ?この番号・・・」
落合はるか「・・・・・・はい」
  あっ、はるか?
  アタシ!乃梨子!!
落合はるか「乃梨子さん?」
  ごめんね、突然
  あ、番号は緑川くんに聞いたの
  緊急事態で──
  ねえ、今日バイトの日よね?
  梨々花まだそっちにいる?
落合はるか「いや、今日は来てない 家に帰ったんじゃないのか?」
  それが・・・いないの
  ケータイも繋がらないし・・・
  てっきりまだはるかのとこにいると思ったの
  ほんとにいないの?
  ど、どうしよう!
  まさか・・・誘拐!?
  大変!警察!警察連絡しなきゃ
落合はるか「落ち着きなよ まだ事件にするのは早いから どこかアイツが行きそうなとこ、心当たりないのか?」
  ない・・・
  用事が済んだらまっすぐ帰る子だもの
  今日は部活帰りに友達と遊んで、バイトに行くって────
  いつもならこの時間には家にいるし
  電話も絶対出るもの
  まさか友達の誰かがあの子を拉致!?
落合はるか「ないだろ」
落合はるか「その友達の1人は俺の弟だし とりあえず弟に電話するから、そっちも 心当たり考えてみたら」
落合はるか「高校生なら寄り道の一つや二つ、たまにはするだろ」
  ・・・・・・わかった、じゃあお願いね
  私も思いつくところに連絡してみるわ
落合はるか「・・・まさかの行方不明かよ どこにいるんだ? ────ん?」
  ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
落合はるか「里見・・・・・・」
落合はるか「────おい、連絡が遅えぞ」
  悪かったよ、電話出られなくて
落合はるか「里見、お前どこにいる? バイトと一緒か?」
  バイトって三澤ちゃん?
  いや、オレは家だけど・・・
  なんで?
落合はるか「帰ってないってアイツの姉貴から連絡がきたんだよ」
落合はるか「おい、昼間無事に見つかったんだよな? いつ別れた?」
  見つかったよ
  ・・・色々あったけど・・・
  帰りは駅まで一緒だったけど
  三澤ちゃんはそこからアニキんちの方面へ向かう電車に乗ったよ
  帰ってないって・・・
  アニキんちにいたんじゃないの?
落合はるか「今日はうちには来てない 電話しても出ねぇし 姉貴も心当たりがないらしい 何か言ってなかったか?」
  関係あるかわかんないけど・・・
  ちょっと仲間内でギクシャクした雰囲気になってさ
  先に1人帰っちゃって・・・
落合はるか「ギクシャク?」
  でもその前から三澤ちゃんの様子はちょっとヘンでさ
  だからアニキかキリエさんに何か言われたのかなって思ったんだよ
  ていうか、なんでキリエさんといたわけ?
  あの人扇谷さんとつきあってんでしょ
  まだ振り回されてんの!?
落合はるか「今は関係ないだろ💦 じゃあお前も、行き先には心当たりがないんだな?」
  ない・・・でもオレのせいかも
  オレが勢いで告ったから・・・
  色々悩んで帰れなくなってるのかも・・・
  オレ、今から探してくる!!!
落合はるか「どんな勢いで告ったんだよ・・・ ていうか、待て アシも当てもねえのにどう探すんだ」
落合はるか「・・・しょうがねえな、車出してやる」
  えっ、探すの手伝ってくれんの?
落合はるか「一応、雇用主だしな そっち迎えにいくから待ってろ」
落合はるか「はぁ・・・世話かけさせやがって」
  ピロン♪
落合はるか「・・・メール?」

次のエピソード:DAY18: 二人きり

コメント

  • 学校メンバーの恋模様、今回は大山場ですね、、、美森さんの心情吐露、胸にキますね。。。梨々花ちゃんの心中は、そして彼女の行方は、次話が気になります!

  • 続きが気になる終わり方ー!!!
    ただ全てが悪い方向に… 梨々花と美森の会話シーンで急に笑顔になる美森に恐怖を覚えました…
    ハイジだけが唯一の救いです笑

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