最強種族のケモ耳族は実はポンコツでした(長編)

にんじん

第三話 イチゴの行方(脚本)

最強種族のケモ耳族は実はポンコツでした(長編)

にんじん

今すぐ読む

最強種族のケモ耳族は実はポンコツでした(長編)
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇美しい草原
  ビスケットは盗賊に襲われている人を助ける為に、1人で馬車まで走って行った
マカロン「盗賊を退治するようにビスケットちゃんにお願いしたけど大丈夫かしら・・・」
マカロン「でも、ビスケットちゃんはブラックウルフを1人で簡単に倒したし」
マカロン「ブラックウルフの森を歩いていた時も、ビスケットちゃんを恐れてブラックウルフは逃げ出していたわ」
マカロン「大丈夫よ。ビスケットちゃんなら盗賊も簡単に倒してくれるはずよ」
  2分後

〇美しい草原
ビスケット「マカロンちゃん。サクッと盗賊を退治してきたわ。だから、さっきの甘いモノをちょうだいね」
マカロン「ビスケットちゃん、大丈夫?ケガはしなかった??」
ビスケット「問題ないわよ。人間が持っている剣なんかじゃ、私に傷1つ付けることもできないわよ!」
  ビスケットの話しによると、馬車を襲っていたのは武装した20名ほどの盗賊達であった。
  馬車を護衛していた10名の兵士達では、盗賊達を退ける事ができずに苦戦していたところ、
  ビスケットが登場し、一瞬で20名の盗賊を蹴散らしてしまったらしい
マカロン「ビスケットちゃんは強いのね」
ビスケット「私は最強なのよ!」
ビスケット「そんなことよりもさっきの甘いモノをよこすのよ」
マカロン「そうね。はい、チョコレート」
ビスケット「わ~い!わ~い!甘いモノ大好き」
兵士「あの~」
ビスケット「チョコレート~甘くてほっぺがとろける~チョコレート~」
兵士「あの~すみません。先ほど助けて頂いた者ですが」
ビスケット「チョコレート~私の最愛の~チョコレート私の宝物の~チョコレート」
マカロン「すみません。ビスケットちゃんはチョコレートを食べてウキウキ気分なので、私が代わりに話を聞きます」
兵士「あなたは、あのお強い女性のお仲間でしょうか?」
マカロン「お仲間・・・そうね。ビスケットちゃんは私のお友達です」
兵士「そうですか。あなたのお友達が助けに来てくれたおかげで、命拾いしました」
兵士「もし、助けに来てくれていなければ、私たちは殺されて、お嬢様が誘拐されるところでした」
兵士「本当にありがとうございます」
マカロン「無事でなによりです。でも、ここは盗賊が出る物騒なところなんですね」
兵士「いえ、この辺りは魔獣も出ない平和な場所なのです」
マカロン「平和な場所なのに、なぜ?盗賊に襲われたのでしょうか?」
リリー・ダンディライオン「それは、私が説明致しましょう」
兵士「リリーお嬢様、馬車から出ては危険です。すぐに馬車にお戻りください」
リリー・ダンディライオン「命がけで私達を助けてくださった方に、きちんとお会いして、お礼をしなければ失礼です!」
ビスケット「チョコレート~素敵なあなたは~チョコレート~もう二度と離さないわよ~チョコレート」
マカロン「あの~あなた達を助けてくれた方は、上機嫌なので、お礼を言わなくても大丈夫みたい・・・です」
マカロン「それよりも先ほどの話しの続きをお願いします」
リリー・ダンディライオン「わかりました。お話しましょう」
リリー・ダンディライオン「あの盗賊達は、オーリンジの町の領主であるビートル・マンティス伯爵が送り込んだ刺客だと思います」
マカロン「刺客?」
リリー・ダンディライオン「そうです。私を誘拐するために送り込んだ刺客です」
マカロン「なぜ、あなたは誘拐されそうになったの?」
リリー・ダンディライオン「それには深い事情があるのです」
マカロン「教えて頂けるでしょうか?」
リリー・ダンディライオン「もちろんです」
リリー・ダンディライオン「一か月後に、王都で国王様の誕生祭が行われます」
リリー・ダンディライオン「誕生祭では、国王様に甘い食べ物を献上するのが習わしになっています」
リリー・ダンディライオン「なので、各々町の領主たちは、品種改良された甘くて美味しいフルーツを精魂込めて育てています」
リリー・ダンディライオン「私のお父様も、甘くて美味しいバナナを育て上げ、国王様に献上する準備を行っています」
リリー・ダンディライオン「しかし、先日隣町のオーリンジで事件がおこったのです」
マカロン「じ・け・ん」
リリー・ダンディライオン「はい。ビートル伯爵が丹精込めて作り上げたイチゴを誰かが食べてしまったのです!」
マカロン「つまみ食いかしら・・・」
リリー・ダンディライオン「そんな可愛らしことではありません!」
リリー・ダンディライオン「ビートル伯爵は、我が子を育てるように大事に育てたイチゴ50個を」
リリー・ダンディライオン「果樹園の側にある冷蔵保管庫に、大事に保管していました」
リリー・ダンディライオン「冷蔵保管庫は、魔道具によって鮮度を長期間保つことができる最新鋭の技術が駆使された優れものです」
リリー・ダンディライオン「しかも、ビートル伯爵様以外は開ける事のできない、特殊な鍵が設置されていて、セキュリティーは完璧でした」
リリー・ダンディライオン「しかし・・・」
マカロン「しかし・・・」
  私は固唾をのんでリリーの話しを聞いていた
リリー・ダンディライオン「しかし、冷蔵保管庫は壊されて、イチゴは全て奪われてしまったのです」
リリー・ダンディライオン「冷蔵保管庫は、オリハルコンで作られたとても頑丈で壊すことなど不可能です。しかし、破壊され大事なイチゴは奪われました」
マカロン「誰がそんなことを・・・」
ビスケット「チョコレート~イチゴよりもあま~いチョコレート~もうイチゴなんていらないわ~」
リリー・ダンディライオン「犯人はまだみつかっていません」
リリー・ダンディライオン「話しを戻します」
リリー・ダンディライオン「誕生祭の為に用意したイチゴを失ったビートル伯爵は」
リリー・ダンディライオン「お父様が丹精込めて作り上げたバナナを代わりに献上することにしたのです」
マカロン「あなたを誘拐してバナナを手に入れようとしたってことなの??」
リリー・ダンディライオン「はい。でも、あなたの友達よって誘拐は未然に防ぐことができました」
リリー・ダンディライオン「しかし、ビートル伯爵は違う手段を使ってバナナを奪いにくるでしょう・・・」
  第4話に続く・・・

次のエピソード:第四話 あれ

成分キーワード

ページTOPへ