ビンダーパープル

但馬感象

21面 時の上の絆(脚本)

ビンダーパープル

但馬感象

今すぐ読む

ビンダーパープル
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇地下駐車場
  ──笑顔の女性、
  九宝さんがわき通って
九宝優梨「何やってるの?」
江藤鉱「いや、ピーッて」
江藤鉱「両手クシャクシャーッ」
江藤鉱「イグシャーッ ティガティゴー」
江藤鉱「ピーッ」
  スロット 壊れた人になって
九宝優梨「あ、人ん家いったんだって?」
江藤鉱(ていうか顔、九宝さんと ちょっと違うかな、どうだろ)
  詰め寄ってくるので、
江藤鉱「いや、仕方なかったんすよ」
江藤鉱「人ん家って、俺だって 誰なのかわからなくなって」
  故障してんのか?
  壊れたスロット 違うけど
江藤鉱「何なんだって俺だって思いますよ」
江藤鉱(ちょっと近寄ってみちゃったけど)
江藤鉱(俺は折中珠未が好きに決まってんだろ)
江藤鉱(何でこうピント、チャンネル合わないんだ)

〇美術室
  ──美術系の先生に
  (白髪、眼鏡かけて、背は低い)
  折中珠未さんが付き人のように
  ピタとついてコメント、指示をうけている。
江藤鉱(何だ、大学生なのか? 専攻したりして頭いいのか)
  俺はわきの棚に置いてある本を見る。
江藤鉱(カフカ?)
江藤鉱(赤い線が見える (空間に縦に浮いている))
  科学者の登場だ
江藤鉱(狂気の?危ねーな)
江藤鉱(時代背景にとびあがりそうだ)
江藤鉱(珠未さんのまっとうさに比べて 俺の異様さよ)
科学者「時の上の絆、か」

〇未来の店
  ──何から逃げてか、
  見つからないように
  移動しようとした果てに、
  みんないる頭上高くに張られている
  網縄つたって越えようとするけど、
  尾沢さんに見つかってしまう。
尾沢吏帆「自分で直して下さーいっ」
江藤鉱(弛んでしまったのを、そりゃそうだ)
江藤鉱(ターザンよろしく越えようとして)
江藤鉱(ダッラーさせたまんまなんて無責任)
  ──で、
  ヌンチャクを振り回す
  その持ち替える手を離して受け取らず
  安樹さんに当ててしまう。
  振り子で戻ってくるの
  わかってるのに手出さず
江藤鉱「今のは俺が悪いです」
宵山安樹「うん・・・」
江藤鉱(はー、駄目だ 勝手にやきもきして、阿呆だ)
尾沢吏帆「大丈夫なの?」
江藤鉱(・・・って、大丈夫じゃねーよな)
江藤鉱(安樹さんに八つ当たりして)
江藤鉱(張ってある網グイーッ伸ばして 空回りもいいとこ)

〇ショッピングモールのフードコート
江藤鉱(男が多くて 折中さんとそのグループにいたら)
江藤鉱(俺は黙るだろうな 若い男子のしゃべるのに任せて)
折中珠未「江藤くん」
折中珠未「ご飯食べようよっ」
  って、珠未さん言ってくれて
  2人で食べる。
折中珠未「江藤くん以外の人誘うの違う気がする」
江藤鉱「読み終わったんすか?」
折中珠未「んーん、まだ、それは」
  って、胸に手をやって
  白い羽根がついてるような
  なんて妄想・・・
  よく出来てんな

〇郊外の道路
江藤鉱「こんなにすきなのは はじーめてだぁーっ」
江藤鉱「こんなにもタマミクリを すきなのははじーめてだあーっ」
江藤鉱「こんなにタマミクリをすきなのはぁっ」
江藤鉱「・・・はじめてっていうのも何だけど」
江藤鉱「俺はタマミクリがぁっ」
江藤鉱「大好きだぁっ」
  うんうん、と後ろで
  頷いて満足してる珠未クリ。
  江藤はもうただの四つん這い
  力尽きてヨチヨチ歩きになってる。
  脚伸ばして腕の力のみで滑って
  実際はズリズリになるけど、
  波乗り前のパドリングみたいなのを
  陸上でやってんのか、普通の歩道で。
江藤鉱「ああ、通行人の方すみません」
江藤鉱「(足しか見えてないけど右側) 道狭くしちゃって」
江藤鉱「しょうがないんすよ ヨチヨチでもやめるわけいかないんで」
江藤鉱(代わってくれないよな)
江藤鉱(あ、クリ、後ろから歩いてきたのか)
折中珠未「一緒に帰ろ?」
  満足してくれたのかな
  はじめは一緒に滑る感じだったのが
  途中からもう江藤の気持ちを
  確かめる試練みたくなって
  江藤も引け目あって
  うまくおさまるのかな、これで

〇未来の店
折中珠未「もの」
折中珠未「出さないんすか?」
  クリさんが大きなまったり形のくま?
  持って、それを渡されて、
  じゃあカート空いてる2段目入れとくか
  クリさんは籠持ちだったか。
  と、折中安樹さんが、
宵山安樹「出してくれてありがとうございまーす」
  いやいや、いいえ。

〇未来の店
  ・・・ディアグマ
  一つ開けてごらん
  カードパック?
  ディア・・・とかならいいけどな
  親愛なる
  珠未は鉱の花嫁になりますならなー

〇ラブホテルの部屋
センター「きゃーっ、どうしよーっ」
  センターがあこがれの
  アニ丸に会って、感激してる。
  への字を逆さにしたようなベッド
  ピンクの布団毛布の上で、
  枕抱いてキャーくらいの恥じらい。
センター(会いたいと思う人に)
センター(こっちからじゃなくて、自ずと会えたっ)
  ちゃんとやってるご褒美かね
  トランクス一丁あったっけ?

〇道玄坂
  おまえがそうであったように
  ついにきた
江藤鉱(何が?)
  待ってるよ今
  ドーンとやって
  ドーンとやっちゃう?
  コンテナのせて
  押して転がしちゃう
  上野方面へ、ポーイと
江藤鉱「そんなの5秒でしちゃうよ」
江藤鉱「名取総太郎を」
江藤鉱「そういうもんだよ 別れるなんてさ」
江藤鉱「で、ちゃんと別れたら付き合おう」
江藤鉱「センターとアニ丸」
  名取総太郎が舞台の上から、
  大きい存在から下りて出るの待ってたんだ

次のエピソード:22面 壊しの魔法

ページTOPへ