第一話 ケモ耳族との出会い(脚本)
〇けもの道
ケモ耳族・・・それは、世界最強の種族と言われ、誰もが恐れる存在である。
ケモ耳族1人で1000人を超える兵を殲滅させ、凶悪な魔獣の群れを赤子の手をひねるように簡単に退治する伝説の種族である。
と噂されているが、真偽のほどは定かではない。それはここ100年ほど、ケモ耳族を見た者はいないからである。
〇幻想空間
〇けもの道
マカロン「あれ!ここはどこなの?さっきまで家の台所でビスケットを作っていたはずなのに・・・」
マカロン「何が起こったの!私これからどうすればいいの・・・」
ブラックウルフ「美味しそうな人間だな。俺の食料になれることに感謝するのだな!」
マカロン「狼が喋っている・・・なんなのこの世界。誰か助けてよぉ~」
ブラックウルフ「ここブラックウルフの森、助けを呼んでも誰も来ない。肉片すら残さず全て食べつくしてやる」
〇けもの道
謎の少女「人間さんがこんなところで何をしているの?」
マカロン「た・・・助けてくれてありがとうございます。なぜ?ここにいるのか私もわからないのです」
謎の少女「あなたがここに居る理由なんてどうでもいいわ。それよりも、あなたからすごくあま~い匂いがするのよ」
マカロン「え!あなたがここに居る理由を聞いたのに・・・」
謎の少女「そうだったかしら・・・」
謎の少女「そんなことよりもあま~い匂いの正体が気になるの!」
甘い匂い?何の事かしら?もしかしたら!
マカロン「これの事かしら」
私はポケットに入っていたビスケットを取り出した。
謎の少女「それよ!その甘い匂いよ。助けてあげたのだから全部私によこすのよ!」
謎の少女がブラックウルフから私を助けてくれたと思ったが、実際は違った。
謎の少女は、私のポケット入っていたビスケットの匂いにつられてこの場所に来て、
ブラックウルフに、ビスケットを取られるのを防ぐためにブラックウルフを退治したのであった。
マカロン「でも・・・」
ポケットに入っているビスケットは、見知らぬ場所に転移した私の貴重な食料である
謎の少女「甘い食べ物が欲しいの。甘い食べ物を食べないと元気がでないの・・・」
マカロン「わかったわ。大事な食料品だけど、助けてもらったお礼をしないとね。でも、1つお願いがあるの」
謎の少女「お・ね・が・い?」
マカロン「そうよ。実は私、ここがどこだかわからないのよ。だから、近くの町まで案内して欲しいの」
謎の少女「案内?よくわからないけど任せて。だから、甘いモノをよこして!」
マカロン「取引成立ね。ビスケットをどうぞ」
謎の少女「わぁ〜い」
謎の少女「甘くてとても美味しいわ。でも、これだけじゃ足りないわよ!もっともっとよこすのよ!」
マカロン「そんなこと言われても、もうビスケットは持ってないわよ!」
謎の少女「もっと食べたいよぉ~」
マカロン「泣かないで!材料さえあれば作ってあげる事はできるわ」
謎の少女「ホントに!それなら今すぐ作ってね」
マカロン「さっきも言ったけど材料がないと作れないの!」
謎の少女「すぐに材料を用意するのよ」
マカロン「材料を用意するには町に行く必要があるのよ。さっきの約束を覚えているかしら?」
謎の少女「や・く・そ・く???」
マカロン「ビスケットをあげる代わりに近くの町まで案内するって約束したよね」
謎の少女「あ・ん・な・い って食べ物じゃなかったのね!」
マカロン「違うわよ。近くの町の行き方を教えて欲しいって事よ」
謎の少女「そうなのね。近くに町はないわ。でも、町に案内すれば、甘い食べ物を作ってくれるのね」
マカロン「そうよ。だから町まで案内してね」
謎の少女「わかったわ。私に着いて来なさい」
マカロン「ありがとう」
マカロン「町に行く前にあなたの名前を教えてくれるかしら?」
謎の少女「私の名前?」
マカロン「そうよ。一緒に町まで行くのだから、名前を教えて欲しいの」
謎の少女「名前・・・名前・・・」
謎の少女「あ!そうだ。さっき食べた甘い食べ物はなんて名前だったかしら」
マカロン「え!さっき食べてモノの名前?何度も言ってるけど、ビスケットよ!」
ビスケット「ビスケット・・・それなら私は今日からビスケットよ!」
マカロン「え!ビスケット?それはさっき食べたモノの名前よ」
ビスケット「一番大好きな食べ物の名前を自分の名前にするのが常識なのよ」
マカロン「そ・・・そうなんだ・・・」
ビスケット「そうよ。私はビスケット。あなたは?」
マカロン「私は・・・」
マカロン「マカロンよ」
私はマカロンが大好きなので、マカロンと名乗る事にしたが、好きな食べ物を名前にするのはケモ耳族だけであった。
こうして、私はビスケットと一緒に町を目指すことになったのである。
第二話に続く