朝のお酒は三文の徳?

八野なな

酔ったら本気出す人(脚本)

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〇玄関内
「ピンポーン」
「・・・・・・ピンポーン、ピンポーン」
「何だ、何だ!誰だこんな朝早くに・・・・・・」
「こっちは夜勤終わりで帰って来て、今から寝る所なんだけど・・・・・・」
「ピンポーン」
「あ~もう!・・・はい、はい!どちら様ですか!?」
「ガチャ」
さや「あっ!おはようございまーす!」
「!?!?!?」
さや「朝早くにごめんなさい。 迷惑かなぁ~と思ったんですけど、改めてお礼言いたかったので」
さや「それと・・・・・・お兄さんの顔をちゃんと見たかったので」
「・・・・・・へっ!?あぁ、え~っと」
さや「この間は助けてもらって、ありがとうございました!」
さや「お兄さんが助けてくれて・・・・・・本当に嬉しかったです!」
「この間・・・・・・助ける??」
さや「はい!!本当に助かりました!」
「(おー・・・・・・この間・・・・・・助ける・・・・・・)」
「(う~ん。この子は誰だ?・・・・・・いや!何処かで見た顔だな)」
「(何処だ?何処で見た??この間・・・・・・助ける・・・・・・思い出せー!俺!!)」
さや「??お兄さん、どうかしました?」
「へっ!?あぁ、いやいや!わざわざ来てくれるなんて思ってなくてさ!ビックリしちゃってさ!!」
さや「あー。そうですよね!すみません、突然来ちゃって」
「いやいや!良いんだよ、気にしないで! 俺もまた会えて嬉しいし・・・・・・」
さや「えっ?嬉しい・・・・・・ですか。 やっぱり今日来て良かったです!」
「そっか、そっか。何か、ありがとう。 (思い出せ、俺!!この間何をした!?)」
「(うーん・・・・・・)」
「(はっ!!)」

〇駅のホーム
  ある日の朝
「ふぅー。仕事終わりはいい気分だなぁ」
「いい気分なのは、ちょっと飲んだからだけどね~」
「コンビニでちょっとビール買って、飲んだだけですけどねぇ~! ちょっとだから酔ってませんよーって!へへっ」
「・・・・・・うん?」
「何だ・・・・・・あの男。前の女性に近付き過ぎじゃないか?」
「うん?何か、バックを下に降ろして・・・・・・まさか!?」
怪しい男「・・・・・・」
怪しい男「ふふっ」
「間違いない! オイ!!お前!!!」
怪しい男「!!」
さや「??」
「お前だ、お前! 今、撮ってただろ!」
怪しい男「はぁ?何をですか??」
「何をですかじゃない! 盗撮してただろ!!」
さや「えっ?」
「オイ!! そのバック見せろ!不自然に置いてるそのバックを見せろ!!」
怪しい男「はぁ?いや、ただ置いてるだけですけどねぇ。変な、言い掛かりは止めてくださいよ~」
「だったら、見せてもらえる?何もやましい事が無いなら見せてくれるよね!? ・・・・・・誰か駅員さん呼んでください!!」
怪しい男「クソ!!」
「おい!!逃げんな! 逃がさねぇーぞ、この野郎!!」
  ・・・・・・

〇広い改札
駅員「どうもありがとうございました」
警察官「盗撮の証拠がありました。 ご協力ありがとうございました」
「あぁ、いえ。お役に立てて良かったです」
  ・・・・・・
さや「あっ、あの!」
「うん?」
さや「ありがとうございました。 ・・・・・・私、全然気付いてなくて」
「あぁ、いや・・・・・・。 その、気にしないでって言っても無理だと思うけど・・・・・・。 あんな奴ばかりじゃないから!」
さや「!!」
「君の事、大事にしてくれる人の方が多いから!きっと!」
さや「・・・・・・」
「あぁ~ごめん、変な事言って。 じゃあ、俺はこれで!」
さや「あっ!ちょっと・・・・・・」

〇玄関内
「(あー、何となく思い出した!酒に酔った勢いであんな事した気がする・・・・・・)」
さや「あの、お兄さん?どうかしましたか??」
「えっ!?いや、どうもしてないよ!! あー、そのー・・・・・・そうだ! あの後大丈夫だった?」
さや「はい! まぁ、色々聞かれましたが大丈夫でした。 お兄さんのおかげです!」
「いや、そんな事はないよ。 ・・・・・・所で」
さや「はい?何でしょう?」
「俺の住所、どうして分かったの?」
「あの時、警察の人に名前とか聞かれたけど、教える事はないと思うし・・・・・・」
さや「そこは・・・・・・秘密です!!!」
「へっ?秘密? あの・・・・・・すごく知りたいんだけど」
さや「秘密です!!!」
「そ、そうなんだ。 (これ以上聞くのはよそう)」
さや「その話は置いといて、今度お礼をしたいので連絡先を教えてくれませんか?」
「連絡先? 住所がバレてるなら連絡先も知ってそうだけどねぇ、ハハハ」
さや「連絡先、教えてくれませんか??」
「(こわっ!) はい、分かりました!」
  というわけで、夜勤明けにお酒飲んだら連絡先交換する事になりました。って、何だこれ

コメント

  • 何ともスカっとするお話で!酔ったときに本性が出るといいますので、主人公さんも本質的に正義感溢れるステキな方なのでしょうね!
    それにしても、さやさんが家の住所を突き止めた理由が気になります……

  • お酒の量がちょっとだったからヒーローになれたけど、もっと飲んでたらさやちゃんに絡んで張り倒されてたかもですね。お酒は飲む時間と量が大切だという勉強になりました。

  • 軽くお酒が入っていたとしても、こう勇敢な行為ができる人ってそうはいないと思います。特に彼女をきずつけまいと発した言葉が素敵でした。

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