ジャーナリストと占い師とワタシ

ぽむ

エピソード26(脚本)

ジャーナリストと占い師とワタシ

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〇体育館の中
峰山先生「はい、プッシュアップ、1、2! あと10回!」
カケル「本当に素晴らしいですね、 こちらのマッチョ部は! 今回の大会も全制覇されたようですし、 人気も凄いですよ〜」
謎マッチョ「ありがとうございます。 皆が頑張ってくれるおかげです!」
カケル「いやぁ〜 いい記事が書けそうですよ! では、失礼しますね〜」
峰山先生「はい!取材ありがとうございました〜」

〇大きな木のある校舎
カケル「ふう、あとは記事を書かないとな・・・ マッチョさん人気過ぎて やっとのことで取材ができたんだし。 頑張らないとな・・・」
カケル「謎のプロレスラー、 スーパーマッチョマンの素顔を追え! ってな見出しで・・・」
カケル「オレの記事も やっと日の目を見る日が・・・」
カケル「あ、あれは?マッチョさん! もうちょっと話を聞きたいな・・・」
  バタン
カケル「マッチョさ〜ん! 行っちゃったよ・・・」
  バタン
カケル「おっと、無意識にシャッター押しちまったぜ」
カケル「マッチョさ〜ん?」
カケル「あれ?」

〇更衣室
  バタン
カケル「あれ?いない。 確かに、さっき入っていったと思ったのに・・・?」
カケル「おや〜?」
カケル「マッチョさんが入って・・・」
カケル「白衣の青年が出てきた・・・」
カケル「ということは、 マッチョさんと白衣の青年が」
カケル「同じ・・・ だとしたら、凄いスクープじゃないか?」
カケル「・・・まさかね。 ハハハハ 疲れてるのかな」
カケル「一杯やって帰るか・・・」
  バタン

〇奇妙な屋台
店主「ハ〜イ いらっしゃいませ〜」
カケル「コンバンワ。 いい店があるって聞いたもんで。 良かったら記事にしようかな〜 なんて。宣伝しますよ〜」
店主「アラアラ〜 宣伝なんていいのよ。 こんな小さい屋台に 沢山来ちゃったらタイヘンだもの〜」
店主「特製のドリンク用意してあるわ。 きっとアナタに合うはずよ。 めしあがれ!」
カケル「ああ、いただきます、 ちょうど喉が乾いていたので」
カケル(人を見てカクテルを作るヒトがいるけど、そのタイプの人なのかな?)
  ゴクゴク
カケル「うわ、美味いぃ! なんだこりゃ! こんな美味いの、初めて飲んだよ!」
カケル「これ?なんて名前の飲み物?」
店主「「アナタの夢」よ♡」
カケル「オレの夢?ハハ オレの夢なら、 ジブンの書いたスクープ記事で、有名になって、大金持ちになることかな・・・」
店主「これもどうぞ!」
カケル「あぁ懐しいな、母ちゃんがよく買ってくれた・・・」
カケル「アンタの屋台も有名にしてやるぜ! グーグー」
  スヤァ
店主「アラアラ寝ちゃった〜」
謎占い師「ユメオイカケルさん、 その人は、随分失礼なヒトなのですよ。 人のスキャンダルなどの、 炎上スクープで、飯を食うヒトですよ」
店主「アラ知ったこと、言うじゃない? 彼なりの優しさなのかも しれないワヨ?」
謎占い師「そんなことあるもんですか。 あの人は たたジブンが有名になりたいだけですよ。僕は過去に、彼に酷い目に会いましたので・・・」
店主「アラそうなの〜?」
謎占い師「ええ、始めは 当たらない占い師!詐欺師! ボッタクリ! などと記事にされ・・・」
謎占い師「その後、アナタに100%当たる水晶玉とパワー石を譲っていただいてからは、」
謎占い師「100%当たる占いはインチキだ! ニセモノだ! っていう見出しで書かれたものだから、世間からものすごい非難を浴びまして」
謎占い師「路頭に迷ったワタシは 絶対に当たる占いより、 時々当たる占いにして欲しいと アナタにお願いしに戻っで来たのですよ」
店主「そうだったの〜 悪いことシタワネ」
謎占い師「いえ、店主サマが悪いわけではなく、あのヒトが、元々記事を書かなければ・・・という話です!」
謎占い師「なので、ボクは個人的に彼を恨んでると言ってもいいかもしれません」
謎占い師「まぁ、今となってはアナタの所にいられて良かったのかもしれませんが・・・」
店主「アラそう。 じゃあ今度から困ったことにならないような、おまじないをかけておこうかしらね・・・」
店主「ホラ風邪ひいちゃうわヨ。 毛布かけてあげるワ」
謎占い師「全くもう、店主さんは・・・」
謎占い師(誰にでも優しいのも 困りものですね)

〇商店街
  母ちゃんは、女手ひとつで
  俺を育ててくれた。
  俺は有名になって、母ちゃんを
  ラクさせてやりたかった。
  しかし現実はオレが迷惑かけ、母ちゃんを困らせてばかりで、
  毎日、謝りに行くような状態だった。
カケル「母ちゃんが言うから、アイツラに謝りに行くけど、オレは母ちゃんやオレを貧乏だ汚いとバカにしたアイツラに怒ってるんだ!」
母ちゃん「でも手を上げたらいけないわ。 それはカケルもわかるでしょ?」
カケル「うん・・・」
母ちゃん「でも貧乏なのは、お母さんのせいなの。 ごめんねカケル」
カケル「違うよ!母ちゃんは一生懸命働いてるじゃないか!」
カケル「母ちゃん! オレが働いて有名になって 母ちゃんをラクさせてやるからな!」
母ちゃん「カケル・・・ありがとう。 でもお母さんは、カケルが元気で楽しく過ごしてくれたら、それでいいのよ」
母ちゃん「母ちゃんそのために頑張るから!」
カケル「母ちゃん・・・」

〇公園のベンチ
カケル「うぅ母ちゃん・・・ って、なんて夢だよ・・・」
カケル「そのあと、母ちゃんすぐ体壊して死んじゃったけどな・・・ 神も仏もないと思ったよ」
カケル「俺は貧乏は、もうまっぴらだ。 金持ちになるなら、なんでもやるさ。 さ、仕事、仕事」
カケル(そういえば母ちゃん、 たい焼きが大好きだったな。 帰りに買って食うか)

〇大きな木のある校舎
カケル「よし、今日こそ決定的瞬間を スクープしてやるそ!」
  バタン
カケル「よし、いまだ!」
  バタン

〇更衣室
カケル「・・・」
五十嵐先生「なんでしょう?」
カケル「いえ、別に・・・ マッチョさんはこちらに いらっしゃいませんか?」
五十嵐先生「いや、来てませんよ。 ボクは着替えてから、 マッチョ部の練習に参加しますので」
五十嵐先生「では失礼します」
  バタン
カケル「おかしいな、絶対に見間違えるわけない。 他に出入り口もないようだが・・・」
カケル「しばらく調べてみるか」
カケル「おや・・・これは?」
カケル「随分、大事そうなものだが。 預かっておくか。」

〇大きな木のある校舎
五十嵐先生「ふう危なかった。 店主さんや占い師さんの忠告を聞いておいて、よかった」
五十嵐先生「誰もいないな」
謎マッチョ「よし。」
謎マッチョ「店主さんの薬が切れると、元の姿に戻ってしまう・・・ 命を狙われるから、なるべくマッチョの姿では現れないようにしているのに」
謎マッチョ「そう、この願いがかなうマッチョの涙・・・ その採掘権を巡って またマッチョ国から刺客が来るとも限らない」
シロ「にゃーん」
クロ「にゃーん」
謎マッチョ「おまえたち、心配してくれるのか、ありがとう。 でも大丈夫だ!さぁトレーニングに行こう!」

〇大きな木のある校舎
「どこに行ったんだ・・・」
カケル「あっもうあんなところに!」

〇体育館の中
峰山先生「はい!クランチ! おへそをのぞきこむように!」
峰山先生「いいですねぇ! その姿勢で!」
カケル(しかし、 ほれぼれする筋肉美だな・・・ どうしたらあぁなるんだろう)
謎マッチョ「プッシュアップ! プッシュアップ!」

〇体育館の中
峰山先生「はい朝練終わります〜 食事が用意してあるので お食事済んだら、 お皿戻してくださいね〜」
峰山先生「記者さんもよかったらどうぞ〜」
カケル「ありがとうございます! 本当に凄いですね。 並のジムより設備も環境もいいじゃないですか!」
峰山先生「たくさん支援してくださる方もいますし、大会もいい成績ですからね。 期待されているんですよ!」
カケル「宣伝に協力できるのは 嬉しいですね!」
カケル(この仕事、めちゃお金いいんだよなあ。 スポンサーが大きいし)
カケル(飯もうまいし! 専属でずっと出来たら いいんだけどなぁ)
カケル(いやいや、もっと俺はビッグになるんだ! スクープを出したら、この仕事は失うかもしれないが、もっと稼げる・・・はずだ)

〇大きな木のある校舎
謎マッチョ「よし」
カケル(どこへ行くんだろう?)

〇古びた神社
カケル「これは裏手の神社・・・ 確かにこっちに来たと思ったんだが・・・」
カケル「なんだ!?」
カケル「うわぁぁぁぉー」

〇森の中
謎マッチョ「ふむ 大丈夫だったか?」
護りくま「がおー!」
謎マッチョ「それならよかった。 引き続き頼むぞ!」
護りくま「がう〜♡」
護りくま「もぐもぐ」
カケル「ここは・・・どこだ?」
カケル「わっ 熊だ!」
護りくま「がおー (食べちゃうぞ!)」
カケル「おいおいよせよ・・・ 俺は美味しくないぞ・・・」
護りくま「がうー」
カケル「わー逃げろ!」
  タッタッタッタッタッ

〇森の中の小屋
カケル「ふう、なんとか逃げられた。 あれは・・・? 母ちゃん!生きてたのか!?」
母ちゃん「コンニチワ? どうかしましたか?」
カケル「母ちゃん、母ちゃんなんだろ? なんでこんなところにいるんだよ!?」
母ちゃん「アナタはだあれ? ワタシはこの森の番人。 管理人よ。 母ちゃんではナイと思いますわ・・・」
カケル「母ちゃんに、 こんなにそっくりなのに・・・ 違う人なのか、すまない」
母ちゃん「いいえ。 誰かお探しなのですか?」
カケル「あぁ、えーと トラの顔をしたマッチョの人を探してまして・・・」
母ちゃん「あぁ主様でしたら 先程、お城の方へ行かれましたわ」
カケル「城?」
母ちゃん「ええ、このマッチョ国の王様ですもの」
カケル「王様・・・。 母ちゃんといい、まだ俺は夢を見てるのか・・・」
カケル「あの、写真撮ってもいいですか?」
母ちゃん「いいですよ。 珍しいものもないですが・・・」
カケル(あぁ母ちゃんに 本当にうり二つだ)
カケル「城はどっちだい?」
母ちゃん「よかったら、ワタシが案内しますわ」

〇西洋の城
門番「プシュー」
母ちゃん「ワタシは森の門番です。 城主様にお使いにきました。 こちらが通行証の印です」
門番「ヨシ、トオレ。」
カケル「ここからはオレだけで行くよ。 アンタに迷惑かけられねえ」
母ちゃん「お気をつけて・・・」
カケル「帰ってきたら美味いもの食わせてやるよ」

〇城の会議室
謎マッチョ「ではマッチョ国ソーサラー、ソーサレス達による占術会議を始める!」
謎マッチョ「代表のソーサラー、 イクシアード=アウシァルモ。 発言をどうぞ」
謎占い師「見えますか? これが邪の気の姿なのです」
謎占い師「最近「邪なるモノ」が、あちらに頻繁に、 現れてきていて、 負の影響がこの国にも来ていて 森の腐敗が目立ってきています」
謎女占い師「忌々しき事態ですわね」
謎占い師「眠りの姫は、 いまだ目を覚ませず。 我らの力を、持ってしても・・・」
謎女占い師「姫は、邪の気をひとりで背負い、 浄化しておられるので エネルギーを消費し 眠りから覚められないノデス」
カケル(なんか、えらいところに来ちゃったな・・・)
謎占い師「誰!?」
カケル「あぁバレちまった! せっかくスクープ撮れるところだったのにな」
謎占い師「またアナタですか。 どこまで、ワタシの邪魔をすれば、 気が済むんでしょうかね・・・」
カケル「お前、例のインチキ占い師だろ。 まだ生きてたんだな。 オレの記事で潰してやったと思ったのに」
カケル「お前は! オレの母ちゃんを殺したんだ!」
カケル「オレは、まだ子どもだったが、 見たんだ! お前が母ちゃんを騙したんだ!」
カケル「貧乏だったオレの家なのに、 母ちゃんは治ると信じて大金を払って、 それでも死んでしまったんだ!」
カケル「それはオレの復讐なんだ! 母ちゃんを返せ!」
謎占い師「なんですって!それは誤解です! ワタシはそんなことはしません! それにアナタの母は アナタを助けるために・・・」
謎占い師「もうワタシが施しても治らない・・・ それは寿命だったのでしょう」
謎占い師「魂が弱っているのならば エネルギーが足りなくて 身体が朽ちるのを治すことは できないのです・・・」
謎占い師「それが死というもの・・・ 魂を浄化し、リセットさせて また新しい身体に戻すのです・・・」
謎女占い師「彼には 凄い邪悪の気が集まってきてますわね・・・」
謎女占い師「きええええええい!」
カケル「うわーーーーーー」
謎女占い師「とりあえず彼の邪気は、 閉じ込めておきました。 寝室に連れていきなさい。 会議を続けましょう」
謎占い師「すみません、ワタシの不注意です、 わかっていたことだったのですが」

〇貴族の部屋
カケル「うーん」
母ちゃん「あぁ、よかった。 目が覚めたのね!」
カケル「母ちゃん・・・ オレ・・・また迷惑かけた・・・」
母ちゃん「いいのよ、カケルが元気で楽しく過ごしてくれれば」
  ガバッ
カケル「母ちゃん! やっぱり母ちゃんなんだろ!」
  ぎゅうううぅ
  
  オレはチカラいっぱい抱きしめた。。
母ちゃん「ちょっと! いたいわよ! もう・・・」
カケル「わーん 母ちゃーん!」
母ちゃん「辛かったのね。 大丈夫、大丈夫よ!」
カケル「母ちゃん・・・ よかった!生きてたんだな!」
母ちゃん「そうね、カケル、 お母さんが若い姿でいるのが 不思議だと思わない?」
母ちゃん「あのとき、親切な占い師さんが、 助けてくれたのよ」
カケル「えっ! どういうこと!?」
カケル「だって騙されたんじゃ・・・」
母ちゃん「確かに一度、死んでしまったわ。 仮死状態っていうやつね。 でもそのあと 生き返ったのよ」
カケル「生き返った?」
カケル(それは・・・ オレが部屋で拾った指輪と同じ・・・)
母ちゃん「そう、急に良くなったの。 それからは、 こちらで森の番人をしているの。 身体に無理がないようにって」
母ちゃん「そうしたら若くなったみたい。 不思議でしょ?」
カケル「あぁ・・・ 普通じゃない・・・ だけど母ちゃんが生きててくれて 嬉しいよ」
母ちゃん「身体に気をつけて頑張るんだよ、カケル」
カケル「あ、あぁ母ちゃんもな・・・ また眠くなってきた・・・」
母ちゃん「おやすみ、カケル」

〇奇妙な屋台
カケル「・・・」
カケル「はっ!」
カケル「夢・・・?」
店主「お目覚めなの? スクープは撮れた?」
カケル「いや・・・ マッチョの写真ばかりだな。 スクープは撮れてないな・・・ またスクープ探すぜ」
カケル「あぁ、それと 例の占い師が来たら言っておいてくれ。 俺の勘違いかもしれんが、 いままで意地悪して、 すまなかったと・・・」
店主「わかったわ〜 またね〜♡」
店主「サ、店じまい」

〇公園のベンチ
カケル「この街は不思議すぎる。 またこの手でスクープを 掴んでみせる・・・」
カケル「あれ? この写真・・・」
カケル「母・・・ちゃん?」
カケル「うわぁぁぁん」

コメント

  • マッチョさんの人気っぷりが……取材も難しい程とは、流石です!
    カケルさんの、マッチョさんや占い師さんとの縁、様々な影響を及ぼし合っているものですね~

  • この作品は、とても面白かったです!カケルくんが、自分の夢のために頑張っている姿に感動しました。また、屋台の店主の優しさや、謎の占い師の不思議な力が、作品に味を加えていると感じました。ストーリーは、一見シンプルながら、細かいところに描かれたキャラクターたちの心情が、読者に深い感銘を与えます。これからも、同じような作品を読みたいと思いました。

  • この度の店主の魔法は一段と素敵です・・・。夢だと解っていながら、それでも夢見た事に現実味をもたせるなんて、すごいエッセンス入りのカクテルだったんでしょうね。

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