エピソード24(脚本)
〇ファンシーな部屋
赤地正男「そこで見てろ、命をかけて助けたかった人が殺されるのを」
灰島櫻「!」
久保田光「・・・婚約者が死んで、それで狂ったの?」
櫻に迫っていた赤地が立ち止まる。
光の前にやってくると、荒っぽく髪を掴んで引っ張った。
赤地正男「調子にのるなって言ってるだろ」
久保田光「人を殺さずにはいられなくなったの」
赤地正男「お前もいまから実感するさ」
久保田光「何の意味があって──」
赤地正男「殺すことが、彼女への贖罪なんだ」
久保田光「そうか、わかった」
赤地正男「なにが、わかっただ」
赤地は掴んでいた光の頭を、床へ叩きつけるように投げ捨てる。
久保田光「うっ」
再び櫻へと迫る赤地。
久保田光「あんたは、ただの病気だ」
赤地正男「・・・あ?」
久保田光「理由をつけて、自分の病気をしょうがないみたいに言うなよ」
赤地正男「お前、何言ってんだ」
久保田光「大切な人を失ったからおかしくなってもしょうがないとか、安っぽい理由を作るなって言ってんだよ」
赤地正男「頭がおかしくなったか」
久保田光「大切な人を亡くして、それでも必死で生きてる人に失礼だ」
灰島櫻「・・・?」
赤地正男「黙れ!」
正男、正男!
赤地正男「!」
ドアを振り返り、勢いよく開く赤地。
階段から煙がたちこめてくる。
正男、助けて、助けて
赤地正男「ふざけ、やがって」
パァンッ
赤地が廊下に向かって何度も発砲する。
赤地正男「お前、ふざけ──」
久保田光「最初から捕まる気でいれば、いくらでも武器なんか隠し持っておける」
赤地正男「もう黙れ、お前」
赤地が光に銃口を向ける。
久保田光「・・・・・・」
赤地正男「手が震えてるよ、自分でもわかるだろ?」
久保田光「・・・盗聴してると、驚くことがある」
久保田光「みんな、裏ではこんなひどいこと言ってるのに、普段は全然そんなことない風に振る舞って」
久保田光「なんでこんなに、違う人みたいなんだろうって」
赤地正男「・・・・・・」
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