前編(脚本)
〇車内
小早川義道(こばやかわ よしみち)「・・・」
〇モヤモヤ
お嬢様「期待外れ、下がれ」
僕はどうすればお嬢様のご期待に応えることができたんだろうか
〇車内
小早川義道(こばやかわ よしみち)「・・・」
ミドリ「義道はん」
ミドリ「もうすぐ着きますえ」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「あの、どちらへ?」
ミドリ「有名な観光地どす」
小早川義道(こばやかわ よしみち)(観光地か・・・)
僕は嬢様のお屋敷からあまり外に出たことが無い
小早川義道(こばやかわ よしみち)(気になる・・・)
小早川義道(こばやかわ よしみち)「それは楽しみです、是非連れてって下さい」
ミドリ「ふふ、付き合ってくれておおきに、ほな行きまひょか」
いつまでも落ち込んでいる訳にも行かない。
少しは自分の為に行動しよう
〇山中の坂道
小早川義道(こばやかわ よしみち)「ふぅ・・・」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「ミドリさん、いったいここは──」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「あれ? ミドリさん!?」
ミドリ「はぁはぁ・・・義道はん、えらい山道を歩くのが早おすなぁ」
小早川義道(こばやかわ よしみち)(しまった!)
小早川義道(こばやかわ よしみち)(僕としたことが気を遣うのを忘れてた)
〇貴族の応接間
お嬢様「小早川、」
お嬢様「執事たる者、常にレディには気を遣い、エスコートすることを忘れてはダメよ」
〇山中の坂道
小早川義道(こばやかわ よしみち)「・・・」
ミドリ「どないしはりました、義道はん?」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「ミドリさん、どうぞ僕の背中に乗って下さい」
ミドリ「えっ!?」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「流石に、その格好でこの山道を登るのは無理ですよ」
ミドリ「それを言うなら義道はん、あんたもそうと違うんどすか?」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「確かに、」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「でも大丈夫ですよ、こう見えて人より”頑丈にできてますから”」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「女性一人くらいおんぶして駆け上がれますよ」
ミドリ「そうどすか、ほな頼みまひょ」
ミドリ(どうせ冗談やろなぁ)
ミドリ「よいしょ、」
ポヨン(密着)
小早川義道(こばやかわ よしみち)「・・・」
小早川義道(こばやかわ よしみち)(ハッ! つい背中に感じる未知の感触に我を忘れてしまった)
小早川、
ムッツリはキモイわよ
小早川義道(こばやかわ よしみち)(も、申し訳ございません、心の中のお嬢様)
小早川義道(こばやかわ よしみち)(ですが、このような事は初めての経験でして、いったいどのように心を沈めれば宜しいのでしょう)
教えてしんぜよう
ムッツリ星人(霊体)(小早川よ、ムッツリに身を任せるのだ)
ミドリ「義道はん? どうしたんどすか?」
ミドリ(もしかしてウチ、えらい体重重いやろうか?)
小早川義道(こばやかわ よしみち)「い、いえ、ちょっと気合を入れてる最中でして」
小早川義道(こばやかわ よしみち)(なんか心の中に、お嬢様以外に変なのが湧いちゃったなぁ)
小早川義道(こばやかわ よしみち)(けど集中!)
小早川義道(こばやかわ よしみち)「うおおおお! 行きますよミドリさん!」
ミドリ「へっ?」
〇山中の坂道
ミドリ(凄い)
ミドリ(義道はん、ほんまにうちをおぶって山道を駆け上がってる)
ミドリ(もしかして天狗やったり?)
ミドリ(あと見た目に反して、えらい大きな背中どす)
ミドリ(なんやこの感じ、安心するわ)
〇山並み
小早川義道(こばやかわ よしみち)「到着しました」
ミドリ「おおきに、義道はん」
ミドリ(義道はん、汗一つかいてへん、顔に似合わず相当鍛え込んでるようなぁ、)
ミドリ「・・・」
ミドリ(たくましい男もええどすな〜♡)
小早川義道(こばやかわ よしみち)「あのミドリさん、ここはいったいどんな観光地なんですか?」
ミドリ「赤御仁山どす」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「あか、おにやま?」
ミドリ「昔、この辺りの土地で悪さをしとった”赤鬼”がおったけれども、」
ミドリ「ある日朝廷から派遣されたとてつものうえらい武士に討伐された伝説があるんどす」
〇魔物の巣窟
討伐された赤鬼の血は、
山の地面に染み込み
以来、この山の植物達は全部鬼の血を吸って紅く染まった。
〇山並み
ミドリ「──とまぁ、こないなふうに物騒な伝説があるんやけど」
ミドリ「実際は綺麗な紅葉見れるええ場所なんどすえ」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「へぇ~、成る程〜」
ミドリ「そやけどあきまへんね、ちょい来るのが早すぎてまだ紅葉見れへんみたい」
ミドリ「・・・」
小早川義道(こばやかわ よしみち)(確かにまだ紅葉の季節にはまだ早い)
小早川義道(こばやかわ よしみち)(だけど・・・)
〇山並み
僕には、
紅葉の山に映えるみどりさんの姿が想像して見えた
〇山並み
とても綺麗だ
小早川義道(こばやかわ よしみち)(それと何故だろう、この人をずっと見ていたい気がする)
ミドリ「おおきに」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「えっ」
ミドリ「そないに真剣に見つめられて”綺麗”って言われるとすごくてれるわ」
小早川義道(こばやかわ よしみち)(しまった、声に出してたのか)
小早川義道(こばやかわ よしみち)(恥ずかし過ぎる)
ミドリ「景色も十分堪能しましたし、帰りまひょか」
小早川義道(こばやかわ よしみち)「は、はい!」
小早川・・・
小早川義道(こばやかわ よしみち)(お嬢様!?)
お前のココロはダレノモノ?
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義道さんの、独り様々なことを苦悩する様子、可愛いですねー!ムッツリとかポヨンとかムッツリとか……うん、健全な性少年ということで!
ムッツリ星人、、、大好きです!
良き!ムッツリ星人良き!
小早川のココロの中のお嬢様とムッツリ星人がツボりました。
ミドリさんの美しさを現した紅葉とのスチルも素敵です!
でも、ミドリさんて何者?