桜のような女

悠蒼

桜のような女性でした(脚本)

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〇桜並木(提灯あり)
愛「わぁ・・・・・・」
愛「凄く・・・」
愛「凄く綺麗に咲いてるね」
愛「私・・・桜を見ていると──」
愛「今は天国にいる──」
愛「おばあちゃんのことを思い出すんだよね」
愛「私のおばあちゃんってね!」
愛「すっごく優しくて・・・あたたかくて・・・」
愛「いつもそっと見守ってくれていて──」
愛「桜のような女性だったの」
愛「名前も桜子っていうから、名は体を表すって本当なんだね」
愛「おばあちゃんはね──」
愛「私が嫌なことがあって落ち込んでると、すぐに気がついてそっと慰めてくれたり──」
愛「嬉しいことがあれば、私以上に喜んでくれてたの!」
愛「よく私には──」
愛「『愛ちゃんならきっと大丈夫。みんなから愛し愛される子だからね』って」
愛「励ましてくれてたなぁ」
愛「あなたのおばあちゃんはどんな女性なの?」
愛「・・・・・・」
愛「そうなんだね」
愛「ちょっと、心配性なおばあちゃんなんだ」
愛「あなたは、今も──」
愛「たくさんの愛情をおばあちゃんからもらってるんだね」
愛「・・・・・・」
愛「・・・話してたら少しだけ喉渇いちゃったな」
愛「飲み物買いに行ってくるから、そこで待っててね!!」
  ・・・・・・
愛「お待たせ!!」
愛「サイダーと甘酒買ってきてみたよ」
愛「どっちが良い?」
愛「私はどっちも好きだから、あなたが先に選んでいいよ」
愛「・・・サイダーね!」
愛「はい!どうぞ!」
愛「いい飲みっぷり!」
愛「私も甘酒飲もうかな」
愛「何でだろう・・・」
愛「とっても美味しく感じる・・・」
愛「あなたと一緒だからかな?」
愛「・・・・・・えっ?」
愛「おじいちゃんはどんな人だったかって?」
愛「実はね・・・おじいちゃんは、私が産まれる前に天国に行ってしまってたの」
愛「だから、私はおじいちゃんに会ったことないんだよね」
愛「でも、おばあちゃんから、おじいちゃんのことはよく聞いていて──」
愛「おじいちゃんは雪みたいな男性だったんだって」
愛「名前も雪道って言って、雪が入ってたみたいだよ」
愛「雪中松柏(せっちゅうしょうはく)って四字熟語あるじゃない?」
愛「志を決して曲げないような、真っ直ぐな男性だったみたいだよ」
愛「先に天国に行く前に、おばあちゃんにおじいちゃんが遺した言葉があるんだけど──」
愛「『桜子は、天国に来るのはゆっくりでいいからな』」
愛「『俺が・・・桜子が天国まで迷わず来れるように──」
愛「──しっかり道を作っておくから』」
愛「って──」
愛「わわっ!!」
愛「あなた・・・泣いてるの?」
愛「・・・・・・」
愛「あなたの意外な一面が見れて嬉しいかも・・・」
愛「そういえば・・・今日は大事な話があるって言ってたよね」
愛「内容何か・・・今、聞いてもいい?」
愛「・・・・・・・・・・・・」
愛「・・・ありがとう」
愛「凄く嬉しい!!」
愛「こちらこそ!!これからも、末永くよろしくお願いします!!」

コメント

  • 読み直してベソベソに泣いてます😭
    祖父母のお互いに思いやる優しさや孫への愛情、そして画面には映っていないお相手とのやりとりが全て暖かくて素敵な作品でした
    今の今までなぜ読んでいなかったんだ!と後悔しております😂😂

    2人には末長く幸せになってほしいですね😌

  • 天国に迷わないで来れるように、道を作っておく
    素敵な言葉です☺☺☺
    おじいちゃんの優しさと、二人の愛情が感じられるセリフ。
    今の二人ともクロスオーバーして、二人の幸せを願うキュンな作品です😍😍😍🥰🥰

  • 引き継がれていく家族愛を感じました。
    主人公もこれから優しい家族を築いていくのだろうなぁという温かな読後感でした。

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