楽なのに(脚本)
〇教室
慎(今日はくもり、か・・・)
慎「・・・毎日くもりなら楽なのにな」
真都「あー、ありがと。 でもオレ使うペンは決めてるから。 ほんと、ごめんな?」
こいつは多宇真都
僕より成績が低いものの、
持ち前の明るさからクラスの人気者である
クラスメイト(女)「そっかぁ、じゃあ別の何か探すね!」
真都「気持ちだけで全然いいよ、ありがと」
慎(またやってる。 なんで要らないって普通に言わないんだ?)
慎(その方が絶対に楽)
〇川に架かる橋の下
真都「・・・やっほ」
慎「うわぁ!」
慎「何、え、ちょ、うん、えっと、あ・・・」
慎「・・・真都か」
真都はわけも分からず
僕につっかかってくる
決していじめられるわけではなく、
ただ話がしたいだけらしいが
僕がそれに応じることはない
真都「えっと・・・オレ何かした?」
慎「なにがだ?」
真都「めっちゃ驚いてたじゃん」
慎「・・・あぁ、いつも通りだ。気にするな」
真都「ふぅん、そっか」
慎「で、何しに来た」
真都「別に?」
慎「じゃあ、消えろ」
慎「一緒にいたくない」
真都「ちょ、待てって!!」
真都「・・・」
〇教室
真都「慎、」
クラスメイト(女)「真都くん、どーしたの?」
真都「あぁ、何でもないよ」
〇書斎
慎「・・・」
慎「もうこんな時間か」
慎「母さん、晩ご飯の時間?」
慎の母「あ、そうね、今から温めるから 降りてきてちょうだい」
慎「・・・ん」